2018年02月28日

大磯はいかい1「化粧坂、ホルトノキ」

 FIT「低山はいかい倶楽部」の面々と大磯の町山海をはいかい(ここは種々の意味を踏まえて敢えてのひらがな)して参りました。

【コース】JR東海道本線 大磯駅〜化粧(けわい)坂松並木〜高麗(こま)ホルトノキ〜高来(たかく)神社〜高麗(こま)山〜浅間(せんげん)山〜湘南平(昼食)〜善兵衛池〜稲荷神社〜島崎藤村旧邸〜鴫立庵(大ケヤキ)〜照ヶ崎海岸(アオバト飛来地)〜地福寺(藤村夫妻のお墓)〜大磯駅

 大磯宿は、東海道の品川宿から八番目の宿場町。 治療養生の効用有りとする軍医松本順氏により、日本初の海水浴場「大磯海水浴場」として開設され、明治中期〜昭和初期頃には、政財界要人の別荘が150戸にも達したそうです。

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「化粧坂の松並木」 安藤広重「東海道五十三次 大磯 虎ケ雨」 
電柱電線が無ければ、まるで江戸時代の風景そのままのような

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「化粧坂の一里塚・大榎」
一里塚は旅人の休息の場として、南側には枝を高く広く伸ばして日影をつくるエノキを、山側にはセンダンを植えたとのこと。 センダンの木は成長が早く寿命が短いので見当たらず。

P2281072大磯化粧坂井戸 (210x280).jpgP2281073大磯化粧坂井戸 (210x158).jpg
「化粧坂の井戸」
休息には喉を潤す水が必要、井戸もありました。 
この井戸は、日本三大仇討*「曽我物語」の曽我兄弟の兄十郎の思い人、遊女「虎女・虎御前」が化粧をするのに使った井戸。 「化粧坂」の名も、この井戸があったことで命名されたとのこと。 虎女は、十郎の分骨を抱いて長野善光寺で出家、そこで口述したものが「曽我物語」の元となったと言われています。

*日本三大仇討もの:「曽我物語・曾我兄弟の仇討」「忠臣蔵・赤穂浪士の討入」「伊賀越の仇討」(岡山藩士渡辺数馬が義兄荒木又右衛門と共に、父(一説に弟)のかたき河合又五郎を伊賀上野で討った事件)

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P2281078ホルトノキ (440x330).jpg
「大磯町指定天然記念物 高麗(こま)ホルトノキ」
 樹齢300年以上、樹高18m、胸高直径1.2m、樹冠広がり20m 神奈川県下に残る2本のホルトノキの一本で、画家の堀文子氏がこの地を購入し伐採より守ったとのこと。 ご覧のような堂々たる巨樹! 下には赤く色づいた葉や実やタネが沢山落ちていました。 実はなるほどちょっとオリーブ(モクセイ科)の実に似てます。

【ホルトノキ】ホルトノキ科
 別名:ヅクノキ、ハボソ/葉細、モガシ/紋樫・紋様樫(鹿児島)など 雌雄同株 両性花 
 ホルトノキ=ポルトガルの木、ホルト油(オリーブオイル)を採る木 の意味であり、紀伊にて平賀源内がこの木を見てオリーブの木の自生を発見したと見誤ったことから広がった呼称とされるとのこと。 きっと実がなっている時に見てしまったのでしょうね。

 そもそも明らかに別種であるものの同定を誤った当時の学者のレベルの低さ、誤称であると判明した後もそのまま使用し科名にも採用しているという捻じれた事態を、牧野富太郎先生は著書 『植物一日一題』の中でも非常に憤慨しておいででしたが、今もって是正はなされていません。

『植物一日一題』より抜粋
 このヅクノキをオリーブと間違えるなんて当時の学者の頭はこの上もなく疎漫で鑑定眼の低かったことが窺われる。 ヅクノキの葉は互生で鋸歯があり裏面が淡緑色であるから、オリーブの葉の対生で全辺で裏面が白色であることと比較すれば直ぐその違いが判るのではないか。 無論オリーブとヅクノキとは科も異なりオリーブは合弁花を開くヒイラギ科に属し、ヅクノキは離弁花のヅクノキ科に隷れいする。(中略:橄欖=オリーブと言う誤りにもご立腹) 誠に学問の進歩に対し後れ返ったことどもで、日は最早や午に近く高う昇っているから早く灯火を消したらどうだ!

 鹿児島での呼び名「モガシ」は、緑の葉の中で老化した葉が赤く色づく様子を紋様に見立てたものとのこと。 ちょっと見にはヤマモモにも似て見えますが、この赤い葉が常時見られる点で見分けがつきます。

 FIT(Forest Instructor of Tokyo 森林インストラクター東京会)メンバーの低山はいかいなので、どうしても木のところで足が止まり、また帰宅後も山桜の興味が縦横に広がってしまいなかなか前に進みません。 続きは次回へ・・・


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posted by 山桜 at 22:50| Comment(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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