テレビが不調になったのは、いつだったろう? 台風だったか強い風が吹き荒れた後、突然、アンテナの受信状況が悪いというようなメッセージが出て映らなくなった。 この症状は以前にも何度かあり、アンテナのプラグを抜き差ししたり、電源をOFF/ONしたり、B-CASカードを抜き差ししたりで何とか直ってきたので、その内復帰するだろうと思っていた。
映ったり映らなかったりしつつ、段々とそれらの処置を繰り返しても映らなくなり、強く見たいという番組も無いので放置している内に、テレビのことを忘れていく自分が居た。
ところが大阪で大きな地震があった時、ケロについて親戚中から安否の問い合わせあり、何も知らずにいた私は流石にこれはマズイと思い修理を頼もうと思い立ったが、そんな時に限ってまた気まぐれにチョコチョコ映りだすのだから、悩ましい。
お盆に帰省したケロに遂にネット通信が不自由なガラケーからスマホに買い替えて貰い、情報収集が出来るようになったので、またしてもテレビから遠ざかり、あっという間の師走。 帰省する前に必ず直して置くようにとケロから厳命が下り、地元の電気屋さんに修理をお願いすると、何ともあっけなく格安に直って拍子抜け・・・喜んでいたらまたダメになり晦日近くに再修理。 何とか年末年始は映ってくれたものの、ほどなく不調に戻り、再度修理を依頼するのも躊躇われてそのままに。
「無用なストレスは排除!」
とばかり、三回忌に帰って来たケロが新しいテレビを選びに同行してくれ、帰宅するとなんとテレビがまたケロリと映るではないか・・・。 捨てられたくなくて頑張っているのかと思うと、2007年にこのテレビを買って大画面を喜び、最後の入院の日まで毎日家で楽しんでいた主人がのり移ったようで泣けて来た。
「ありがとう、ありがとう、よ〜く頑張ってくれてるね」
撫でて労い最後の頑張りを共に数日過ごしていたが、何と新しいテレビが来る日の朝、忽然と映らなくなった。
私が古いテレビとの別れを後悔したり哀しんだりしないように、そっと役目を終えて新しいテレビにバトンタッチしたかのような潔さ。 物にも魂がある、感謝を籠め、そっと手を合せて見送った。
2019年03月20日
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