図鑑で見るとノジトラノオに似ていますが、絶滅危惧種で自生地の湿地でも数が減っているというノジトラノオが、こんな所に生えている筈は無いと思い、更に調べてみると、どうやら、オカトラノオとヌマトラノオの交雑種で、最近増えているという「イヌヌマトラノオ」のようです。
イヌヌマトラノオ(犬沼虎の尾)サクラソウ科オカトラノオ属(オカトラノオ X ヌマトラノオ 交雑種)2021.06.24
花序と花だけ見るとオカトラノオに似て花序の先が垂れ下がり、ほぼ真っ直ぐ咲くヌマトラノオとは異なります。
花付きは、オカトラノオより、やや少なめに感じます。
斜面の下部に群生しています。このまま放置なら、どんどん増えていくことでしょう。オカトラノオを脅かさないか心配です。
花弁がオカトラノオより幅広という記載もありましたが、ここの花はそれ程差があるようには見えませんでした。オカトラノオの開花を待って比べてみましょう。
一番の違いは、この細長い葉です。オカトラノオの葉は、もっと幅があり葉柄の基部に赤味があるものが多いです。
オカトラノオの葉と茎
最初に似ていると思ったノジトラノオの茎にはハッキリ密生した開出毛がありますが、こちらは、まばらな毛が生えているだけで、その特徴は見られません。やはりこれは、イヌヌマトラノオと呼ばれる交雑種のようです。オカトラノオの仲間は、交雑しやすいスミレ並みに混ざりやすいようなので同定者泣かせです。

人気ブログランキング
【山川・自然観察の最新記事】
イブキトラノオをいっぱい見てきましたよ!
北八ヶ岳の記事をアップされながら、北海道?へいってらしたのですね。
いつもながら、フットワークの軽さに驚くばかりです。
イブキトラノオは、タデ科で別の仲間ですけれど、長い穂状の花は共通ですね。北海道ならエゾイブキトラノオでしょうか。