チョウジソウ(丁字草)キョウチクトウ科チョウジソウ属
袋果と種子 2021.10.05
カリカリに乾いていて直ぐにポキッと折れてしまうので、暫く湿らせてから、半分に割って中を見てみると、種髪はなく長さ8o程の大きめの棒状種子がキッチリと隙間少なく並んでいました。
横から見ると、斜め平行四辺形で、表面には複雑な迷路のような凹み模様がありました。
シナモン等の香り漂うスパイシー・クッキーのようにも見えますが、この種子も含め全草有毒ですので、決して口にされないように。(香りはありませんでした。)
複雑な迷路模様の役割は分かりませんが、種髪が無く大きめの重さのある種子ということは、遠くへ行く積りは無さそうです。偶々袋果を開けるときに湿らせていた時の種子の写真を撮っていました。これを見ると、水分を蓄えて固い種子の殻を割るための溝かもしれないと想像します。
開けた湿地草原のような所が自生地で、恐らく発芽にはかなりの水分を要すのではないでしょうか。適湿地で発芽したいが為の工夫に思えます。湿った土の中で引っかかり、また、潜りやすいのかもしれません。
そのような湿地草原が激減したことにより、各地で殆ど絶滅危惧種のような状態で、園芸店で流通しているのは北米産の外来種が多いようです。
結実し成長した若い「人字型」の袋果 2021.06.15
開花 2021.04.23
花期は短いですが、吸い込まれそうな空色、清々しい端正な姿が魅力的な花です。
株分けや挿し穂で増やすのが普通のようですが、家ではこぼれ種でも増えている模様。折角の種子ですから播いて経過を観察してみるつもりです。

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湿地はどこも少なくなって、里山も少なくなって日本はどうなるんだろうと不安になります。
一旦根付いてしまえば、乾燥と日照りに気を付ければ、案外丈夫で良く増えてくれます。
ただ、山野草は、株が大きくなって安心していると、老化して枯れていくので、やはり種子なり株分けなりして更新しておくのが安心です。
幸い狭山丘陵周辺では、トトロの里基金などで里山も湿地も保全が進んでいるのが嬉しいですね。