自然観察ランキング
あれは真夏、猛暑のまっ只中だった頃の奥多摩ハイキング、実際にこの目で見た筈なのに、まるで夢だったような、今、こうして思い出してみても、どこか異国か異空間を歩いたような不思議な光景だった。
先ずは登山口のバス停名からして「金風呂」とはいかに・・・「きんぶろ」ではなく「かなぶろ」と読む。 この辺りのバス停には珍名が多く、メディアに取り上げられることも多いが、はっきりとした地名の由来は示されていない。 温泉が出た地域らしいが、多くの源泉は湖底に沈み名前だけが残ったのだろうか?
漢字は後付けなので、音だけで「かな・ぶろ」としてみると「かみな・むろ」=「神様の宿る山(御室)」の可能性もありやなしや?
「すずめのお宿」などという結界めいた名前の旅館を横目に「大寺山」登山口に入る。
カワラナデシコ(大和撫子)に ヒオウギ(檜扇、秘奥義)のお出迎えも意味深なこと。
イヌザンショウ(犬山椒)にイタチハギ(鼬萩)とは、何の魔除けかと。
由来の分からない神社には、こちらも縁の分からない大小の石群が並ぶ。 湖底に沈んだ村から移され祀られているのかもしれないが、何も書いていないので分からない。 話を聞こうにも炎天下に人は見当たらなかった。
まだまだ続く石碑群・・・一つ一つ刻まれた文字を確かめる時間も無く、せめて小さな祠に手を合せる。
焼杉の美しい廃屋には、住んでいた人の住まいへの愛情が残されているように感じた。
こちらにも小さな石室が・・・ 先の台風の影響か大きく削られた路肩
ミキサー車が落ち葉に埋もれ、林道の斜面は、あちこちが崩れている。
「日本山妙法寺」と書かれた建物
「日本山妙法寺」とは何ぞやと検索してみると、ナント! 次のような一文が・・・
「本年(2018年)は、「日本山妙法寺」開創百周年にあたります。大正7(1918)年10月22日、中国遼陽(旧満州)に最初の「日本山妙法寺」が開創されました。」
えっ、10月22日って明日ですよね。 ちょっとゾクゾクして来ました。 何故急に今頃この記事を書く気になったのか、何かに書かされているのか? 少し怖くなってきましたが、もう成り行きで続けます。 せめてもの抵抗で、その宗教法人について、ここには詳しく記しません。 ご興味のある方は、お調べください。
ざっといえば、世界平和を祈念して、このような仏舎利塔を世界中に建立しているようです。 その財源は何なのでしょうか・・・。 あまり深入りせず、不思議の世界をご覧ください。
繰り返しますが、ここは日本の奥多摩湖畔の山中・・・奥多摩の名だたる山々の頂から見える「謎の白い巨塔」の正体がこちらです。
青空に聳え立ち、白く輝く仏舎利塔
おそるおそる緑の階段を登ると、年月の経過で傷みも目立つ床はふわふわと浮き上がるような感触。 まさか「雲上」を現している訳ではありますまいが。 その四面には、誕生から入滅までの金色の釈迦如来像が安置されていました。
「誕生」: 無憂樹(マメ科)の木の下、母マーヤーの右腋から生まれ、七歩歩んで右手で天、左手で地を示し「天上天下唯我独尊」と唱えられたという場面
「降魔成道」:印度菩提樹(クワ科)に座し、魔を振り払い遂に悟りを開いかれたという場面
「初転法輪」:初めて弟子に法を説かれたという場面(真ん中に法輪)
「涅槃」:娑羅樹(フタバガキ科)の下、入滅されたという場面
昭和三十四年四月二十日建立 日本語とヒンドゥー語?
奥多摩の山々から見えるということは、奥多摩の山々が殆ど見渡せるという、正に「神の座」と言える程の素晴らしい眺め。 この地を選んだ目はすごい。 ただ、日本人なので、神社だったらよかったのに・・・と、つい思ってしまう。
暫し不可思議な異空間に身を置いた後、下山に向かいふと振り返ると・・・
お釈迦様が手を振りお見送りくださって・・・? ありがたいことです。 足元にはヒメヤブラン
登りは嘗て仏舎利塔建立の工事車両を通すための林道でしたが、下りはなかなか急斜面の山道。 しかも両側が湖に落ちる斜面というスリリングさ。
青い湖面が近づき、やっと「陣屋」というお蕎麦屋さんの裏手に到達。 勿論、こちらから登ることも出来ますが、振り返るだに大変そう。
「深山橋」 「陣屋」
陣屋さんの田楽でビール、お蕎麦で締め。
さて、陣屋を出て・・・次の「三頭橋」を渡った先に、
またまた不思議な空間があった・・・(つづく)
【神社・仏閣の最新記事】
- 天神山 金蔵院 観音寺(小金井市)
- 「十二さま」とは?
- 琴平丘陵初夏(4)修験堂
- 琴平丘陵・初夏(3)岩井堂
- 琴平丘陵・初夏(2)大渕寺・護国観音
- 琴平丘陵・初夏(1)円融寺
- 客人/まろうど神社(栃木)
- 低山はいかい 仙元山界隈 (6)西光寺へ
- 低山はいかい 仙元山界隈 (2)板碑
- 御嶽神社参拝 下りのお楽しみ
- 御岳山 89歳バースディ登頂
- 御岳山 早朝参拝帰り道
- 御岳山 武蔵御嶽神社ご来光
- 低山はいかい 戸倉城山・光厳寺〜広徳寺
- 低山はいかい 戸倉城山〜光厳(こうごん)寺
- 高尾 長房白山神社
- 秩父・水潜寺(破風山つづき)
- 官ノ倉山 と 周辺 (4)北向不動・八幡神社・小川町
- 官ノ倉山 と 周辺 (2)三光神社・天王沼(池)
- 千葉 照葉樹の森 八幡神社の新年お飾
眩暈がしそうです。
世界は広い、多摩も広い、ですね。
楽しみに拝見しています。
ほんと、ビックリですよね・・・こういうものが有ると分かって登っても、実際に対面した時の衝撃と来たら・・・私はこちらの法人とは全く無関係ですけれど、その情熱には圧倒されました。
多聞さんのコメントと入れ違いで(2)をアップしていました。 こちらもまたビックリでした・・・。