千曲川の源流にほど近い長野県南佐久郡川上村にある武蔵野市立「自然の村」へ行って来ました。
海抜1,447m、昼でもかなりの涼しさ、夜はフリース着用でした。
荷物を運び入れ、早速バンガローの掃除を始めると、足元に点々と黒いものが…
なんと、ヤマネの糞! なのだそうです。 まだ生々しい雰囲気です。 ということは、夜中に天井からカワイイ2つの目が光るかも??
こちらの光はヤマネの目ならぬ、空缶で作ったロウソク缶テラの照らすキャンプファイヤーへ誘う道
団のキャンプではアルコールは一切口にしないが、この宵は、美味しいお酒をご馳走になり、夜間の見守りもなく、ぐっすり朝まで眠り早々に目が覚め、イソイソと散歩に出ました。(ということで、ヤマネとの対面はありませんでした、残念。)
🎵山の朝の空には〜白い雲が小さく〜流れて消える〜
見上げた空はどこまでも青く澄んだ冷気が頬に心地よく、思わず口ずさんでしまいます。
静かな朝のファイヤー・サークルとそれを見下ろす「屋根岩」
儀式の焚火跡の輪の上に白い岩肌が天に向かって聳え立ち、ココだけ見ていたら、ネイティブ・アメリカンでも飛び出してきそうな風景です。 白い岩肌は花崗岩で出来ているそうなので、植物が生えにくいのでしょう。
さて、自然村内には、どんな植物は生えているのかな・・・
白樺(シラカバ)カバノキ科カバノキ属 幹に残る「へ」の字の枝痕
落葉松・唐松(カラマツ)マツ科カラマツ属 実生幼木 短枝の束生葉と枝先長枝の螺旋状につく葉
赤松(アカマツ)マツ科マツ属 米栂(コメツガ)マツ科ツガ属
葉柄が短い羽団扇楓(ハウチワカエデ) 葉柄が殆ど無い水楢(ミズナラ)
白樺、岳樺(ダケカンバ)、水楢、と来れば、橅(ブナ)も生えていそうなものですが、私の見た範囲では見られませんでした。 ブナは特に土壌に左右されずに成長出来る筈ですが、標高が1,500m近いので厳しいのかもしれません。 代わりに目立ったのは、酸性土壌を好む、ツツジ科の面々・・・
レンゲツツジの葉 アズマシャクナゲの葉
蓮華躑躅(レンゲツツジ)ツツジ科ツツジ属
東石楠花(アズマシャクナゲ)ツツジ科ツツジ属
・葉先に腺突起なし、細長い楕円形で基部は葉柄に沿って細く流れる
白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)ツツジ科ツツジ属
・丸い葉先に腺突起あり、やや幅広な楕円形で基部は浅く湾入
この他にも、ツツジ科の 捻木(ネジキ)が多く見られました。
三手楓(ミツデカエデ)ムクロジ科カエデ属
午前のプログラムで村内の森を散策
今にも這い出しそうな足のある木 エゾハルゼミ?の抜け殻
ダケカンバの巨樹などを見上げて回り、展望台からの眺め
深山木天蓼(ミヤママタタビ) 深山桜(ミヤマザクラ)?の実
・花期に葉が赤味を帯びた白色になる
深山飯子菜(ミヤマママコナ)ゴマノハグサ科ママコナ属
・ミヤマママコナは唇弁の2つの隆起が黄色、ママコナは白とのことだが、この個体は白かった。
ウダイカンバ?の幹 ウダイカンバ?の葉の付根の湾入
今回は、指導者講習会のスタッフとしての参加で、自由時間はこの朝の散歩位、観察は余りできませんでした。 このエリアもご多分に漏れず「鹿の被害」が多く、保護の為の「シカ避けネット」に囲まれていました。 ツツジ科植物が多いのも、酸性土壌と言う条件プラス「毒性アリ」で鹿の食害を受けないことも大きいと思われます。 反対に、ネジキと良く混生する「リョウブ」が少ないのは、シカが好む所為かもしれません。
秋に「キノコ研修」で再訪する予定ですので、引き続きの観察が楽しみです。
2016年06月25日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック