頭状花序(多数の花が枝を介さずに一つの花床の上にまとまって咲く。略称:頭花)で、一見キクの花に似ていますが、写真の下方に記したような違いがあります。

先ず、外側の小花から開き始めます。

五弁花で雌蕊も雄蕊もある一つの花なのが良く分かりますね。

先に雄蕊4本が伸び出して熟します。 紫色の葯が綺麗。



花粉の放出が終わった頃、雌蕊が熟し同花(出来れば同株)受粉を避けています。
【マツムシソウ/松虫草】マツムシソウ科マツムシソウ属
分布:北海道〜九州
山地・高原の日当たりのよい草地
花期:8~10月
花径:4cm前後
草丈:60〜90cm
葉:対生、羽状に深く切れ込む
名前の由来:@松虫(古くは鈴虫との説あり)の鳴く頃に咲くことから
A果実の形が仏具の松虫鉦(伏鉦)に似る(*)、
松虫鉦の名は鉦の音が松虫の声に似ることから。
*山桜考: 真ん丸な果実と松虫鉦の形は似ておらず、寧ろ花、
もしくは蕾の形の方が似ているのに、何故誰も疑問に
思わないのであろうか? どう考えても古の人も、
この花の形に心惹かれたと思うのですが・・・。
私は「蕾や花の形が仏具の松虫鉦に似る」
としたい。 ちなみに松虫鉦はこちら↓

(フリーイラスト素材集より)
<キク科との違い>
*キク科:@中央に多数の筒状花(ふつう5歯)が集合、
外側を長い1弁(五弁がくっついて一弁に見える。
先に名残の5歯がある)の舌状花が取り囲む頭花
A全てが筒状花集合の頭花(ハハコグサ等)
B全てが舌状花集合の頭花(タンポポ亜科)
・雄蕊は互いに筒状にくっついた集葯雄蕊(ずい)
・葉は、殆どが互生。 センダングサは対生。
*マツムシソウ:・多数の小花の集合頭花。
(筒状花・舌状花の区別なし)
外を囲む5弁花の外3裂が大きく広がる
・雄蕊は4本(集葯しない)
・総苞弁は2列で線状
・葉は対生
こんなに清楚で美しい花なのに、西洋の花言葉は「喪に服す花嫁(mourning bride)」「未亡人」ですって。 紫色が喪の色だからのようですが、あんまりじゃないですか、切ないなぁ あくまでも西洋松虫草の花言葉なので、日本の固有種とは別物と思うことにします。
英名に「ピンクッション・フラワー」というのもありました。 こちらは、待ち針を沢山刺した針山を想像すると、確かにソックリ! およそ風情のない名前の多い英名に珍しく賛同できました。

自然観察ランキング いいね、の代わりに1クリックで応援、よろしくお願いします

【山川・自然観察の最新記事】
- 白州 尾白川渓谷 (2)千ヶ淵
- 白州 尾白川渓谷 (1)吊橋
- 山の家周辺 冬芽&芽吹き観察
- K森氏 山の家
- 釈迦堂遺跡博物館周りの桃源郷
- 渋沢丘陵(12)今泉湧水池〜秦野駅
- 渋沢丘陵(10)白笹稲荷への長閑な道
- 渋沢丘陵(9)震生湖
- 渋沢丘陵(8)好展望の道
- 渋沢丘陵(7)幡龍王様〜栃窪地区へ
- 渋沢丘陵(6)頭高山からの下り
- 渋沢丘陵(5)頭高山周辺
- 渋沢丘陵(4)頭高山へのサブルート
- 渋沢丘陵(3)巨杉の白山神社
- いきものふれあいの里センターの春
- 荒幡富士の春
- 渋沢丘陵(2)チューリップの泉蔵寺
- 渋沢丘陵(1)矢倉沢往還・二ツ塚・桜古木
- 狭山丘陵 春のトトロの森さんぽ(6)トトロの森・狭山公園
- 狭山丘陵 春のトトロの森さんぽ(5)アルペンロード
マツムシソウをはっきり認識して、憧れを強めたのは、茶の湯と関わり始めたころでした><;ゞ 本当に可憐で、色彩といい花の形状といい、気品溢れるお姿ですね-☆彡
父の釣り行脚に連れて行かれ、自然の中で遊ぶ機会が多かったのと同時に、図鑑を見るのが大好きで、マツムシソウは図鑑に花丸を付けていつか見たいと憧れていました。
その頃は一つの花としてしか見えていませんでしたが、今こうして沢山の花の集まりとしてみてみると、また新しい魅力発見です。