
白でもない桃色でもない、淡い桜色は日本人好み。


【ソメイヨシノ/染井吉野】
全てが挿し木によるクローンゆえに、一斉に咲いて一斉に散る・・・。 そして病気に弱い性質も同じ。 天狗巣病に罹って鳥の巣のようになった枝には花が咲かず、段々と衰弱して枯れてしまいます。
上の写真でも太い枝がところどころ切られているのが見えます。 患部を取り除いた痕ではないでしょうか。 各地でソメイヨシノがこのような状態になっているのを見かけます。
この病気に強い「ジンダイアケボノ(神代曙)」という品種がソメイヨシノの後継種として、少しずつ植え広げられていることは以前にも書きましたね。 染井吉野より少し色が濃いので、一斉に一面に咲いたら、ちょっとしつこいかなぁ・・・慣れてしまうものかしら? 淡い淡い桜色に寄せてきた数々の思い出、きっと皆さんもお持ちの事でしょう。
さまざまの ことおもひだす さくらかな
(芭蕉) 貞享5年(1688)詠
330年前も今も、桜を眺めて人はそれぞれの思いに耽るのですね。

【ジンダイアケボノ/神代曙】
10年もたてば、桜の思い出は、少し華やかなこちらの桜に託されているのかもしれません。 時は移ろい風景も変わっていくのですね。 そこに自分は居るのかな・・・。

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ちなみにそのソメイヨシノは隣地にあったソメイヨシノが剪定される際に枝をもらってきて挿し木をしたものです。ソメイヨシノの挿し木による発根率は相当に低いのですが、なんとか数本発根したうちの1本で、もう20年近くになるのでだいぶ大きくなりました。隣地にあった原木は伐採されてしまいましたが、もちろんその木も開花が遅かったのです。
くさやさんの職場や隣家の環境がちょっと独特とか? いくらクローンでも場所によって開花日は異なりますよね。 桜前線なんてものが有るくらいですから。
若しくは、ソメイヨシノも交雑して実がつきますし、微妙に性格の違ったソメイヨシノモドキが存在するのでしょうか? もしかして新種発見?