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クスサンの繭「スカシダワラ」と共に、今の季節のお楽しみは、美しい翡翠色のウスタビガの繭です。 枯れ木色の森の中で緑色は目立ちますので、気を付けていれば割によく見つかるものです。
以前にも確かご紹介した筈と思って検索してみたら、ナントもう12年も前で2007年の記事でした。(記事の下のタグのなかから「ウスタビガ」をクリックすると当時の記事に飛べます。)
中の蛹は秋に羽化しているので、正常であれば中は空っぽですが、寄生虫にやられた個体が残っていることもあります。
このように特異な形をしているので、地方により「山叺(やまかます)」「山彦(やまびこ)」などの愛称で呼ばれ親しまれています。 叺というのは藁袋のようなものだそうです。 山彦は必ず帰ってくることから縁起を担いで、子供の背に縫い付けお守りともしたそうです。 中に小豆を入れて厄除けのお守りにした地方も。
繭の造形も見事ですが、この枝にしっかりと巻きつけてある柄の部分も惚れ惚れするほど見事です。 このクルクルッとカーラーで仕上げた巻き毛のような部分の働きは何なのでしょう・・・
底の方には水抜き穴まで備えてありますし、上の口の部分が開くのは以前にお見せしましたね。
2007年の記事中の写真を引っ張って来ました。 このように端っこを押すとパクッと開きます。 空っぽだと思っていても、やはり毎回ちょっとドキドキします。
蚕や山繭などは羽化する時に繭に穴が開いて糸が切れてしまう前に、生きてる蛹ごとグラグラと煮て糸を採るのが酷いなぁと思うのですが、このウスタビガの繭なら羽化した後の繭からでも上手く糸がとれないのかしら? 昔の人は絶対に試している筈なので、やっぱりこの口の部分が固くて解れないのかもしれませんね。
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