ネコノメソウの名前は、熟した果実が裂けた様子が猫の目に似て見えることから。
【ヤマネコノメソウ(山猫の目草) ユキノシタ科ネコノメソウ属】

(ネコノメソウとの見分け方)
ヤマネコノメソウ: 葉は互生、ランナー出さず、花期3〜4月
ネコノメソウ: 葉は対生、ランナー出して広がる、花期4〜5月
【ハナネコノメ(花猫の目) ユキノシタ科ネコノメソウ属】



白い花弁に見える萼片に、萼片より長い雄しべの赤い葯が映えて愛らしく、初春の沢の人気者。 誰かが所在を見つけて声をあげれば我も我もと押し寄せて、周りが踏み荒らされてしまいます。 人に頼らず自分の目で見つて、周りの植物を出来るだけ踏まないようにしつつ、そっと対面する気遣いも必要に思います。
【ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目) ユキノシタ科ネコノメソウ属】

基本種「イワボタン(別名ミヤマネコノメ)」の変種。
葯の色が、イワボタンは黄色、ヨゴレネコノメ葯は暗紅色。
ほこりをかぶったように見えるのが名前の由来とのこと。 未だ芽生えの少ない林縁で光りを集め輝くばかりに咲く姿に「汚れ」の名前は気の毒に思えますが、沢の飛沫を浴びるような場所に咲くヤマネコノメやハナネコノメに比べると、確かに少しホコリはかぶっているかもしれません。 まぁ、カワイソウな名前は印象的で記憶に残りやすいのが利点ではあります。
この日、この他に木下沢で観察した植物:
(花)タチツボスミレ、アオイスミレ、ユリワサビ、ヤマルリソウ、
アブラチャン、ダンコウバイ、
(芽吹き)エイザンスミレ、ニリンソウ(つぼみも)、ヤマトリカブト、
フサザクラ
(その他)フユザンショウ(トゲと常緑の葉)、カツラ(株立ち)
リョウブ(ナポレオンハット型の冬芽)
動物の痕跡
イノシシが食べ物(ミミズ?)を漁った痕
人間が植物を盗掘した痕
帰り道に立ち寄った日影沢で観察した植物:
(花)アズマイチゲ、キクザキイチゲ、コチャルメルソウ
(芽吹き)コウヤボウキ
(その他)カツラ(植林)
魅力的な姿で人を惹きつけること、これも或いは植物の生き残り戦略の一つなのかもしれませんが、「やはり野に置けれんげそう」持ち帰っても土が合わずに消えてしまうことも多いと思います。
園芸種と違って、関西と関東では結構生えている植物に差がありますので、その土地ならではの植生に会えた時は一段と嬉しいです!