2018年04月28日

氷河期の生き残り ウスバアゲハ

 半透明の翅でふわりと目の前に舞い降りてきた春の妖精

<2018-04-28 高尾山>
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 また目が合ってしまいました。 害のない奴と思ってくれたのか、ゆっくりと羽も広げてくれました。

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【ウスバアゲハ(ウスバシロチョウ)薄羽揚羽】

 蝶は余り翅を広げてとまらないのですが、氷河期の生き残りとも言われ、マンモスのように毛深くて蛾にも似たような体を持つウスバアゲハやギフチョウは、このように翅を広げたまま長い時間とまってくれます。 ただ、もう前翅の先が傷んでいますし、この子の命は風前の灯なのかもしれません。 美しい姿を見せてくれてありがとう。

幼虫の食草となるケシ科キケマン属の植物
P3261776ムラサキケマン (210x280).jpgP3261781ジロボウエンゴサク (210x280).jpg
【ムラサキケマン/紫華鬘】【ジロボウエンゴサク/次郎坊延胡索】

P3291942ヤマエンゴサク (210x280).jpgP3261779エゾエンゴサク (210x280).jpg
【ヤマエンゴサク/山延胡索】【エゾエンゴサク/蝦夷延胡索】
エゾエンゴサクは北海道では鮮やかな青い花のイメージですが、白・薄紅色・赤紫など色幅があるそうで、本州のものは赤みを帯びたものが多いとか。 花序の下の苞に鋸歯があればヤマエンゴサク、少し切れ込みが入っていても全縁であればエゾエンゴサク。

 ギフチョウの時にも書きましたが、交尾の後にオスがメスに交尾嚢(受胎嚢など色々な呼称あり)というプラスチックカプセル状の貞操帯?をつけ、以後の交尾を遮断すると言われています。 蝶なのに繭を作ったり、幼虫が温まった石の上で日向ぼっこをしたりと、変わった(古い昔のままの)生態を持つことが知られています。

 上の写真では、ムラサキケマンに止まっていたので、
「産卵?」
と、思ったのですが、ムラサキケマンはやがて地上部は枯れてしまう筈・・・ 
「春一度発生の卵越冬なのに、それで大丈夫なの?」
と、調べると、来年食草が生えてくるであろう近辺の枯葉などに産卵するのだそうです。 結構な博打ですよね。 食草は多いのに余り生息数が増えない理由が垣間見れた様な・・・。

 蝶の名前は、私が子供の頃の図鑑とは耳慣れない名前に変わっていて、
「え、それ何?」
ということが度々あります。 

 この蝶もその類で、昔は「ウスバシロチョウ」と呼ばれていて、モンシロチョウ等の仲間かなと思っていましたが、アゲハの仲間でギフチョウに近い属、氷河期の生き残りとも言われ古い形の生き方をしている蝶だと、今頃調べて知りました。 

 武蔵野自然塾塾長さんも蝶の愛好家ですし、今年になってギフチョウ、ウスバアゲハと目の前に現れてくれて、蝶々は昔から亡くなった人の魂を乗せてくると言われていますし、何だか蝶の世界に誘われているような気がしています。


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posted by 山桜 at 22:18| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 前翅が傷んで可哀想…  連休の頃はまだまだ寒暖差も激しく、強風に晒されることも多いのでしょうね><;  痛々しいですけれど、気の遠くなる歴史を生き抜いてきて、風格のある立派なお姿-☆彡
 ランキングをポチっ♪と押しましたら、なんと4位💛 きっと白い花や蝶に隠れて、傍でエールを送って下さっているのかも?^^
Posted by メダカの目 at 2018年05月04日 16:01
氷河期の生き残りの蝶がいるなんて神秘的ですね。
Posted by 紀州の流れ星 at 2018年05月04日 18:11
◆紀州の流れ星さんへ
世代を超えて生き延びてきた気高い貴婦人のようにも見えます。
Posted by 山桜 at 2018年05月06日 06:33
◆メダカの目さんへ
か弱い小さな蝶に見えて、強い生命力を宿して生き残って来たのですね。
ランキングは、自然観察カテゴリーはバードウォッチングの方が多くて、ちょっと違うのかなと、山野草カテゴリーに来てみました。
Posted by 山桜 at 2018年05月06日 06:40
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