2013年11月20日
ひつぢ田
ひつぢ田に紅葉ちりかかる夕日かな 蕪村
刈り取り後の田んぼから、再び稲の青葉が伸びてきた様子を「ひつぢ田」と呼ぶのだそうです。 最初に聞いた時には「羊田」と思い込み、
「なるほど、羊雲のように羊の群れが連なっているようで可愛らしいからかな?」
などと、いつものように早合点。 さて、よくよく考えると、山羊ですらそう見かけなかったであろう昔の日本人が、たくさんの羊が群れている様子を思い浮かべるのは不自然です。
季語を調べてみると、「ひつじ田」ではなく「ひつぢ田」と書かれていました。 「ひつぢ」の漢字は、禾魯(櫓の木ヘンがノギヘン)ですが、意味はどうやら「乾土」「干土」のようで、稲穂を刈った後、水を抜かれて「干上がった田」の様子ということなのですね。
この写真では、雨の後で田んぼがぬかるんでいるので、厳密にいうと乾土田ではありませんが、そのぬかるみが午後の日差しにきらきらと光り、健気に再生した稲の葉を照らして出している様子が優しげで、暫く見惚れておりました。 蕪村の句の様に紅葉が散りかかるのももうすぐでしょう。
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本当に身体への負担の軽い手術法の進歩はありがたいです。それでも見えない部分の傷の痛みは未だ癒えてはいないのですから、ご主人様に甘えさせて戴きましょう とは言え殿方は、どうやら察するのが苦手らしいので、して欲しいことをはっきり伝えるのが吉なのですって。難しいなぁ…と、目下わたくしも痛感中です。