高尾山域に秋に咲く3種の代表的なアザミの比較です。 秋のこの山域では、殆どこの3種しか見られないのですが、以下の事を踏まえていても、同定にちょっと迷うこともあります。
雨が降ればアズマヤマアザミの総苞片の粘りや、トネアザミ(高尾ではタイアザミと呼ぶ人が多い)の総苞片の痛みが感じられなくなり、花の重みでノハラアザミが俯いていたりもします。 タイアザミが上向きで咲いていることもあります。
ノハラアザミの根生葉が下草の陰で見えないこともあります。 総苞片の反り返りも全くないとは言えないような微妙な感じの個体もあります。
やはり沢山の実物を見て、慣れ親しむしかないようです。
アズマヤマアザミ



【アズマヤマアザミ/東山薊】キク科アザミ属
・花期 9〜11月
・頭花が茎に接してびっしりと多数つける
・頭花は横向き〜斜め下向きにつける
・花色はややくすんだうすピンク(フジバカマのような色)
・総苞片に蜘蛛毛 やや粘着
・総苞片のトゲは短く、殆ど反り返らない。
タイアザミ または トネアザミ




【タイアザミ/大薊・痛薊】【トネアザミ/利根薊】キク科アザミ属
・花期 9〜11月(ナンブアザミは8〜10月)
・ナンブアザミ(中部以北の多雪地に普通分布)の変種
・関東地方の山地に極普通分布、中部・近畿にも分布
・頭花を横向き・斜め下向きにつける。
(ナンブアザミも同じ)
・葉・総苞片のトゲが、太く・長く・先が尖っていて痛い
(ナンブアザミに比して)
・葉は羽状に深く切れ込むものが多い。
(ナンブアザミはあまり切れ込まないものが多い)
ノハラアザミ


【ノハラアザミ/野原薊】キク科アザミ属
・花期 8〜10月
・中部以北に分布
・人家の近く〜林縁まで広く分布
・開花時にも根生葉(長さ30pにもなり、主脈に赤みがあるものが多い)
・頭花は上向きに2〜3個つく
・総苞片は鐘形でクモ毛がある

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