2021年06月29日

NHKの時代劇が面白い

 ここ数年、日曜日の大河ドラマは、待ちきれなくて18:00〜のBSプレミアム放送を観ています。すると大河ドラマに続いて、時代劇シリーズの再放送が流れます。

 最初は、なんとなく山本耕史さん主演の「鳴門秘帖」を、以前、居眠り磐音「陽炎の辻」が好きだったので、見始めたのが切欠だったかもしれません。時代劇は、主人や父が旅立ってからは、一緒に観ていたことを思い出すと哀しくなるのでご無沙汰だったのです。

 その後、どういう順番で観たかは忘れましたが、思い出すままに書きますと・・・

山本耕史さん主演「鳴門秘帖」
 哀しい事情を持つ陰りのある美剣士役は、彼の独壇場です。現代劇では余り好きではないのですが、「一つ屋根の下」では車椅子の画家志望の儚げな青年が、こんな成長を遂げるとは思いませんでした。

中井貴一さん主演の「雲霧仁左衛門」 
 クモキリソウと名前が共通なのも惹かれた一因かもしれません。中井さん、CMで見せるひょうきんさと時代劇での渋さのギャップ、人間性の深みを感じます。脇とは言えないような共演陣も芸達者揃いで見応え十分。最後は絶対に仁左衛門の勝利と分かっていても、ハラハラドキドキし通しです。

 第41,52代の火付盗賊改の安倍式部(信旨)を演じるのは國村隼さん。第165−166代の鬼平こと長谷川平蔵(宣以のぶため)とは違って、敵役で毎回取り逃してしまい気の毒ですが、安倍式部も応援したくなる魅力を持っています。

船越英一郎さん主演の「赤ひげ」
 船越さんも現代劇ではピンと来ない人でしたが、この赤ひげ先生は髭も似合ってはまり役、無口なので表情で演じる姿に泣かされました。

 主役以外は、役者が良いという言うより脚本が素晴らしいのかもしれませんが、それだけにどの役も演じているようには見えず、若いお医者様達の成長が、演じる役者の成長と重なりました。若い人が成長していくのを見ると、自分も未だ未だこれからだと励まされますね。

沢口靖子さん主演の「小吉の女房」
 小吉は勝海舟の父で演じるのは古田新太さん。気風が良く人にとことん優しい江戸っ子で、この父ありての海舟なのかと言う興味もあって見始めました。沢口さんは、どこか無理しているような「科捜研の女」より、時代劇の女房役の方がずっと伸び伸びしていて可愛らしく魅力的でした。子役だった海舟も成長して結婚してしまい、もう続編はないのかしら、もっと見たいなぁ

中村隼人さん主演「大富豪同心2」
 お金持ちの同心・八巻宇之吉と先の将軍のご落胤の異母弟・幸千代君、顔はソックリ(中村の二役)でも、能力も気性も正反対。第一作は見ていませんが、中村さんの二役の演じ分けが素晴らしく、別人では思う程で驚きました。歌舞伎役者さんで所作も美しく上品で、小判をばらまこうが、ご飯をモリモリ食べようが、何をやっても嫌な感じにならない所が流石です。
 
 「小吉の女房」が終わって寂しく、何だかふざけた漫画のような設定で、見るのを止めようかと思っていたのに、ついつい引き込まれて見続け、今ではエンディングのダンスを一緒にやるのも楽しみになるとは・・・。

 大好きな稲森いずみさんの芸者姿を堪能できる幸せ。宇之吉を慕う男装の女剣士みすずさんとの進まない恋模様、宇之吉大好きな下町の応援団の面々との人間模様も温かくてほっこりします。あの松本幸四郎さんが、主演では無く幸千代君付きの老中で爺やのような役をオロオロと演じているのにも年月を感じます。

 つまらないバラエティや若者向けのドラマばかりで見るものが無いとお嘆きでしたら、是非、一度ご覧になって見て下さい。本放送は金曜日の午後8時から、再放送は、土曜午後6:45?〜(6:00〜の大河ドラマの後です)


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ラベル:NHK 時代劇
posted by 山桜 at 17:41| Comment(2) | 映画・ドラマ・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鬼と呼ばれた火盗改というのは、史実では安倍親子なのですが、池波正太郎が長谷川平蔵を使ったのでそちらのほうが有名になりましたね。

時代劇好きのわたしは、BSで沢山報道されていてうれしい限りです。
昔の葉、役者がみな殺陣(たて)がうまいのが魅力です。

最近の時代劇では、「陽炎の辻」は良かったですね。
そして、「るろうにん剣心」や「JINー仁」は傑作品だと思います。
Posted by 玉井人ひろた at 2021年06月29日 20:25
◆玉井人ひろたさんへ

 江戸が舞台の時代劇は、今も地名が残っているので、ここを鬼平が駆け抜けていったのか等と想像が膨らみ、町歩きも楽しくなります。

 鬼平と安倍式部には、そんなエピソードがあるのですか。鬼信ではゴロが悪かったのでしょうかね。池波さんの言葉のセンスがよかったのかもしれませんね。

 「るろうに剣心」は、実写版を見るのが怖くて未見ですが、玉井人さんが傑作と仰るのなら見てみたくなりました。

 「JIN-仁」は、お茶の水に行くたびに、あの崖から落ちたのだなぁと、フィクションなのに感慨に耽ってしまいます。
Posted by 山桜 at 2021年06月29日 21:47
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