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冬枯れの庭の片隅に、ふと薄紫色の塊が見えて近づくと、なんと1月というのにコスミレの花が小さな小さな花束のように陽だまりで咲きこぼれていました。
コスミレ/小菫 スミレ科
殆どの葉が色を失って萎れてしまった中、危機を感じたのかみっしりと閉鎖花を着け、タネを弾き飛ばしていたのは知っていたのですが、いつのまにか、ちゃんとした花を咲かせていたとは驚きました。
名前はコスミレですが、スミレの花よりふっくらと大きめな花を咲かせます。 どうして「小」スミレなのか、名前を付けた人に聞いてみたい花の一つです。
閉鎖花がタネを飛ばした後の果皮片が籾殻のように根元に積み重なっています。 どれだけのタネを飛ばしたことでしょう。 それでも発芽して成長できた株はそう多くありません。 この場所がコスミレの繁殖にそれ程適していないのかもしれません。
自然に生えている場所の環境に近づけてみても、殖やしたいスミレはタネを播いても思うように増えず、そんなに増えて欲しくないスミレは幾らでも生えてくる、スミレは思うようにならない野生の気性が魅力です。
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自然界のたくましい営みですね。
小説の様〜(笑)
他の未だ葉っぱが緑で残っている株には蕾も出ておらず、この株だけが満開なのです。 やはり葉を失って危機を感じ必死に子孫を残そうと頑張っているのだと思います。 可愛い花が咲いて喜んでしまいましたが、厳しい事情があったのでしょう。 小さなスミレも、子孫を残して生き続けるという使命を果たす為、精一杯の力を尽くしているのですね。