2021年05月28日
観天望気
2006.11.13「見送る空」の記事に掲載の彩雲
先日の「森の中の雨宿り」の中で「観天望気」という言葉を書いたら、新しい朝ドラ「おかえりモネ」が気象予報士を目指すことになる主人公の話ということで、ドラマの最後に「観天望気」コーナーまであって驚きました。
「観天望気」は、文字通り空を見て気を読む、自然の中で五感を研ぎ澄まし、天気の変化を予測することです。自然の中で働く人には欠かせない大事な力。様々な口伝や諺として残っていて、皆さんもご存じのものが多いと思います。
・夕焼けは晴れ
・西の空が明るければ天気が回復
・トンビがクルリと輪を描けば晴れ
・蜘蛛の巣に露は晴れ
・朝焼けは雨
・ツバメが低く飛んだら雨
・遠くの音が聞こえたら雨
・お日様に暈が掛かったら雨
・富士山に笠が掛かったら雨
・入道雲が湧き上がったら夕立
・花多ければ大風
・カマキリの卵が高ければ大雪
・蜂の巣が低ければ台風
等々・・・これらは一般的なものですが、地域によって、もっと具体的なものも沢山有ると思います。
さて、その「モネ」ですが、27日の回の様子は見ていて何とももどかしく、こんな未熟なスタッフと手の焼ける子供を残していったリーダーと引率の先生の責任は重いと思います。少なくとも人に電話で尋ねなくとも自分で判断できるスタッフか先生を残さねばいけませんでした。山では、あのように電話が通じないことも多いのです。
幾ら急な雷雨だったと言っても、気配はあった筈です。現にリーダーは、早めに帰ろうとしていましたよね。先ず、少しでも雨を凌げる場所で素早く雨具の装着をすべきです。先に帰った子達はちゃんと雨具のフードを被っていましたが、モネと男の子はそれもせずにズブ濡れでした。低体温症を防ぐ為には、先ず身体を濡らさないこと。ヘルメットも持っていたのですから、若しフードがなくとも濡らさない手段となりえました。濡れれば体温低下の他に身体も重くなり、次の行動にも支障が出ます。
リーダーとしては、避難小屋が近かったようですから、急いでセンターに駆け戻らず、先ず全員でそちらに避難し安全を確保して、二人の救助に戻るという方法もありました。
モネは電話に気を取られて、子供から目を離していたのが一番拙かったです。自分のせいで皆とはぐれ、その上、斜面から落ちて足を痛めて更にズブ濡れ・・・子供にとっては心身共に極限状態で不安に押しつぶされそうなのに、頼りの大人(モネも未だ子供みたいなものですが、男の子から見れば大人です)もパニックで自分の方を見てくれないのでは、低体温症にならずとも、貧血を起こして気を失ってしまいそうです。
避難小屋に毛布やストーブなんて何時も有る訳ではないので、救急セットと共に一年中使い捨てカイロと体温を保持できるアルミシートは常備しています。ザックの中身も全て濡れないよう防水装備していますので、乾いたタオルや着替えを使うことが出来ます。
ドラマの脚色とは言え、あり得ない!と、ハラハラしつつ、自分だったらどうするかの良いシミュレーションになりました。
男の子の保護者から「あなたのお蔭で助かりました」と言われたモネに、森林組合の医師が、「君は何もしていない。ただ知り合いの気象予報士と医師の指示に従っただけだ。」等と、私が思ったとおりの厳しい言葉をモネに伝えてくれたのが救いでした。モネは、きっと同じ過ちを二度と繰り返さない為に必死に学んでくれることでしょう。けれど、若し、男児が亡くなっていたら・・・命に次は無いのです。
<追記>
土曜日の再放送をきちんと見たら、どうも前半を飛ばし見していたようで、悪いことは重なるもので雷雨の前に女児に喘息症状が出ていて、男児が離れた時も一応引率の先生は、
「私も残ります!」
と、申し出ていたものの女児の付き添いを優先したようでした。それでも、男児が母親がお産入院中でいつもより情緒不安定ということも知っていた2名の教師の内の1名(担任)は残るべきでした。
また、先に進んだグループも真っ直ぐ森林組合センターに戻らず、詰所(避難所と別?)に一時避難していました。距離や位置関係が分からないですが、モネが避難所に向かった雷雨の雲の切れ間に、そこからセンターに移動したのかもしれませんね。
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昨年、福島県を旅した時は、朝ドラ「エール」の主人公の記念館を見学。今年は宮城県〜岩手県を旅したいと計画していたのですが、またまた朝ドラと被ってしまいそうです。
瓜亀仙人さんでしたら、特にそう思われたことと思います。
野外学習の時の先生の中には、教える立場から教わる立場になり、子供同様楽しまれている方も多く微笑ましいのですが、子供から目を離さないで頂きたいです。
ロケ地の復興を目指す朝ドラ制作者の思惑通りですね(^^)コロナ禍が終息したら、あちこち見学し美味しいものを召し上がり、沢山お金を落としてきて下さい。
私、少しだけ気象に興味があります。
そして私、森林組合の組合員でもあります。
山をやっていた方は、空を良く見上げて気象に敏感ですよね。
今の朝ドラは、森林組合のイメージアップにもなっていますね。この頃、林業は少しずつ?人気が出てきているようです。漁業と同じで命がけの緊張を伴う仕事ですが、好きな人にはたまらない職場?かもしれません。