下見で歩いたときとは逆の方向に歩き、『あれ、ここ通ったかな?』と不安になったり、気付かなかったものをみつけたりしながら、一人歩きを楽しみました。程なく右手に見えてきたのは、
曹洞宗・朝遊山 宗関寺(ちょうゆうさん そうかんじ)
平安時代の僧・妙行が修行していると、牛頭天王(ごずてんのう)が8人の王子(これが八王子の地名の起源)を連れて現れ『この地に留まり修行を行えば、我はそなたの法を護ろう』と告げた。妙行は牛頭天王を祀り「八王子権現」と称し、蓮華院として庵を結んだことがこの寺の始まり。
北条氏照の百回忌法要を機に中山信治氏により「北条氏照及び家臣墓」が建立され、「霊気満山 高尾山 〜人々の祈りが紡ぐ桑都物語〜」を構成する29件の文化財のひとつとして、日本文化遺産に認定されています。消失前の元の庵は「北条氏照の墓」がある辺りに建っていたそうです。現在の場所は、八王子城家老 横地監物の屋敷跡だそうです。
名前が分からない稲荷神社
このおいなりさんに足を止めたのは、境内に生えていた2種類の赤い実を成らせていた木が気になったからです。手前の木は、近くで見ることが出来たので、モチノキだと分かりました。
モチノキ(黐の木)モチノキ科モチノキ属
その奥に高く聳えた木が何なのか気になり・・・
帰宅後に家で拡大してみると、粒々が集まったちょっと気味の悪い実、まるであのアフリカ産のジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵塊のような姿が浮かんできてギョッとしました。常緑樹で粒々の実がなるなんてイチゴノキしか思い浮かびませんでしたが、それは低木です。常緑樹の高木でこんな木の実がなるのは、ナンダロウ・・・??
葉の図鑑には実が載っていないし、赤い実で調べても同じ様な実は載っていない。寺社に植えられているような木を考えて片端から調べてやっと分かったのは、なんと例の葉の裏に文字が書ける「郵便の木」タラヨウでした。上の写真の一部を最大に拡大したものでピントがウルウルですが、実の形はお分かり頂けますね。
タラヨウ(多羅葉)モチノキ科モチノキ属
タラヨウの葉は良く知っていたものの、こんな実がなるとはちっとも知りませんでした。常緑樹は四季の変化に乏しいような印象ながら、いつの間にか、こうして劇的な結実期を迎えていたのですね。今まで余り関心を抱いて来なかったことを反省しました。
さて次は、先日の高尾山でも見かけた春の美味しい山菜として有名な・・・
ウド(独活)ウコギ科タラノキ属
の秋の姿です。「独活の大木」と言われるとおり、背ばかり高くなって食べることも出来ず役に立たないものの象徴ですが、
こうしてちゃんとウコギ科らしい、ヤツデにも似た花を咲かせ、実は黒く熟していました。
さて、実と言えば、木の実は何でしょう? そう、ヤマボウシの実に似ていますよね、でも実はゴルフボールほどの大きさなので、ビックリ!
常緑ヤマボウシ 実 ミズキ科ミズキ属 中国原産
「美し郷カフェ」の入口にさりげなく拾い集めてありました。ご主人のおもてなしの心、見逃したくないものです。(つづく)
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大丈夫でしたか。
私は木を削るのが好きなので、もっと知りたいと思いながら、全くもってサボってばかりで、もっと外に出ないといけないなあと、反省です。
高尾山界隈に熊が出たという情報は数年に一度程あるようですが、襲われたとか人と直接遭遇したことは未だ無いようですのでご安心下さい。鹿は近づいて来ているようで、貴重な植物を荒らされないよう、気を付けています。
熊よりも悲劇の落城で多数の犠牲者が出ている為か、心霊スポットと言う人もいますので、そちらに用心かも。
木彫がお好きでしたら、美し郷のお家の中に面白い木彫りが色々ありましたよ。「心源院古道ハイキング・下見」の記事の中に一つだけ紹介しています。
「美し郷」のお庭は、続きの記事でご紹介しますね。茶庭やいわゆる日本庭園とはひと味違う和風創作庭園でしょうか。