コース:
武蔵五日市駅〜藤倉バス停〜小河内峠〜惣岳山〜御前山〜栃寄り森の家(ふりかえり)〜境橋バス停〜奥多摩駅(歩行距離約14km、歩行時間約6時間半)
藤倉バス停の奥、バスの折り返し場の辺りに落ちていたのは、ヘーゼルナッツ(西洋ハシバミ)の仲間の

ツノハシバミ(角榛)カバノキ科ハシバミ属
角付きの勾玉のような実が大体3つ(1〜4のこともあり)くっついている。 先日、この実を東御苑でみつけた時、珍しさについ素手で触れてしまい、棘のある剛細毛が洗ってもなかなかとれずチクチクして困ったので、今回は靴で踏んで中の実を取り出した。 小さな固いどんぐりのような実が入っていて、食べてみようと持ち帰ったが、未だ試していない。
写真は濡れた状態だが、乾けば軟毛に覆われモフモフとした柔らかな手触りの葉は、


メナモミ(雌菜揉)キク科メナモミ属
葉は対生で葉柄に翼がある。 花の周りのヘラ状の萼片に腺毛があり、ペタペタとくっつく。
似た仲間のコメナモミは、やや小型で殆ど毛がなく、葉に荒い鋸歯がある。


ソバナ(岨菜)キキョウ科ツリガネニンジン属 花(葉は別種のもの)・実


ミズタマソウ(水玉草)アカバナ科ミズタマソウ属 実・花
表面の細毛に朝露を帯びた実は、銀色に光って名の通り「水玉」が連なるよう。
白い小さな花も良く見ると、繊細な美しい意匠に驚かされる。
似た仲間のウシタキソウは葉柄基部が凹んだ細長いハート型、節に赤味を帯びない。
タニタデは全草殆ど無毛で、萼片が赤く花弁より長いので白い花も赤味を帯びて見える。


ヒガンバナ(彼岸花)ヒガンバナ科 茶の木と並び、人の住んだ痕跡を示す花。
ツチガキ(土柿) ツチグリと似ているが、ツチグリの裂片は茶色で網目模様がある。


きのこ
きのこ


きのこ
きのこ



きのこのフェアリーリング(菌輪) 西洋では妖精が輪になってダンスを踊る場所との伝説


きのこ
きのこ


左:リンドウ(竜胆)リンドウ科リンドウ属
右:センブリ(千振)リンドウ科センブリ属 苦い胃薬として有名 千回水の中で振り出しても苦い

アキノギンリョウソウ(秋の銀龍草)

コウヤボウギ(高野箒)キク科コウヤボウキ属


カシワバハグマ(柏葉白熊)キク科コウヤボウキ属
上のコウヤボウキ(木本)と同属の草本で、花の付き方は違うが形は良く似ている。
ハグマ(白熊)とは、仏具の払子に用いるヤクの毛のことで、花の形をなぞらえての命名とされる。 コウヤボウキの方も花が箒のようだからかと思うと、こちらはこの細い枝を束ねたものを高野山で昔は箒として用いられていたからと言う。


オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)キク科モミジハグマ属
同じハグマが付いても、こちらはモミジハグマ属で花の形は少し異なる。
閉鎖花が多く、なかなか花をみられないキッコウハグマはモミジハグマ属で同じような細いリボン状の花弁。




タカオヒゴタイ(高尾平江帯)キク科トウヒレン属
東京の高尾山で発見されたことによる命名。 下部に付くバイオリンに似たくびれのある葉が特徴。
こちらでは花色の淡いものから濃いものまでバリエーションが楽しめた。

アズマヒキガエル(東蟇蛙)


左:アキノキリンソウ(秋の麒麟草)キク科
右:カメバヒキオコシ(亀葉引起)シソ科
森の中の植物の様子が、おかしい。 去年まであれほど沢山の種類が見られた秋の花々が、探せど探せど殆ど見当たらない。 やっと葉だけをみつけると、上部が引きちぎられるように無くなっている。 ぬかるみには足跡が点々と・・・鹿だ! 去年、大菩薩嶺でお花畑が壊滅状態なのを見て落胆したが、奥多摩にも鹿の害があっという間に広がっていた。 あちこちにシカ避けネットが張り巡らされていた。
やっと見つけたお目当ての日本のサルビアとも言われる、


キバナアキギリ(黄花秋桐)シソ科アキギリ属 サルビア・ニッポニカ
良く街で見かける外来園芸種の↓サルビア・グアラニティカ(誤用のメド―セージ名で流通)に花の形はソックリ。

画像は「花と緑の図鑑」http://garden-vision.net/flower/sagyo/s_guaranitica.html より

ヨメナ?(嫁菜)キク科


きのこ
ヤマグリ


セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁子)シソ科
花は目立って美しくも、毒草のイメージから不気味な雰囲気を醸し出す


ヤマトリカブト(山鳥兜)キンポウゲ科
鹿もその猛毒を知り食べ残すので、春の毒草ハシリドコロと並び、目立って増えて来た。


シュロソウ(棕櫚草)


サラシナショウマ(晒菜升麻)花穂 葉


雲海に呑み込まれていく山々


カノツメソウ(鹿爪草)セり科

ツリフネソウ(釣舟草)

ようやくガスが昇って晴れ間が見えそうに

ヒノキの伐採木を積み込み運び出す作業に遭遇。 林業は危険も伴うがスケールの大きな仕事だ。
都民の森の中、休憩予定の東屋の手前、声を上げながら猿の親子の一群が逃げ去る途中、恐らく木の強い母親猿がキッとこちらを睨みつけて行った。 どうやらヤマボウシの実で食事中だったようで、邪魔されて気分を害したのだろう。 それにしても、一口かじってポイ捨てした実の多いこと。 未熟で不味かったのだろうか? 贅沢なことをするものだ。 何だか猿蟹合戦で青い渋柿を投げつけられたような蟹の気持になる。
その後、下山路に投げ捨てられたアケビの皮が多数。 お猿も美味しいものは残さない。
やっとバス停が見えてきた辺りで、グレープフルーツのような柑橘系の香りに足元を見ると、踏み潰されたカヤ(榧)の実が沢山落ちていた。 これも食べられるので拾ってポケットへ。 あれれ、私も猿と大差ないな。

クジャクシダ

クサボタン(草牡丹)キンポウゲ科
【主な観察の記録】
木本:ブナ、ミズナラ、カツラ、メグスリノキ、スギ、ヒノキ、モミ、アカマツ
<花>コウヤボウキ、
<実>ツノハシバミ、サンショウ、ヤマボウシ、オニグルミ、コアジサイ、アブラチャン、アケビ、オトコヨウゾメ、ヤマグリ、トチノキ、カヤ
草本:フシグロセンノウ、ヒガンバナ、ミズタマソウ、メナモミ、ハナタデ、イヌタデ、イタドリ、アズマヤマアザミ、オクモミジハグマ、ツルリンドウ、リンドウ、カシワバハグマ、タカオヒゴタイ、センブリ、チヂミザサ、アキノキリンソウ、セキヤノアキチョウジ、キバナアキギリ、カメバヒキオコシ、トリカブト、サラシナショウマ、イヌショウマ、フタバアオイ、オヤマボクチ、ノダケ、シラネセンキュウ、ヤマゼリ、ウワバミソウ、ツルニンジン、クサボタン、ホトトギス
