そもそも、初めて狭山丘陵で見かけた個体の花が大きく、花色もタチツボスミレより青みのある澄んだ色で感激したのが、コスミレ愛の始まりで、とうとう種を蒔いて育てて(というより自然のままに放置して)いる始末。
キズ(木酢)という柑橘類の鉢の根元で密集して咲き出したコスミレ
陽当たりが良いやや水の少ない環境で、葉の展開よりも先に2月頃からびっしり蕾を着けて咲き始めます。 こんなに蕾を着けるのは、恐らく柑橘の根元では根の伸びが制限されているので、種を残さねば!という危機感からかもしれません。 この日咲いたばかりの花で、未だ花弁が丸みを帯びています。下の写真のコスミレと比べると別種のように見えますね。
狭山公園の林縁で刈り取られた芝草の間、半日影で適度な湿度のある環境で伸び伸びと育ったコスミレです。
これが一番、本来のコスミレらしい姿では無いかと思います。 開花から日数が経つと、このように花弁が細長くなり、よじれる傾向にあります。
コスミレ全体の姿
この辺りの個体は葉の裏が紫色を帯びているものが多く、シハイ(紫背)スミレ?かと思った位です。
半日影の株では、花の大きさに比べて花茎が細く長いイメージで、段々と花の重みに耐えきれず垂れ下がり、草丈が低くなります。 すくっと背筋が伸びたように咲く本家のスミレに比べると「小」が付くには、若しかしたら、この辺りが由縁かもしれません。
切通の崖にしがみつくように咲いていたコスミレ
一見、違う種のスミレかと見まがう位、全体に小型で花色も濃い個体。 こちらも咲き始めで花弁は丸いですね。
カラカラに乾いて養分も少なそうな環境で、これなら「コスミレ」の名前も相応しく思える小さな個体です。 どうしてわざわざこんな所に苦労して… と思いますが、それはやはりタネに付いたエライオソームという媚薬に惹かれて運んだ蟻の仕業なのでしょう。
高尾駅や武蔵五日市駅のバス乗り場の縁石の隙間などに生えているコスミレも、同じ様な環境で「小」スミレ的風情です。 命名者がご覧になっていたコスミレがそのような環境で育った個体だったのかもしれません。
タチツボスミレ
早咲きのコスミレに続いて咲き出すのが、このタチツボスミレ。 個体数は圧倒的に多く、花期も長いので、一番目に付くスミレでしょう。
アオイスミレ
本来ならば、一番早咲きの筈のアオイスミレなのですが、私の観察エリアでは花が咲くのを見たことがありません。 葉や茎に毛が密生しており、展開前の葉がクルリと巻物の様になっているのが特徴です。 かれこれ5年ほど観察していますが、独特な丸い下向きの果実は出来ているので閉鎖花だけで生き延びているのでしょうか。 林縁が木々の成長で日照不足になった所為ではないかと思います。 いつか日が差し込んで可愛い花を着けるのを楽しみにしています。

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