イボタノキ(水蝋樹、疣取木)モクセイ科イボタノキ属 2021.05.06
白い花をブドウの房のように垂れ下げて咲き始めていました。芳香があると聞くのですが、鼻を近づけても良く分からないのです。風に乗ってふんわり香るタイプなのでしょうか。
<2021.05.19 追記>
今にも降り出しそうな空の下、どうしてもイボタノキの花の香りを確かめたくて出掛けたのです。幸い未だ、蕾も沢山で無数の花を咲かせていました。そして、遂に、イボタノキの花の香りが確認出来ました!
スイカズラのように遠くからでも気付くような強い香りではなく、鼻を近づけてやっと分かる品の良い香りです。思うに、今日のこの湿度が香りを際立たせたのではないでしょうか? 梅雨時に咲く花ですので、そういう香りのスイッチがあるのかもしれません。
花だけ見たら、同じモクセイ科のギンモクセイにも似ています。丸めたお餅の先を切り分けたような花びらの厚みに惹かれます。
蕾は、やはりモクセイ科のネズミモチにも似ていますけれど、葉はずっと小さく細長い楕円形、伸びた枝に平面的に密に対生するので、一見羽状複葉のようにも見えてしまいます。葉の先は丸いか少し窪んでいることが多く、やや菱形で先がツンと尖ったミヤマイボタと区別出来ます。
この大株の葉先は尖り気味ですが、細い楕円形なのでイボタノキだと思います。
イボタとは、疣取が転化した名前とされ、この木に付くイボタロウカイガラムシ(イボ太郎ではなく、疣取蝋貝殻虫)が分泌する蝋物質を集めて溶かし漉し、疣に塗って取るという民間治療があります。
この蝋は、ハゼノキから採れる「木蝋」に対して「水蝋」と呼ばれ、蝋燭の材料の他、家具のツヤ出し、敷居の滑り、刀剣の錆止め等に今も用いられており、通販で買うことも出来ます。
イボタノキを見かける度に、そのイボタロウカイガラムシが着いてないかと探すのですが、未だに見つけたことがありません。先に見つけた人が綺麗に削り取っていってしまうのでしょうか。役に立たない貝殻虫なら、梅やミカンの木から取り切れない程みつかるのになぁ

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