2017年05月17日

深泥(みぞろが)池 周遊

 大阪から京都が思っていたよりずっと近く電車に30分も乗れば行けると知り、京都在住ももりさんのブログで拝見して俄然行ってみたくなった「深泥池(みぞろがいけ)」まで足をのばしてみました。(深泥ヶ池、御菩薩池 とも書き、京都の人は「みぞろがいけ」と呼んでいるそうですが、地図など公式なものには「みどろがいけ」と記されているものが多い。 歴史的にも双方が混在し、また由来もそれぞれにあるので面白い。)

 朝、ケロの所のお鍋で炊いたご飯(買った炊飯器で炊くと美味しくないというので)で作った「おむすび」2個を持ち、飲み物は地下鉄烏丸線北山駅を出た所のコンビニでお茶を購入。 その時コンビニの方に、頭に入れてきた深泥池への道順を確認したところ、わざわざお店の外まで出て指さしながら行き方を教えて下さいました。 こちらへ来てから優しい方に巡り合うことが多くて嬉しいです。

 駅から10分程の住宅地から出て、ポッと開けた空間が深泥池前でした。

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こちらは白いカキツバタでも有名です。  普通の青紫色のカキツバタ

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シッポの先に綺麗な空色の日本線のある【クロイトトンボ】

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複雑な形の浮き草

道標のある入口から入った所に草地の公園とベンチがあって、お昼を広げている親子さんがいました。 「こんにちは」を言いつつも邪魔しないように後ろを通って池に右側から周遊路に入りました。

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池の周りには柵も何もないので、得意のよそ見をしてよろけたらボッチャン!です。 狭い通路で足元に気を付けながら、余り綺麗だったので振り向いて木漏れ日をパチリ。

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池を囲む森も豊かで特に立入禁止などにもなっておらず、行こうと思えば登っていけそうです。 この日は未だ膝も痛むし無理してはまたケロに怒られるので大人しく道を進みます。

【モチツツジ(餅躑躅)】
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桜色のツツジがあちらこちらで満開でした。 水面にも写って桜かと見紛う程大きくなっている株もありました。 後日調べ「モチツツジ」と分かりました。 触るとペタペタと粘つきましたので、それが命名の由来ではないでしょうか。

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シダ

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コケ

湿地と池の水面に移る青空と白い雲、のどかな風景が続きます。 心霊スポットなどとも言われているそうですが、この日はそんな気配は感じませんでした。

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水面からニョキニョキ突き出ていたのは、よく見てみれば、黄色いヒメコウホネの花。
【ヒメコウホネ(河骨)】スイレン科コウホネ属
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ヒメコウホネの葉は円心形で浮葉(水に浮く)
コウホネの葉は長い心形で気中葉(空中に出る)

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虫こぶ

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【キイトトンボ?】 お尻が曲がってしまったのかな?

【ミツガシワ(三槲)】リンドウ科ミツガシワ属
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尾瀬などでは未だこれからの夏の花のイメージでしたが、南方で低地の京都では白い花は既に終わっており、青い実が付いていました。

恐らくこの辺りが一番奥まった所のように思えます。 水源が近いのか池畔が湿地状態で余り池に近づくとずぶずぶと脚が沈みそうです。 池周りには深い森が続いています。
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池の水源の一つと思しき沢があったので遡ってみようと森へ入り込んだ途端、シャカシャカっと何か落葉を払いのけているような音がします。 音の方に目を凝らしてみると・・・
細長い地面を這う生き物が苦手な方は、次の写真は飛ばして下さい。

【シマヘビ】
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1.5m(大げさかな)もあるかと思える程長〜い蛇が、シッポの先をまるでガラガラヘビのようにシャカシャカ振ってこちらを見て、恐らくは威嚇しながら私の前を横切って行きました。 
「これはこれは…この先立ち入るべからず、ということですね。
 承知いたしました。 退散します。」
やはり、何者かおわしまするようですので、みだりに立ち入るのは遠慮することにしました。

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最深部の薄暗い森を抜けると明るい日が射して来て、池畔の土も乾いて来ました。 新緑に白い小花たちが生えて美しい森です。

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この辺りが一番広い湿地帯のようです。 貴重な古代からの植物が残っているのでしょう。 
湿地帯と思っていたのは、後から調べた所、広大な「浮島」と分かりました。 池の周りの散策は自由ですが、浮島へは立入禁止です。 一番下に京都市情報館の「深泥池」またその浮き島についての記載を引用しておきます。

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【ウマノアシガタ】
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光を反射して輝く花 と 馬の脚型に見える?葉

【深泥池(みぞろがいけ)】 京都市情報館の記載より
京都盆地の北にある周囲1.5km,面積9haの小さな池です。
この池には,西日本の平坦地では珍しい浮島があります。
また氷河期以来の動植物が今も生き続けるとともに多くの水生植物、昆虫、魚類、野鳥等がいます。
この池の水生植物群落を保護するため、昭和2年に国の天然記念物に指定されました。
昭和63年には生物群集全体が対象になりました。

深泥池の不思議の一つに浮島があります。池の中央に広がり,池全体の1/3の面積を占めています。この浮島の下には水の層があって浮いていることが確認されています。浮島は水温や水質の関係で,有機物の分解が遅く,植物の遺体が分解されずに堆積し,その上にミズゴケや種々の植物が生育しています。浮島は季節により上下に変動しています。夏には浮かび上り,冬は沈んで冠水します。冬に冠水する平坦部分(シュレンケ)にはミツガシワをはじめカキツバタ等が生育し,冬に冠水を受けないやや高い部分(ビュルテ)にはアカマツ・ネジキ等の樹木が成育しています。池内の植物の大部分がこの浮島上で生育し,多くの小動物もここで育っています。

京都府レッドデータ2015 より抜粋
深泥池は周囲1,540m、面積9.2haの池沼で、浮島や貴重な動植物が生息することで知られている。周囲を丹波層群のチャートを主とする定高性の山で囲まれ、南西端のみが開けて低地に面している。その形態から、東から西へ流下する開析谷の出口が賀茂川の扇状地堆積物によって塞き止められて形成されたと考えられる。

池中にはハリミズゴケやオオミズゴケからなる浮島があり、ホロムイソウやミツガシワの寒冷植物、ヌマガヤ、イヌノハナゴケ、モウセンゴケなど高層湿原の構成種が見られる。 特に、北方系のホロムイソウ、アカヤバネゴケ、ミズグモ、ハナダカマガリモンヒメハナアブなどは、最終氷期からの生き残り(レリック)種として学術的に重要である。

4月にはミツガシワの白い花、5月に白や青のカキツバタや赤色のトキソウ、9月にはサワギキョウの青色の花が咲き競い、年中楽しませてくれる。

posted by 山桜 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いいでしょう・・・何度でもついふらふらと行きたくなります。でも・・・周遊道があるなんて知りませんでした。底なし沼だったら怖いから気をつけてくださいね。大きな蛇・・・ですって???土地神かも???神山・・・上賀茂神社の裏山も神いますって感じがしますよね。適塾も大分前にですが行きました。「ターヘル・アナトミア」の現物を見て驚いたのを覚えています。みぞろが池から少し東へ行くと、松ヶ崎。私の母校です。
Posted by 山口ももり at 2017年06月01日 09:07
◆ももりさんへ

 いつもは公園や道路側から眺めていらっしゃるのですか?
公園の向かって右手からぐるっと周れますけれど、
池の主の大蛇さんも登場しますし、お一人ではやはり
危ないですね。 ご一緒出来たらご案内?致します。

 大田神社も上賀茂神社も行きたかったのですけれど、
やはり喪中ですので遥拝だけにとどめておきました。

 この辺りがももりさんの青春の思い出いっぱいの地
だったのですね。 
Posted by 山桜 at 2017年06月01日 20:50
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