2021年07月01日

オカトラノオ(岡虎の尾)

 「岡」と付く名前の通り、先にご紹介したイヌヌマトラノオより少し高い丘陵の陽当たりの良い場所に生えています。ただ、私のフィールドの群生地では、周囲の木が大きくなり日照不足気味で、健全な状態ではなくなりつつあるように見えます。

オカトラノオ(岡虎の尾)サクラソウ科オカトラノオ属 2021.06.30
オカトラノオP6302378.JPG

2021.06.21 午後には木陰となり薄暗くなってしまいます。
オカトラノオP6212174.JPG

オカトラノオP6302383.JPG
 ご覧のように群生はしているものの、今年は花序の出が少なく寂しい風景です。健全であれば花序は、もっと長く、しな垂れた先がまた少し上を向くような見事な「虎の尾」になるのですが、何となく尻切れで短いものばかり。

オカトラノオP6302385.JPG
 未だ出たばかりの小さな花序が初々しい。

オカトラノオP6242251.JPG
 蕾は実に規則正しく並ぶ幾何学模様。これぞ「天地の理(あめつちのことわり)」、神様の意匠には科学的法則が潜んでいます。

オカトラノオP6242247.JPG
 花は下から咲き始めます。飛んでいる箇所は陽当たりが悪いのでしょう。

 さて、ちょっとずつ寄ってみましょうか。
オカトラノオP6242255.JPG
 真っ白では無く、淡いピンク色がかっていて、ソメイヨシノのような色合いです。
オカトラノオP6302380.JPG
 これは、特に雌しべの赤味が強く美しい個体でした。
オカトラノオP6302384.JPG

オカトラノオP6212217.JPG
 このように寄って見てみると、本家のサクラソウよりも桜の花に似た雰囲気が感じられませんか。花弁(花冠の裂片)の真ん中に雄しべがある(花弁と雄しべが対生)のが、サクラソウ科の一つの特徴。

オカトラノオの花(最初の1枚)と 離れた別の2箇所のイヌトラノオの花(後の2枚)
オカトラノオ小P6302426.JPGイヌヌマトラノオ小P6262334.JPG
イヌヌマトラノオ小P6302363.JPG
 最初の2つを比べると、確かにイヌヌマトラノオの花弁(1枚ずつ分かれていないので花冠の裂片というのが正しい表記*)の方が幅広ですが、立ち入り禁止の水道用地内に咲いていたイヌトラノオ(多分)を柵越しに撮った3枚目は、却って細いようです。イヌヌマトラノオはオカトラノオとヌマトラノオの交雑種ということなので、どちらの形質がより多く出ているかによるのではないでしょうか。

 *以前にも書きましたが、ある刑事ドラマで「サクラソウの花びらが1枚落ちていた」という台詞がありました。サクラソウ科は漏斗状に花冠の下はくっついていて、花は丸ごと落ちるので、花びら1枚というのはちぎらない限りあり得ない筈なのです。


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posted by 山桜 at 13:59| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オカトラノオは、日当たりは影響しないと思います。
我が家の庭のは、木陰ですがよく咲いています
Posted by 玉井人ひろた at 2021年07月01日 18:40
◆玉井人ひろたさんへ

 貴重な情報をありがとうございます。木陰でも木漏れ日や反射光が当たれば良いのですが、ここは東側が開けているだけで、高い木に囲まれてしまっています。
玉井人さんのお庭は、午後薄暗くなるほどの日陰でしょうか?
Posted by 山桜 at 2021年07月01日 21:35
 オカトラノオは あちこちに蔓延ってしまって、友人や知人にあげ、二本ほど残していたら、翌年出てはきましたが花が咲きませんでした。あまり急激に減らすのはよくないですね。
Posted by メダカの目 at 2021年07月07日 20:41
◆メダカの目さんへ

 オカトラノオは地下茎を延ばして増えるので、小さな庭に植えるのは勇気が要ります。玉井人さんもメダカの目さんもお庭で咲いていて羨ましいです。
Posted by 山桜 at 2021年07月07日 21:05
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