2017年09月19日

あの半年、この半年

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 この世に大きな安堵のひと息を遺し、主人が浄土へ渡った日から半年が経ちました。 殆どひと時も離れず過ごした、あの幸せな最後の半年と同じ長さの月日である筈なのに、なんという違いなのでしょう。

 これからの季節は、あの半年を思い出し なぞっていくようで、足がすくみます。

 病状を告げられた診察室の風景、患部が光ったレントゲン写真、主治医の他に居並んだ医師たちの沈痛な面持ち、それらが何を意味するのか、これからどんなことが起こっていくのか、その時は未だ実感もなく、また深く探ろうともしませんでした。 はっきりと宣告もせず、かといって積極的に治療していきましょうとも言わない若い主治医。 それでも私たちは、あらゆる手を尽くして治していくことしか考えていませんでした。 最後の最後まできっと治ると信じて、出来ること考えられることを尽くして望みをつないでいました。

 毎晩遅くまで働き、長期の出張も多かった主人が、やっと私の手元に戻ってきてくれ毎日一緒に暮らせた日々、激痛を抑えるために服用していた大量の医療麻薬の所為もあるのか、穏やかで優しい仏様のような人になっていました。 意地やプライドのような枷からも解き放たれて、素直に思ったことを口にしてくれて、ずっとこんな風に暮らせたらどんなにいいだろうと思っていた夢のような暮らしのできた半年でした。 神様が私たちに最後に与えてくださった幸せな贈りものの半年でした。

 それなのに、今は思い出すのが怖いのです。 その幸せな日々がもうすぐ終わってしまうことも知らずに過ごしていた自分。 まるでタイムマシンに乗って、その自分に何かを伝えにいくようで足がすくむのです。 

 段々と日が短くなり、暗く寒い日々がやってきても、あの優しいぬくもりは戻っては来ない。 いいえ、きっと主人は違う形で私の心を温めてくれることでしょう。 心の奥底に優しい優しい気持ちを秘めた人でしたから。 主人を信じ、恐れず前に進むことにいたします。



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posted by 山桜 at 00:00| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヒトは前をむくようできている。
ヒトは前にすすむようできている。
さりながら、、、
お大事に
Posted by ヤッホ at 2017年09月20日 00:48
◆ヤッホさん

 優しいお声掛けを、ありがとうございます。

 この頃、「言葉」が身に沁みます。 

 それは、折に触れお声掛けくださる方々の言葉だったり、歌詞だったり、ドラマの台詞だったり、今まではそれ程心に留まらなかった言葉にも感動して泣けて…
 
 人は悲しみに出会って初めて、悲しい人の気持ちが分かるって本当ですね。
Posted by 山桜 at 2017年09月20日 09:17
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