2018年05月16日

緑の中の白い乱舞

「木の上の沢山飛んでる白い蝶々? あれは何?」
この季節になると、よくそんな風に尋ねられます。 

 そう、その正体こそ、先日来お伝えしてきたミズキに大量発生の毛虫たちの晴姿です。 蛹になり始めていたのを見てから2週間が経過していたので、大量の羽化を期待し出かけ、バッチリ観察することが出来ました。 (蛹化〜羽化は通常1週間程)

♀ <2018-05-16 狭山丘陵>
P5161906キアシドクガ (440x293).jpg
【キアシドクガ/黄脚毒蛾】ドクガ科 
 ドクガ科ですが、幼虫も成虫も無毒です。
 半透明無紋純白の翅に黄色の前肢が特に目立ちます。
 ♀メスは前肢以外の4肢の先も黄色い。
 ♂オスは翅の縁や脈が黒ずんでいる。

 白い群舞の写真をどうにかして捉えようと思ったのですが、緑の中の白い影は光に溶け込んでしまい、私のカメラと腕ではどうにもなりませんでした。 動画を撮れば良かったのだと、今頃思いついても遅いなぁ。

P5161893キアシドクガ群舞 (440x330).jpg

 もっともっと綿雪が舞うように沢山飛び交っていたのですけれど、近づけば散ってしまうし、遠くからだと何が何やら分からない写真になるし、やっとそれらしいのが撮れていたのはこれだけでした。 こうしてみても、蝶に見えますけれど、美しく透ける白い翅をもった蛾の仲間です。

P4270891キアシドクガ幼虫 (187x280).jpgP5161901キアシドクガ蛹 (210x280).jpg
終齢(蛹化前段階の)幼虫   薄い糸の繭の中の蛹


P5161884キアシドクガ (210x280).jpgP5161885キアシドクガ羽化 (210x280).jpg
蛹から出たばかりの成虫  その上は翅が伸びきった先輩


P5161925 (393x590).jpg
うな垂れているのは、翅を伸ばすのに力を振り絞ったから?


P5161900キアシドクガ (443x590).jpg
頭を上げ、触角の先までぐ〜んと伸ばしました。


P5161897キアシドクガ (443x590).jpg
堂々たる姿。背中の白い羽毛が風になびいてカッコイイ!


P5161886キアシドクガ (443x590).jpg
 鳥の羽のような形の触角も見事で惚れ惚れしました。 蛾は夜も飛ぶので、単純な形の蝶の触角より性能の良いセンサーが必要でこんな形なのかな? キアシドクガは昼行性ですが、夜の灯りにも集まるそうです。

上が♀、下が♂
P5161899キアシドクガ交尾 (443x590).jpg
P5161867キアシドクガ交尾 (187x280).jpgP5161870キアシドクガ交尾 (187x280).jpg
 恋の季節は短くて、というよりも口吻が退化して摂食せず成虫期間はごく短いので、早速遺伝子伝達活動です。 交尾の形は特に決まって無いようで様々個性的。

P5161974キアシドクガ (440x293).jpg
 暗めの森から明るい草原に舞い降りてみたキアシドクガ。 蝶のように見えてもちょっぴり日差しがまぶしすぎたのか、面食らってふらついているようにみえました。

P5161928ミズキ再芽吹き (440x330).jpg
 葉柄を残して丸坊主だったミズキも少しずつ息を吹き返して新しい葉を展開し始めていました。 今年は何とか大丈夫そうです。 来年、どれだけキアシドクガが発生してダメージを受けてしまうか、また観察を続けます。

<追記>
 森林インストラクター東京会のメンバーからの報告によれば、
 こちらの
 ・狭山丘陵 以外にも
 ・目黒区 自然教育園(国立博物館付属植物園)
 ・代々木公園
 ・小金井公園
 ・府中市 武蔵野台園地 でもキアシドクガは大量発生。
 そして、昨日登った
 ・山梨県 権現山山麓 でもミズキへのキアシドクガの食害が多数見られました。


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posted by 山桜 at 23:30| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 レースのカーテンのように透けて見える美しい翅、グッと立てた触角は、まるで兜の立物の様で、本当にカッコいいですね^^
 毒も無いのに勘違いさせるようなネーミングも、”美しいものには毒が…”のところからきてるのでしょうか? 大量発生は困りますが、新緑の中に舞い踊る羽衣は美しいです@@
 カメラワーク、山桜さんの苦心の賜物ですね-☆彡
Posted by メダカの目 at 2018年05月20日 14:56
◆メダカの目さんへ
 毒を作るのも刺すのもエネルギーの要る事ですから、できれば「毒持ってるぞ!」的な擬態で済ませたいのでしょう。 生き物はなかなかしたたかです。
 蝶に比べて蛾は嫌われがちですが、偏見なく見れば、美しい姿のものも沢山いますね。 月光を映した様な色合いのオオミズアオなんて、うっとり見惚れてしまいます。
Posted by 山桜 at 2018年05月20日 22:43
 オオミズアオは標本を持っています。正確に言えば、長男が標本にして見せてくれたのですが、本当にうっとりです。
Posted by メダカの目 at 2018年05月21日 00:25
◆メダカの目さんへ
 蛾は蝶と違って、翅を開いてじっとしていてくれるので、心行くまでその美に見とれることが出来ますね。 昨夏、山小屋のお手洗いの扉にオオミズアオがとまっていて、出入りで傷つけないように気を遣いました^^;
Posted by 山桜 at 2018年05月21日 17:53
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