今日で松の内も終わりですが、門松は本来、
左(向かって右)黒松=雄松 右(向かって左)赤松=雌松
を用いて作られていたものだそうです。陰陽で一対ということでしょうか。
松は祀るにも通じ歳神様の依代として相応しいとされますが、一方で、東京の府中の大國魂神社の境内には一本の松もなく例え植えても枯れ、氏子さん方は門松に松を用いません。これは大國様と八幡様が散歩をしていて日が暮れ、八幡様が宿を探しに行ってくると言ったまま戻って来られず(今の八幡町・武蔵国府八幡宮=府中八幡に先に鎮まられた為)、待ちぼうけとなってしまった大國様が、
「待つ(松)は嫌いじゃ」
「まつは憂いもの、つらいもの」
等と仰ったことからなのだそうです。先に葉のついた長い竹だけが門に立てられている風景はなかなか清々しくて良いものです。
すみません、話がそれました。
雌松・雄松といっても、アカマツ・クロマツは同じ種の雌雄ではなく別の種なのですが、見た目が優しいアカマツを雌松(めまつ)、雄々しいクロマツを雄松(おまつ)と呼び慣わして来たものです。なかなか並べて見比べないとその違いが分かりにくいと思いますが、たまたま幼木が並んで生えていたので見比べてみました。
【クロマツ】 【アカマツ】
葉が太く先が尖って痛い 葉が細く先は痛くない
冬芽は白っぽく鱗片は 冬芽は赤く鱗片の
殆ど反り返らない 反り返りが目立つ
成木の樹皮は黒っぽい 成木の樹皮は赤い
(特に上部の剥けた部分)
幼木で樹肌で見比べることはできませんが、丈が低く葉と冬芽を近くで見て触れられたので違いが良く分かりました。クロマツの葉は太く固いのでピンピンと針の如く張った感じ、赤松の葉は細く華奢で捩れがあり風にもそよぐ感じがしました。何より、冬芽の色と鱗片の様子が全く違うので、区別しやすいですね。
もし、未だ明日の朝、残っている門松があったら、赤松か黒松か観察してみてください。
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赤松と黒松の話しはとても参考になりました。
黒松は我が家の庭に有りますが、赤松は我が地域のほとんどでマツノキセンチュウなどの害により全滅状態にあります
八幡様は先に気に入った地に鎮まられてしまったそうで、今の二社の関係はどうなのでしょう。 府中を訪ねてみたくなりました。
一度でいいから山で天然の松茸にお目にかかってみたいと、季節には赤松林を見かける為に目を皿のようにしています(笑)
竹の先を斜めに切り落とした形は竹槍のようで子供心にも怖く、水平に切ってあるお宅の前ではホッとしたものでした。 ただ切り口が笑顔に見えるように斜め切りされているのを見ると嬉しくなります。
輸入材から持ち込まれ、カミキリムシによって広まるマツノザイセンチュウの被害は深刻ですね。 大木があっという間に枯れてしまい、懐かしい風景が消えていくのが哀しいです。
こちらでは幼木を育てアカマツ林を復活させ、ハルゼミの声を呼び戻そうという運動をされている方々がいらっしゃり、この赤松黒松の幼木が間近で見られるのもそのお蔭です。
でも赤松の門松は見たことがないです。
神社などでは気付かないだけであったのかもしれませんが、少なくとも街中ではなさそうです。
何しろ一昨年まで年末にはお店で松飾りを扱っていて問屋にも行っておりましたので(笑)。
私も自宅の若松枝と裏白などの松飾の松しか確認したことがないのですが、冬芽の様子、手に刺さる葉先の痛みから黒松ばかりだったと思います。 来年は神社などの大きな門松をチェックして歩く楽しみが増えました。 赤松の優しい風情もまたいいものと思います。
最近では、松の保護や住宅環境もあり、紙の印刷門松が出回っていますが、簡略されつつも、本来の姿を少しでも残す形で、せめて左右の絵柄を松葉の細さ太さで変えるとか、何か工夫が欲しいものです。
お雛様の位置も、関西と関東では逆で、このこともだいぶ以前に書きましたが、言葉だけで説明するのは、いささか面倒な領域です^^;
北を背にして(天皇陛下の御座所から見て)お日様が登る東=左で上座、沈む西=右で下座という考えが基本のようです。 それが西洋式では逆だとか、天皇陛下の位置が正中として皇后さまはその次の位置として左だとか、色々考え方があるようです。
紙の印刷門松があるのですか? こちらではまだ見たことが無いのですが、色々なのですね。 根付きの若松に奉書を巻いた形も見掛けます。 関西出身の方かもしれません。 幸が根付くか厄を断ち切るか、考えようですね^^
(またしても途中でPCがフリーズしてしまい、お返事遅れてすみません。)