2021年09月27日

大豆の原種 ツルマメ(蔓豆)

 秋はマメ科の花が賑やかです。先ず、恐らく日本人が一番お世話になっている「大豆のご先祖様」をご紹介しましょう。

ツルマメ(蔓豆)別名 ノマメ(野豆)マメ科ダイズ属 2021.09.10
ツルマメP9103404.JPG
花は、図鑑には淡赤紫色と書いてありましたが、目で見た限り「青色」若しくは「淡青紫色」で、赤味は感じられませんでした。個体差があるのかもしれません。ただ、ここ一帯では皆きれいな「青色」で、写真のような紫味も少なかったです。
ツルマメP9103408.JPG
葉腋から花序を伸ばし、3〜4個ずつ固まって咲いていました。
ツルマメP9103406.JPG
横顔もなかなか端正でキリッとした「正統派の二枚目」といった感じ。

2021.09.14
ツルマメP9143582.JPG
 名前の通り、蔓性で他の草木に巻き付きます。現在の大豆は、若い豆を「枝豆」と呼ぶように、蔓性を無くし固い枝性に改良されています。

ツルマメP9103405.JPG
ツルマメP9103405.JPG
 三小葉からなる葉の形も今の大豆より大分細長く、まるで違う仲間のようですが・・・遂に豆果が生ったので見て下さい。納得ですよ!

2021.09.25
ツルマメP9253722.JPG
 小さいながら、枝豆そのものです。最近の枝豆に比べると大分毛深くて、昔懐かしい気持がします。

ツルマメP9253753.JPG
 やや膨らんできたものは、なかなか美味しそう。もう少し膨らんだら、茹でて頂いてみようかな。

ツルマメP9303765.JPG
 大きさが分かり易いように、指と一緒に撮ってみました。

 同じ群落に、小豆のご先祖様の「ヤブツルアズキ」も生えていました。

ツルマメヤブツルアズキ マメ科ササゲ属
ツルマメ ヤブツルアズキP9143476.JPG
 大豆と小豆の原種のコラボが見られるとは思いませんでした。これは自然発生なのでしょうか・・・それとも何処かから種を持ってきて蒔いたのでしょうか? 今度レンジャーさんを見かけたら聞いてみましょう。


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posted by 山桜 at 11:47| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
45年ほど前、私が通った大学の農学部の温室の横で妙な豆科植物を見た記憶があります。
噂では、海外から持ち帰った植物が温室外に逃げたものだとか、又、雑種交雑で生まれた植物が逃げたものだとか・・・
それに比べると、10年ほど前に訪ねたiPS細胞で有名な山中教授がおられたN先端大では、逃げ出さないよう厳重管理がなされていました。
時代を感じた瞬間でした。
Posted by 瓜亀仙人 at 2021年09月28日 18:43
◆瓜亀仙人さんへ

 逸出植物が在来種や農作物に悪さをしたら、大学の責任は大きいですよね。日本は海に囲まれているので、何でも来る物は拒まずみたいに管理が緩かったのでしょうか。

 今は、寧ろ苦労して作出した苺やブドウ等を無断で持ち出されて、私ですら悔しい気持です。

 そういえば、近所に常緑っぽい葉で山芋の仲間に似た蔓植物が生えていて、幾ら調べても何だか分からないのです。今度ブログに載せたら、ご意見お聞かせください。
Posted by 山桜 at 2021年09月28日 20:26
ああ、そうなんですか、このような原種を改良したのが、今の枝豆や小豆なのですか。
農家さんのご苦労がしのばれます。
それにしても、今の大豆はほとんどが輸入もの。国産大豆がもっと増えてほしいものです。
Posted by へこきあねさ at 2021年09月29日 16:43
◆へこきあねささんへ

 ツルマメの鞘は2p程の小さい物で、お腹を膨らせるのは大変なことですが、きっと他の豆よりは美味しかったのでしょうね。

 私は生協で調達しているので、国産大豆を使用したものしか頂いていませんが、日本全体でも食品に限れば25%が国産で、国産需要も多いので増加傾向にあるそうです。少し価格が高くても皆が国産を買えば、もっと割合が増えることでしょう。

 輸入大豆の大部分は大豆油の精製に用いられているそうです。
Posted by 山桜 at 2021年09月29日 20:29
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