2017年05月17日

京都府立植物園

深泥池から北山駅前まで戻って来て、ももりさんが良く足を運ばれている京都府立植物園に向かいました。

「日本一おもしろい、心やすらぐ植物園」

 これが基本コンセプトだそうです。 いいですね!

 広〜い園内を隈なく見るのは諦めて、園芸植物の花壇はパス…と思ったものの、あまりにも珍しい植物はやっぱり見過ごせず引き寄せられてしまいました。 この背丈もこえるようなとんがり帽子は一体ナニ?

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【エキウム・ウィルドブリッティ】ムラサキ科 
 スペイン・カナリア諸島固有種

原産地では草丈3mにも達するそうで、シルバーの葉が光を受けると輝きを増し赤い花を引き立てて「ジュエリー・タワー(宝石の塔)」の別名にも頷けます。 カナリヤ諸島はスペイン領でアフリカの東肩辺りにある9つの島で固有種の宝庫、いつか行ってみたい所の一つです。

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左【シナノキ(科、級、「木へんに品」など】苞・蕾・花 
右【シマモミ(島樅)】別名:ユサン、台湾油杉

菩提樹の花は葉っぱの真ん中から花柄が突き出ているような変わった花です。 やがて丸い実がなると、この苞葉がプロベラになってくるくる舞い落ちます。

シマモミは、見慣れない球果に目を惹きつけられました。 今までそれ程じっくり見て来なかったけれど、針葉樹も面白いなぁ 

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左【テーダ松】マツ科マツ属  北米原産 
右【ドイツトウヒ?】マツ科トウヒ属 欧州原産

日本の松はクロマツ、アカマツが二本(二針葉)、ヒメコマツ(ゴヨウマツ・五葉松)が名前の通り五本一束(五針葉)ですが、このテーダ松は3本一束(三針葉)です。 葉が長く噴水のように生えて垂れ下がるダイオウマツ/ダイオウショウ(大王松)同科同属 欧州原産 も三針葉です。

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【キササゲの仲間→コバノキササゲ(2024.06.29記載)】ノウゼンカズラ科

皇太子さまのお印「梓」がミズメかキササゲであるか、キササゲの中国漢字が「梓」であることから、しばしば論争の種になりますが、このこのとについては日を改めて書きたいと思います。

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左【クロソヨゴ】モチノキ科 花
右【ツクバネガキ(衝羽根柿)】カキノキ科
  別名:ロウア(ヤ)ガキ・ロウア(ヤ)シ(老鴉柿)
     
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左【ヤマシャクヤク】ボタン科
右【タチテンノウメ(立ち天の梅)】バラ科 小笠原諸島固有種
 
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左【オキナグサ(翁草)】キンポウゲ科 実
右【チュウキレン(地湧蓮)】バショウ科

オキナグサの実には、翁=おじいさんの髪、もしくは髭のように真っ白な毛があります。 同じように白い毛のある種をつける植物で女性版の方は「キジョラン(鬼女蘭)」といのは、ちょっと酷くないですか? 白髪を振り乱している感じは同じなのに…。

チュウキレンはバショウ科つまりバナナの仲間です。 よく見ると花のように見える部分は苞で、その隙間に小さいバナナのような花が見えます。 葉は芭蕉そのもの、この花も柄を付けて引っくり返せば芭蕉やバナナ(実芭蕉)にソックリです。

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【白花クサナギオゴケ】キョウチクトウ科(旧ガガイモ科)カモメヅル属

メモをし忘れました・・・『さて、何だったか・・・クサナギがついていたような??』という微かな記憶から検索して種名に辿り着きホッとしました。
見過ごしてしまいそうな小さな花に儚げな草姿ですけれど、つい立ち止まって話しかけたくなるのは何故でしょう。 

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【シライトソウ(白糸草)】ユリ科

ほの暗い樹下で真っ白な長い穂が目立ちます。 花弁6枚の内4枚が細長く2本は極短いのが見えますでしょうか? 同じユリ科で白い穂状の花をつけるマイヅルソウが草丈10cm程と可憐なのに対し、こちらは30p以上にもなります。

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【ハクウンボク(白雲木)】エゴノキ科

足元に落ちている花だけ見ると、エゴノキとそっくりなのですが、ハクウンボクは花の付き方が穂状になっていて空に浮かぶ白雲のよう。 葉がエゴノキより大きく丸みがあり葉裏が白いのが特徴です。
                 
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左【アズマシャクナゲ(東石楠花)】ツツジ科
右【ハナミョウガ(花茗荷)】ショウガ科 

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左【ミヤマヨメナ(深山嫁菜)】キク科
右【クサタチバナ(草橘)】キョウチクトウ科(旧ガガイモ科)

ミヤマヨメナから作出された園芸種がミヤコワスレ(都忘れ) 

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左【ツクバネ】ビャクダン科 め花
右【チョウジソウ(丁子草)】キョウチクトウ科

植物の名前には、昔の人の関心の高いものの名前が隠れていて興味深いです。 例えば「ツクバネ」の付く名前はとても多くて、きっととても心躍る楽しい遊びであり神事(厄払い)でもあったのかなぁと想像します。 衝羽根=追羽根の形は、何と言ってもカワイイですしね。

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【ヒメウツギ(姫空木)】ユキノシタ科

ウツギよりやや花期が早い。 葉の表面はザラつかない。 雄蕊に角状突起がある。

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【マルバウツギ(丸葉空木)】ユキノシタ科

名前の通り葉が丸みを帯びる。 

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左【マンリョウ(万両)】ヤブコウジ科
右【バクチノキ】バラ科バクチノキ属

マンリョウは園芸種(葉が傘状に上の方にまとまっていて、その下に実をぶら下げている)を見慣れていますが、原種はこのような素朴な風情です。 以前千葉で実がなっているのを教えて頂いた時は見知った万両と違うので驚きました。

バクチノキの幹は剥げ落ちて不思議な模様が出来ていますが、この様子から博打で摺って「身ぐるみ剥がれた」姿を想像したようです。 そう思って見ると赤膚色が生々しいですね。
  
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左【サワオグルマ(沢小車)】キク科キオン属
右【カラコギカエデ(鹿子木楓】ムクロジ科(旧カエデ科) 

カラコギカエデの幹は年月を経ると鹿の子模様になることから、「カノコギ」⇒「カラコギ」に転訛した。 
紅葉が一際美しい。 目薬、草木染などにも用いられる有用樹
(色合いは白と緑褐色と異なるが同様な鹿の子模様の樹肌になる「カノコギ」⇒「カゴノキ」はクスノキ科)

 膝が痛まなければ温室も見たかったけれど欲張りは禁物。 今日は、深泥池が主役で植物園は脇だったのですから、感動が分散しないように体力も温存して帰ることにしました。 昼間は未だそれ程混んでいませんでしたが、夕方の烏丸線・御堂筋線は東京と同じ喧噪が迫りつつありました。 早めに帰途について正解でした。 
 
posted by 山桜 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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