武蔵野自然観察園には、在来種のホトトギスと繁殖力の強い台湾ホトトギスが生えていますので、ルリタテハが良く産卵に来ます。見学者が観察しやすいように飼育ケースの中で幼虫を育てていますが、私の当番の日、丁度羽化したてのルリタテハに会えてラッキーでした。
欲を言えば、蛹から出てくるところを見たかったけれど、残念、間に合いませんでした。
ルリタテハ タテハチョウ科 2021.10.11 武蔵野自然観察園
飼育ケースの中で羽化し蛹の抜け殻に止まって一息。未だ、翅が濡れていて伸びきらずに皺が寄っています。飛ばない内に外の大ケージに食草のホトトギスの枝ごとそっと運ぶ途中、シャワーのようにオシッコを勢いよく放出しました。蛹の中にいた間中、体内に溜まっていた分ですね。大変身を遂げた細胞の老廃物と思うと神聖な気持になりました。
大ケージの低木に枝ごと移すと、お日様を浴びて気持ちよさそうに翅を乾かしています。
まだ飛ばないのをいいことに、そっと正面から失礼・・・『大人の眼になって初めて見る人間、怖くないでしょ』なんて、片手で枝を持っている私の方がビビってピントが甘いです(。。;)
羽ばたきをする度にぐっと翅に力が入り、皺もグンと伸びていくようです。樹液などを好む蝶なので、翅裏は樹皮に似た模様ですが、表は美しい瑠璃色のラインが目立ちます。
飛んでいるときは、雄雌がお互いを見つけやすい色合いで、且つ、上から見る天敵の鳥などには見つけづらい配色なのかもしれません。
ルリタテハ 終齢幼虫
室内だったのでリングライトをあてて模様はハッキリ見えますが、
実際の色はこちらの方が近いです。
ホトトギス、サルトリイバラの他に、ユリの仲間の葉も食べますので、意外に気を付けて葉裏を探せば都会の庭などでも幼虫を見ることができます。家にそれらを植えられている方は、是非、探してみて下さい。

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ホトトギスは、分枝せず真っ直ぐ長く伸び、葉腋ごとに1〜3個の花を着きます。
台湾ホトトギスはよく分枝し、枝先に散房花序で沢山の花を着けます。
西表島に自生しているので、外来種とは言えませんが、繁殖力が強いので、庭に持ち込むときは要注意です。