2021年11月01日

大豆と小豆の原種の比較

 大豆の原種ツルマメの豆が青い内に枝豆風に茹でて食べたいと思っていましたが、実が膨らんでくるのを待っていたら既に固くなっていて、枝豆風味は食べ損なってしまいました。

 今日は、すっかり「豆」となった2種、ツルマメ(大豆の原種)とヤブツルアズキ(小豆の原種)を比べて見てみましょう。

ツルマメ(蔓豆)の豆果 マメ科ダイズ属
2021.09.30
ツルマメP9303765.JPG

2021.10.02
ツルマメPA204093.JPG

 こうしてアップの写真を見たら、普通の枝豆のようですが、豆の鞘の長さは2pほどでミニチュア模型のようです。

2021.11.01
ツルマメPB014297.JPG
鞘を割って見たところ。豆は長さ2.5〜3.0oほど。

ツルマメPB014299.JPG
中の豆のアップ。真っ黒に見えましたが、斑模様でした。 

今の黒豆(黒大豆)との比較(黒大豆はお茶用に煎ったもの)
ツルマメPB014298.JPG

 ツルマメを観察していた時には、
『昔の人はこんな小さな豆を集めて食べていたのかな』
『今の大豆の大きさにするにはどれ程の年月がかかったのだろう』
などと思っていたのですが、つい先日NHKのBSプレミアムの番組で、縄文土器の窪みに嵌まっていた豆のが空けた孔の大きさをシリコンで象ってみたら、現代の大豆とほぼ同じ大きさだったと知りビックリしました。
おそるべし、縄文人!

ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)の豆果
2021,09.30
ヤブツルアズキP9303764.JPG

 豆果の鞘の長さは8pほど。

2021.10.02
ヤブツルアズキPA204085.JPG

 中の豆の形は今の小豆と同じ様ですが、豆の大きさは4oほど。光の加減で幾らか赤身を帯びているようにも思えます。

ヤブツルアズキPA204090.JPG

 アップにして見ると、こちらも斑模様です。

ヤブツルアズキ(左)ツルマメ(右)の豆果の比較
2021.11.01
ヤブツルアズキとツルマメPB014302.JPG

 小豆、大豆、という名前の通り、今では大豆の方が大きいですが、原種をくらべてみると、小豆の方が少し大きいのが意外でした。大豆のポテンシャルの方が大きかったのですね。

 本日、趣味の園芸家ことプロの瓜亀仙人さんに豆播きのアドバイスを頂いたので、半分は採り播き、半分は来春に播くことにしました。

 さて、来年は自分で育てて遠慮無く収穫出来そうなので、枝豆と小豆の味見が楽しみ・・・なんて、正に取らぬ狸の皮算用ですね。


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posted by 山桜 at 20:34| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
流石に研究者さんですよね。
昔から小豆も大豆もあったのですね。

それにしても、種が保存されていることに驚きました。

Posted by じゅんぺい at 2021年11月02日 17:39
大昔より延々と大豆・小豆など日本人の大事なたんぱく源だったのですね。保存種で収穫が出来れば古代ハスを咲かせたようなお手柄かもしれません。
ご成功をお祈りいたします。
Posted by へこきあねさ at 2021年11月02日 20:12
◆じゅんぺいさんへ

 どう言ったら良いのか上手く言えませんが、大豆、小豆と言える物は、古の人々の苦労によって改良に改良を重ねて出来た作物の名前。

 ツルマメ、ヤブツルアズキは、野にそのまま残って今に至る原種です。人が何も手を加えずとも、生き残る戦術を立派に持っていたと言うことですね。

 彼らにとっては、豆が小さくったって生き残れればそれで良かったのですから。
Posted by 山桜 at 2021年11月03日 15:24
◆へこきあねささんへ

 すみません、書き方が悪くて誤解を招いてしまったようですが、ツルマメもヤブツルアズキも決して特別に保存していた種ではなく、今も普通に野原で生き続けている野生種です。

 ただ、私が見つけたエリアが都立公園の中なので、おおっぴらに採集は出来ないという訳です。まぁ、私が採集せずとも草刈りで一網打尽になったエリアもあるので、一応救出したとも言えるでしょうか・・・。
Posted by 山桜 at 2021年11月03日 15:29
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