ぐるりと割竹垣に囲まれた敷地に、苔と軒シノブの生えた冠木門を潜れば、
「萬事閑居簡素不自由もなし」
静子夫人宛の文の中で藤村が記した言葉です。
普通は日焼けを嫌って板敷きになっていることが多い広縁に畳が敷かれているのが印象的でした。
昭和16年1月13日、島崎藤村は、大磯町で国指定重要無形民俗文化財の左義長、セエノカミサン(道祖神)の火祭りを見てこの地を気に入り、2月25日には借家として借り受け、翌年8月には買い取って終の棲家としたそうです。
広縁や軒の上に見える木の匠の仕事が素敵です。 踏み段や縁石の意匠も細やかで心惹かれます。 元々は大磯の貸別荘であったそうで、この一帯が別荘地「町屋園」と称されていたとのこと。
垣根の向こうのお隣の家も素朴で居ながらきちんとした日本家屋でした。 旧藤村邸を管理されている方のお住まいだとか。 先に訪れた旧林芙美子邸といい、この島崎藤村邸といい、コースの一部としてではなく、再度ゆっくりと佇まいの中に浸りに訪れてみたいものと思います。(つづく)
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手前の畳は、広縁なのですか?@@/ ひさしが深く、葦簀などで、小まめに陽射しを遮る工夫をしていたのかも知れませんね? 年齢からくるものでしょうか? 最近は平屋の、こんな家屋に住んでみたいと、興味をそそられます^^;
本当に仰る通り、年齢的にもこのような平屋の日本家屋を磨きこんで暮らしてみたいものと思うようになりましたが、無い物ねだりですよね。 主人の残してくれたこの家を大切に磨かねば、罰があたります。
広縁の畳敷き、私は初めて見ました。 陽だまりでお昼寝するためかしら?