狭山丘陵の向こう側の「所沢」という地名も、トコロが多く生えている沢の意味で、「となりのトトロ」が「トトロ〜!」とか「グワ〜ッ!」とか雄叫びを上げるのを聞くと、地中のオニドコロの力を集めた叫びのようにも思えてしまいます。
「野老」と書くのは、彫り上げた根茎に鬚根が沢山生えているのが、おじいさんの髭のように見えたからとか。腰の曲がった「海老」と同様、長寿の縁起物としてお正月に飾る地域もあるそうです。
雌雄異株で、雄株・雄花の方が花も多数で目立ちますが、果実がなってからは雌株が俄然存在感を増します。葉は丸みを帯びたハート型のことが多く、互生で葉腋にムカゴは着きません。
オニドコロ(鬼野老)雄株・雄花
雄花の花序は上に立ち上がり、花粉を飛ばすことにエネルギーを傾けているので、花序の数も花も多く遠くからでも目立ちます。
一箇所に複数の花を着けるので、こんもりとして見えます。
平開した6つの花被片と完全な雄しべが6つあります。
オニドコロ 雌株・雌花
雌花の花序は垂れ下がり、花序数も花数も雄花よりずっと控えめです。必要最低限の果実を実らせることに集中し、省エネに徹しているのでしょう。
よく観ると、既に雌花の下には3つの翼のある子房が見えます。花序は下垂しますが、花は開花につれて上向きになります。
どうせ実ったら重みで垂れ下がるので、初めから雌花序は下垂させておくのかな。生き抜くのは大変なことですから、何でも省エネで効率よくですね。
こうなると、未だ緑色ながら、あの見慣れた三つの翼がある果実の姿です。種が実ること3つに爆ぜた翼を鼻にくっつけて遊んだ方もいらっしゃるでしょう。途絶えさせたくない草遊びの一つです。秋になったら身近な子供の鼻にくっつけるか、嫌がったら自分で着けて見せてやって下さいね。
そうそう、東京オリンピックのエンブレムをデザインされた方は「野老さん」で、千葉県に多い名前だそうです。昨日ファミリーヒストリーに出演されていた「所ジョージ」さんは、所沢出身とのこと。
それで今日は、何となくオニドコロの事を書きたくなったのかな?
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