
国宝 聖林寺十一面観音菩薩立像 霊園山・聖林寺HPより
2021年6月22日(火)〜9月12日(日) 東京国立博物館・本館にて、国宝 聖林寺十一面観音立像展(東京国立博物館)が開催されています。(混雑緩和のため、事前予約制です。)
こちらの十一面観音菩薩様が聖林寺の外へ旅に出られるのは初めてのこと。この歴史的お旅立ちには、なんと拙ブログにもお越し下さっている瓜亀仙人さんより、聖林寺ご住職への助言有ればこそと伺い、今更乍ら畏れ多きご縁に感動しております。
ワクチン接種が済み、コロナ禍も収まってきたら、是非とも十一面観音菩薩様にご挨拶に伺いたく存じます。
されば、どのようなご助言か気になりますよね? それには、歴史を紐解かねばなりません。以前に訪問した折に調べて書いた記事はこちら。2010年3月17日「霊園山・聖林寺」ですが、そこから関連箇所を抜粋しますと、
大神神社の神宮寺「三輪山・大御輪寺(おおみわでら)」の元ご本尊。神仏分離令の発布前、廃仏の嵐を予期された聖林寺七代和尚・大心(三輪流十一面観音法を唯一伝授された三輪流神道の正嫡)により、大八車に乗せられ聖林寺へ移され難を逃れる。
瓜亀仙人さん(雑草メロンを愛され亀の背の上にお住まいでいらっしゃいます)のブログ「大和浪漫」へのコメントに頂いた返信によりますと、
「国宝を収める収納庫の耐震工事の関係で、工事期間中、ご住職は十一面観音を預かって下さるところを探して迷っておられたようです。」
「ご住職は、十一面観音様が東京への長距離移動で、破損等しないかと心配しておられました。
私は、
「明治維新の廃仏毀釈で、大神神社から大八車に載せられて、このお寺まで舗装されていない道をゴトゴトと揺られて来られた仏様じゃないんですか!今の技術だと、奈良国立へ行くのと東京国立へ行くのは、ほぼ同じゃあないんでしょうか?オリンピックの年だし、奈良まで来れないたくさんの人が、東京で待ってくれているはずですよ。」
と、申し上げたのです。」
ありがたや、ありがたや・・・コロナ禍に苦しむ東京都民に観音菩薩様のご慈愛を分けてくださり、心より感謝申し上げます。
東京国立博物館でお目にかかれた後には、是非、奈良の桜井市にある聖林寺へもお参りにお出かけ下さい。少し行きづらい所ではありますが、あのフェノロサも魅了された観音様に会うには、ゆっくり歩いて心静かに訪ねられるのが良いと思います。その際は、収蔵庫の修理が終わっているか、ご確認下さいね。

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今、無性に白州正子の「かくれ里」が読みたくなって再読中です。
きっと遙々お越し下さった天平の観音様のご加護を頂き、何とかオリパラも開催出来、選手や開催に向けて努力されてきた方々も報われ、コロナ禍も収束に向かう事でしょう。
東京の後は、奈良の国立博物館に回られるのですね。新しいお住まいが出来て御座なされたら、菩薩様でもほっとされるでしょうね。