2017年08月01日

また八月が来た

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7月末に観察園の大掃除で色んなホコリを浴び、喉をやられたかも…と思っていたら案の定、朝から喉が痛くて体が怠い。 梅雨が明けたと言うのに、急に涼しくなってしまいエアコンを掛けるまでも無いと窓を開けて寝たのが良くなかったのか。 独り身で健康が勝れないということの不安を初めて感じた。

 昨日届いたばかりのお仏壇の扉を開け、過去帳の「一日」を開き、手を合わせる。 
 「どうか山へ行く日までに元気になれますように」

 八月と言えば、毎年主人の母の所へ行き、お墓詣りをして一緒に温泉などに行くのが結婚してからの恒例だった。 皆が元気な頃は、今年は何処へ行こうかと考える範囲も広かったが、ここ数年は主人も母も遠出がシンドイ状態で近場ばかりになっていた。 

 それでも家族そろって旅する楽しみで心躍る八月だった。 お正月、GW、8月と年三度の母を連れての旅行が、去年の八月で最後になってしまうとは、あの時はまるで考えもせず、主人が長い運転に耐えられるのだろうか、代わりに移動で疲れたケロが運転して大丈夫だろうか、自分が術後の身体で旅行が出来るだろうかという不安があるばかりだった。 

 去年の8月1日、私は胆嚢摘出手術を受けた。 主人は背中の痛みを堪えながら車を運転してお見舞いに通って来てくれていた。 やがて退院の日の会計を待つ間、
 「折角今、この辺で一番大きな病院に来ているのだから、背中の痛みを診て貰ったら?」
と勧めたのに、週明けにペインクリニックに行く予定の主人は、ちょっと考えてはいたけれど、遂にその気になってはくれなかった。

 外は焼けつくような日差し、森の中にある病院はお互いの声も聞こえないほどの蝉の声に包まれていた。 強い痛みを抱えつつも日々鍛えたしっかりとした身体で荷物を持ち、いつものように愛車に身体を滑り込ませる主人を頼もしく見ていたあの夏の日。 長い間、看病とお見舞いばかりだった私と主人の立場が反対になって、少しは私の気持ちも分かってくれたかなと嬉しいような気持もしていた。 まさか重い病が主人の身体を蝕んでいるとは思いもせずに。

 あの時、もっともっと強い気持ちで引きずってても診察を受けさせていたら、今も主人は元気で傍に居てくれただろうか? 今更考えてもどうにもならないことを、ついつい考えてしまう。 きっとこれからも、八月が来て蝉の声を聞くたびに。 

(写真)
 去年八月、最後に皆で詣でた時の夏の日差しに包まれた
 大洗磯前(いそさき)神社 本殿



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posted by 山桜 at 00:00| Comment(6) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 8月もまた、大切な思い出の詰まった キラキラした月なのですね☆彡
でも今年は 色々な思い出が甦ってくる、お辛い月かも知れませんね?
 ただ、こんなにもご家族を大切に、ご縁を密に紡いでこられたなんて、やはり素晴らしいスペシャルファミリーです。お手本にしなければ…
Posted by メダカの目 at 2017年08月12日 22:50
◆メダカの目さま

 去年の丁度今日、家族揃ってこの神社にお参りしておりました。 偶然とは言えないものを感じております。 きっと主人も今、去年の今頃のことを思い出しているのではないか、私とあの日の事を思い出して語らいたいのではと思えてなりません。

 まぶしい夏の日差しとともに、これからも毎年懐かしく思い出すことでしょう。
Posted by 山桜 at 2017年08月14日 01:57
ご本人も何となく感じ、病状を知るのが嫌だったのかもしれません。
Posted by 玉井人ひろた at 2017年08月15日 08:07
胆嚢摘出手術を受けた・・ですって。ちっとも知りませんでした。主人も去年、同じ手術をしました。一人・・・の家って、私も考えただけでも・・・ちょっと・・・つらいですね。釣りキチが家にいない夜はやっぱり何とも言えず不安です。主人はいてくれますけど。人ってやっぱり寄りかかり合って支え合って生きるいきものなんでしょうね。釣りの遠征??から無事帰宅・・・ウレシイです。
Posted by 山口ももり at 2017年08月15日 09:35
◆玉井人ひろたさんへ

 もしかしたら、そういう気持ち、または、そんな筈はない、っていう気持ちがどこかにあったのかもしれませんね。 こんなに痛くてまたあの病気だったらというのは考えたくない最悪のシナリオですから…。 

 だからこそ、私が強い気持ちで…と幾ら今思ってもどうにもならないことで、寿命だったのだ、その中で精一杯生きてくれたのだと感謝しています。
Posted by 山桜 at 2017年08月16日 13:06
◆ももりさんへ

 朝早くから夜遅くまで働き、長期の出張も多い人でしたので、不在には慣れているのですが、やはり「元気で留守」の時とは心持が全く違います。

 思い出したり懐かしんだりするともう、際限なく涙が溢れてしまうので、今は他の事を考えていられる時には出来るだけ、そういう気持ちにスイッチを入れないように気を付けています。

 不思議と一人ぼっちという気持ちではなく、いつも一緒にいてくれる安堵感はあるのです。 事実、探し物は直ぐに教えてくれるし、色んな所で助けてくれていることを感じます。 ただ、体調が勝れない時は、ちょっと不安になってしまいました。 「そういう時のための備えが必要だぞ」とこれもまた教えてくれたのかもしれません。
Posted by 山桜 at 2017年08月16日 13:15
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