2017年08月07日

2017m今年の山・雲取山へ登る(本番)

【コース】JR青梅線・奥多摩駅−<バス>−鴨沢(WC)〜お祭〜(後山林道)〜三条の湯(泊)〜水無尾根〜三条ダルミ〜雲取山(東京都最高峰2017.09m)〜避難小屋(WC)〜小雲取山(1937m)〜雲取奥多摩小屋〜五十人平ヘリポート〜ブナ板〜七ツ石山(1767m)〜七ツ石小屋〜堂所〜小袖〜鴨沢−<バス>−JR奥多摩駅

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【JR奥多摩駅舎】      【アカメガシワ】トウダイグサ科 実

 迷走台風5号の動きを気にしつつも、晴男・晴女のパワー強くカンカン夏日下の奥多摩駅集合となる。 バス車窓から見る奥多摩湖岸の露肌広く、いつもは見られぬ島も顔を出し湖面の照り返しがキラキラ眩しい。 トイレのある鴨沢バス停下車、炎天下の林道歩きを覚悟したが、意外や日差し遮る優しき雲たなびき爽やかな風も吹き出し大いに助けられた。 その風に乗って漂う、クズ、クサギ、ヤマユリの花などの香りの違いを楽しむ。 

 アカメガシワのサボテンのような実を見ている時、お客様から故郷福井ではこの葉で塩魚と麹と飯を包んで作る鮓(熟れ寿司)を(今は酢飯でも)作るというお話を伺え、「カシワ=炊き葉」の名を頂いている由縁に確証が得られ嬉しかった。 

P8066074 (207x310).jpg「お祭*(地名)」から後山林道を登る。 7月の大岳〜御岳では手の届かぬ所に数輪咲いていただけのイワタバコが、そこかしこに群生・満開。 小株〜大株の葉の大きさ、花付きや花色の濃淡での風情の違いなども堪能出来た。 沢山咲いていると「ああ、またか」とつい見過ごしてしまいがちだが、良く知るためのチャンスと捉え逃さず観察を楽しみたい。 それにしても足下の崖にピンクの滝のように咲き揃ったイワタバコは見事だった。 崖下に下りて仰ぎ見られたら最高なのだか未だ命は惜しい。

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足元をこわごわ覗いて見下ろしたイワタバコ
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他の場所で下から見上げたイワタバコ

 林道終点より山道に入る。 やや急登ながら、谷筋から吹き上がる冷気、滝から舞い上がる飛沫、緑陰から響くヒグラシの声、下界の暑さを忘れさせてくれる清涼さの中を行き、3時前には三条の湯へ到着。 幸運にも我等一行の貸切状態で、早速明るい内からつるつるの温泉にのんびりゆったりと浸かり今日の汗と疲れを流す。 
「ああ、いいお湯でした〜! さっぱりしたわ〜」
と、部屋に戻って来られた皆さんは、つやつやピカピカのたまご肌で10歳程も若返ったご様子!(自分にも効果があったかは鏡が怖くて未確認。)

 夕食には、三条の湯の社長さんが撃ち取った鹿肉ローストの赤ワインソース添えや自家農園の新鮮野菜(お澄ましの茗荷の辛さが最高)もたっぷり、各々赤白ワイン・ビール・冷酒などで盛り上がり、ずっと気になっていたフォークギターを弾いて欲しいとリクエスト。 忙しくて断られるかと思いきや、食器の片づけも手早く済ませ、早速番頭?ヤスさん、ご登場♪ 

 1曲目が何だったのか記憶にないのは、心の奥の琴線に触れ突然涙が溢れて止まらなくなってしまったから…。 その上の「涙そうそう」には降参、「皆で盛り上がる曲をお願いします!」と言うのに、真打登場の社長さんは輪をかけて哀しい歌(松山千春、ユーミン、小田和正…)好きで、困ったなぁ、もう。 それでも、ほぼ同年代の歌の輪は徐々に盛り上がり、前に出て「上を向いて歩こう」を歌って下さったお客様あり、リクエストあり手拍子ありコーラスあり、何やら懐かしい山小屋の歌の集い、青春時代に戻ったような熱き夕べとなった。
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 夕方〜夜の雨の後、深夜2時頃には満天の星空だったそうな。 泣き歌い疲れ、朝までぐっすりで見損ない、残念。

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 谷間の朝の薄日の下で見送ってくれた山百合の花

 翌朝は素晴らしい晴天下5時半出発。 山頂で日の出を迎えたら最高だったに違いないが、今回我らは温泉の楽しみを優先したので、二兎は追えない。 三条の湯から暫くは急登が続くので歩きに専心、心肺と足慣らしの為ゆっくり確実に歩を進める。 安全担当みっきいさんが下見後に連絡してあった道崩れ箇所もきちんと補修されてあって有難い。

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【ホタルブクロ】キキョウ科      【ヒヨドリバナ】キク科 

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尾根に出ると雲一つない青空!
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 展望の期待も高まり、水無尾根から亜高山樹林と笹原の急登をひたすら上る…

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 いよいよ念願の今年の山、雲取山2017.09m山頂に無事到達! 富士山は雲の中に隠れてしまっていたが、青い空の下、記念の年に登頂できた幸運に感謝したい。 集合写真の後、皆さんそれぞれに感動の面持ちで記念碑と記念写真を撮りあっていらした。 山頂の碑は記念年に新しい石造りのものに建て替えられている。 「二千十七年の記念碑」の方は今年限定とのこと。

 雲取山のお花畑は今やシカ避けネットの中だけの僅かな空間のみ。 ヤマハハコ、コオニユリ、シモツケ、シュロソウ、ギボウシの仲間などが咲いていた。
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  その外は、鹿不嗜好性植物、マルバダケブキ、イワオトギリ、ワラビ、イワニガナ(ジシバリ)ばかりが目についた(更に下の方ではフタリシズカが大繁殖)。 刈り込みで返り咲きする性質のシモツケが、恐らく鹿に食べられた後、ほんの小さい背丈で咲いてピンク色を添えてくれているのが健気だった。 人を見ても身じろぎもしない鹿、この日も悠然と尻尾を振りながら黙々と草を食んでいた。

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【マルバダケブキ/丸葉岳蕗】キク科
 苞に包まれたつぼみの塊がだんだんほどけて花開いていく。

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【イワオトギリ/岩弟切】オトギリソウ科

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鹿が食べ残したマルバダケブキとワラビばかりが広がるかつてのお花畑山域。 三条の湯の社長さんは、元のお花畑を取り戻すために鹿射ちをされているとか。

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 来し方雲取山を眺めることの出来る七ツ石山へ向かう途中から白いガスの勢いが増し、七ツ石山に登り着いたときには雲取山はみるみるとガスに呑み込まれつつあった。 

 急速に天候が変化していく兆しが見えたが、降雨予報は三条の湯での情報で3時過ぎから1o程とのこと、何とかバス停までは降らずに済んでほしいと祈りつつ、七ツ石山での休憩を短縮、七ツ石小屋広場で昼食。 隊長がコッヘルでどんどん湯を沸かしてくれ、カップ麺やカップご飯から食欲を刺激する香りが立ち上る。 何でも日清の「カレーメシ」は三種(ビーフ、シーフード、スパイシーチキン)とも絶品らしい。 待ち時間5分と長いので、その間に水汲みとトイレを済ませるのがよろし、とのこと。

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【岩弟切】   【ミゾホオズキ/溝酸漿】ハエドクソウ科(前ゴマノハグサ科)

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【ノリウツギ/糊空木】アジサイ科

後発の我が隊はポツポツと水滴を感じ、早めに撤収。 念の為、ザックカバーと雨具の上着装着で出発。 この時点で暑くても面倒でも雨具の下も履いて頂くべきだったかと今更ながら思う。 降らなかった場合に脱ぐのは面倒なだけだが、濡れてしまってから履くのは手遅れだ。 しかしその時点で後の降雨時刻と降水量は私には予想できなかった。 

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【蛍袋】萼片と萼片の間が反返る     【山蛍袋】萼片と萼片の間が膨れ盛上る

途中、平将門公を祀る祠に手を合わせ、無事下山を祈念、下山途中に突然激しい降雨に見舞われつつも全員滑りも転びもせず、無事バス停に到達することが出来た。 元々の下山予定時間にたっぷりとした余裕が含まれていたのも心強かった。 

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 予め連絡してあった鴨沢の「山の休憩所・かゑる」カフェのご夫婦(元山小屋勤め)は、ずぶ濡れの私達を気持ちよく迎えて下さり、着替えもさせて頂けて大変助けられた。 靴を脱ぐのが面倒でなければ、座敷も含めて20名は収容できるそうなので是非利用されたし。 ナッツ付缶ビールやお汁粉、楽しいグッズの販売もあり。

「記念の年に雲取山に登れて感激」
「三条の湯にゆったりと浸かれて最高」
「久し振りにギターと歌で楽しい夕べ」
「鹿を食べた翌日に鹿に会ってビックリ!」
「お花畑復活の為に鹿を撃ちに来たい(免許有)」
「2日目の上り下りが長くて心配だったが、無事に歩けて良かった」
「森の中の花や土やいろいろな香りに癒された」
「雨の中を歩ききり、そんな中でも転ばず歩けて自信がついた」
「ずぶ濡れもいずれ愉快な思い出話になる」
等々、嬉しい感想を沢山頂いた。

 今回の参加者の皆さまは、我々のハイクに参加され続ける内に、山好き・山登り嗜好となり、ご自分でも意欲的に山へ行かれるようになった常連の方々ばかりで、歩きも確実で頼もしく知識も智恵も豊富、楽しく生きていきたいという前向きで気持ちのいい方ばかり、却って励ましや教えを頂き感謝感謝の山行であった。

<主な観察の記録> 
【木本】
〔花〕合歓木(ネムノキ)、凌霄花(ノウゼンカズラ)、臭木(クサギ)、木萩、令部(リョウブ)、糊空木?、藤空木、駒繋(コマツナギ)
〔実〕鬼胡桃、赤芽槲(アカメガシワ)、熊四手/紙垂(クマシデ)、千鳥の木(山柴楓)、大葉麻殻(オオバアサガラ)、三葉木通(ミツバアケビ)、野葡萄、深山?榛木(ミヤマハンノキ)、大亀の木(虫狩)、深山桜、夏茱萸(ナツグミ)、七竈(ナナカマド)、檀(マユミ)、木五倍子(キブシ)、更紗満天星(サラサドウダン)  〔その他〕桂、橅、栃、樅、落葉/唐松(カラマツ)、白檜曽(シラビソ)、米栂(コメツガ)

【草本】 掃溜菊(ハキダメギク)、竹似/煮草(タケニグサ)、盗人萩(ヌスビトハギ)、河原撫子(カワラナデシコ)、仙人草、牡丹蔓(蕾)、山鍬形(ヤマクワガタ・実)、深山塔花、岩煙草、玉川杜鵑(タマガワホトトギス)、銀龍草(ギンリョウソウ・実)、山百合、蛍袋、山蛍袋、山葎(ヤマムグラ)、砧草(キヌタソウ)、深山谷蕎麦、深山谷蓼、丸葉岳蕗、蕨(ワラビ)、岩弟切(イワオトギリ)、沢弟切、山母子(ヤマハハコ)、車百合、下野(シモツケ)、棕櫚草(シュロソウ)、大葉擬宝珠(オオバギボウシ)、溝酸漿(鬼灯)(ミゾホオズキ)、糊空木(ノリウツギ)、二人静、丸実の山牛蒡、夏水仙、野萱草(ノカンゾウ)

【昆虫】キアゲハ、アオスジアゲハ、ルリタテハ、ミヤマカラスアゲハ、オオミドリシジミ、ウラギンシジミ、ヒラタクワガタ?♀、コクワガタ♂、ヒグラシ、ツクツクボウシ
【鳥】コゲラ、キビタキ、コマドリ、オオルリ、ゴジュウカラ(木マワリ)、ジョウビタキ(冬鳥の筈なのに)、カケス、ウグイス、ガビチョウ
【動物その他】ニホンジカ、ヒキガエル、ヤマアカガエル、トカゲ(カマドウマ捕食中)、クガビル

(例によって本番は本文、観察の記録に合う写真を撮れる機会少なく、ご容赦ください。)



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posted by 山桜 at 00:00| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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