ギンランとササバギンランは、草丈や葉の形、花序の下の苞の長さ、有毛か無毛か、だけでは個体差もあって、これまでにも私にはどちらと同定し難い個体がありました。それで、それら以外に何か決め手となるポイントは無いかと探しているのです。
例えば、今手許にあるギンランと思われる下2枚の写真は、実際には草丈20センチ程、全体に華奢で柔らかでパッと見た感じはいかにもギンランだったのです。でも帰宅して見直すと、この角度の写真だけでは、葉もやや細長く見えるし、苞も長さがあるし、有毛にも見えるし、微妙な感じですよね? 私がいかにもギンランらしい個体を探していた理由がこれです。
ギンラン(銀蘭)ラン科キンラン属
ギンランは、キンランやササバギンランよりも更に薄暗い所を好むようで、オマケに白花で草丈低く、他の植物に埋もれるように咲いていることが多いので、本当に綺麗に撮るのが難しいです。
でも、直ぐ近くの別のもう少し咲き進んだ個体の花をよく観ると、距(きょ:花を横から見て顎のように見える部分)が、三日月顔のように細く長いことがわかります。
これは、先日ご紹介したササバギンランの距とは明らかに違います。蕾の内は観察しづらいのですが、開花して(といっても銀蘭の側弁は殆ど横に開きませんが)花序が伸び出してくれば観ることが出来ます。これは決め手にならないかな? 引き続き多くの個体を見比べる観察を続けます。
<追記>ササバギンランとギンランの記事をアップした後、改めて見比べると、葉の質感が大分異なりますね。
ササバギンランの葉脈は、縦皺がしっかり刻まれていて固い感じがします。
この他に、最近では、ユウシュンラン(ギンランより更に小型で上1枚の葉以外は殆ど鞘状に退化)、クゲヌマラン(ギンランとササバギンランの中間的雰囲気。葉は細長いが葉脈の皺は浅い。距は殆ど無い)という白花のキンラン属が進出して来ているという情報もあります。見つけたらお知らせしますね。
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