2021年06月27日

イヌヌマトラノオ(犬沼虎の尾)

 たっちゃん池の堤防の北斜面に、ここ数年の間にオカトラノオに似て葉の形が違う得体の知れぬ株が急速に増え、誰かがどこからか採取してきたタネを蒔いたのではと不審な気持です。

 図鑑で見るとノジトラノオに似ていますが、絶滅危惧種で自生地の湿地でも数が減っているというノジトラノオが、こんな所に生えている筈は無いと思い、更に調べてみると、どうやら、オカトラノオとヌマトラノオの交雑種で、最近増えているという「イヌヌマトラノオ」のようです。

イヌヌマトラノオ(犬沼虎の尾)サクラソウ科オカトラノオ属(オカトラノオ X ヌマトラノオ 交雑種)2021.06.24
イヌヌマトラノオP6242282.JPG

イヌヌマトラノオP6262308.JPG
 花序と花だけ見るとオカトラノオに似て花序の先が垂れ下がり、ほぼ真っ直ぐ咲くヌマトラノオとは異なります。

イヌヌマトラノオP6242285.JPG
 花付きは、オカトラノオより、やや少なめに感じます。

イヌヌマトラノオP6242300.JPG
 斜面の下部に群生しています。このまま放置なら、どんどん増えていくことでしょう。オカトラノオを脅かさないか心配です。

イヌヌマトラノオ小P6262334.JPG イヌヌマトラノオ小P6262311.JPG
 花弁がオカトラノオより幅広という記載もありましたが、ここの花はそれ程差があるようには見えませんでした。オカトラノオの開花を待って比べてみましょう。 
 一番の違いは、この細長い葉です。オカトラノオの葉は、もっと幅があり葉柄の基部に赤味があるものが多いです。

オカトラノオの葉と茎
オカトラノオP6242252.JPG

イヌヌマトラノオP6262333.JPG
 最初に似ていると思ったノジトラノオの茎にはハッキリ密生した開出毛がありますが、こちらは、まばらな毛が生えているだけで、その特徴は見られません。やはりこれは、イヌヌマトラノオと呼ばれる交雑種のようです。オカトラノオの仲間は、交雑しやすいスミレ並みに混ざりやすいようなので同定者泣かせです。


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posted by 山桜 at 22:19| Comment(2) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨夜遅く、北の花の島から帰ってきました。
イブキトラノオをいっぱい見てきましたよ!
Posted by 瓜亀仙人 at 2021年06月28日 19:05
◆瓜亀仙人さん、お帰りなさいませ!

 北八ヶ岳の記事をアップされながら、北海道?へいってらしたのですね。
いつもながら、フットワークの軽さに驚くばかりです。

 イブキトラノオは、タデ科で別の仲間ですけれど、長い穂状の花は共通ですね。北海道ならエゾイブキトラノオでしょうか。
Posted by 山桜 at 2021年06月28日 21:10
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