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エゴノキの白い花が終わり、下の写真のようにヤマガラの大好物の実が沢山ぶら下がる頃、それらに混じってバナナの房のような奇妙なものがぶら下がっているのをみつけることがあります。
<2019-06-11 むさしの自然観察園>
エゴノキの若い実
これです!
エゴノネコアシフシ
実のように見えますが、冬芽が変形してできた「虫こぶ」「虫えい」「ゴール」等と呼ばれるものです。 外見はまぁまぁ平常心で見られますが、この猫足の中には増殖したアブラムシがいっぱいで・・・
猫足型変形虫こぶの原因になるのは、その増殖したエゴノネコアシアブラムシの大量の吸汁により刺激です。 エゴノネコアシアブラムシは、以下のように、エゴノキとイネ科のアシボソ類(アシボソ、チヂミザサ、コブナグサ等)の間を行ったり来たりするサイクルを繰り返す不思議な習性があります。
・エゴノキで卵で越冬
・冬芽に寄生しメスだけの胎生(体内で卵が孵化)単為増殖をし吸汁
・それらの刺激を受け、冬芽が「猫足型」虫こぶ化
・虫こぶの中で更に増殖(無翅型)
・7月、有翅型が生れ出し、虫こぶの先が開き飛翔
・イネ科のアシボソの仲間に引っ越す
・アシボソ類で胎生単為生殖、無翅型世代の繰り返し
・秋、有翅型が発生し飛翔、エゴノキに戻る
・メス・オスの有性虫を産む
・雌雄が交尾しエゴノキに受精卵を産む(卵で越冬)
吸汁する植物の種類を変えることで、何かの刺激を得るのでしょうか? それとも単に、冬は枯れてしまうイネ科の植物から冬越しの為に引っ越すのでしょうか?
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確かにアブラムシは病原菌を運ぶこともあるようですが、虫こぶは吸汁されることの刺激によって変化するとされています。
マタタビの木天蓼のように虫こぶになった方が薬効が高くなるなど、人間の役に立つ虫こぶもあります。
私見ですが、この細胞変化は、病的な癌化というよりもどこか真珠的な植物の自衛による現象のように思えます。