2022年04月01日

狭山湖西縦断(その3)

件のゲートのドアを開け、きちんと閉め(ここ大事)、ちょっと秘密めいた道に踏み入ります。知っている人しか入らない道でしょう。と言っても、綺麗に手入れされた広々と明るい道で怖いことは全くなく、もう少しワイルドな道を想像していたので拍子抜けでした。

 それでも森の真ん中をざっくりと切り取って開いた道は、「十戒」の中で海が真っ二つに割れて出来た道のようで、両側がフェンスなのが残念ですけれど、内緒でそっと森の中に忍び込んだ気持になりました。何より鳥の声が素晴らしい。人を意識していない伸び伸びした賑やかさでした。

 さて、まるで門番のように入って直ぐに出迎えてくれたのは、

2022.03.30
マルバスミレ(丸葉菫)スミレ科
マルバスミレP3306463.JPG
ケナシマルバスミレと違って、ちゃんと全体に微毛を帯びています。

狭山湖に注ぐのであろう湧き水の流れを随所で横切ります。
小川P3306348.JPG

ウバユリ の艶々の葉が沢山生えてきていました。赤い斑入りのあるものと無いもの。
ウバユリP3306354.JPG

ニリンソウ キンポウゲ科 が初々しく咲き始めていました。
ニリンソウP3306361.JPG

小川 と その上に掛かる「縄竹橋」
小川小P3306365.JPG 縄竹橋小P3306364.JPG

モミジイチゴ バラ科
モミジイチゴP3306375.JPG

モミジイチゴ    ハリギリ ウコギ科
モミジイチゴ小P3306320.JPG ハリギリ小P3306380.JPG

 モミジイチゴが斜面から降り注ぐように揺れていました。これだけの花に実がなったら、動物たちも大喜びでしょう。

ミヤマカタバミ カタバミ科
ミヤマカタバミ小P3306393.JPG ミヤマカタバミ小P3306394.JPG
道の脇でミヤマカタバミをみつけ、近寄ってみれば、その向こうのフェンスの中は見事な群生地でした。

ヤマザクラ バラ科
ヤマザクラP3306395.JPG

 自然の中に咲く山桜に逢いに出掛けた甲斐があり、随所で浴びるほどに山桜の花を眺めることができ幸せでした。一年分の山桜エネルギーを充電できました。ありがたいことです。

 反対側のゲートをくぐり、狭山湖外周道に出て、バス停がある「かたくりの湯」方面に向かって歩きます。

ヤブツバキ(藪椿) ツバキ科
ヤブツバキ小P3306398.JPG ヤブツバキ小P3306399.JPG

 見上げる程大きな藪椿が、溢れんばかりに真っ赤な花を文字通り「咲こぼして」道を赤く染めていました。

ニワトコ レンプクソウ科 に赤い花!?
ニワトコヤブツバキP3306400.JPG
「えっ、何が!?」とギョッとしましたが、近づいて見れば・・・これだけ沢山散っていたら、もう一度木に咲かせてみようと思う気持も分かります。

エイザンスミレ(叡山菫)スミレ科
エイザンスミレP3306403.JPG

エイザンスミレP3306414.JPG

エイザンスミレP3306406.JPG

 薄ピンク色のエイザンスミレが、もう、森の斜面中に数え切れない程咲いていて、変な格好をしながらどれだけ写真をとったことか。その割に思うような色の出た写真が撮れておらず、残念。沢山歩いて、疲れが出てきていたのかなぁ

休憩テラス
休憩テラスP3306419.JPG
開けた場所に気持の良い休憩テラスがありました。休んだら歩けなくなるので、ぐっと我慢して素通り。

六地蔵
六地蔵P3306426.JPG

 何となくひんやりとした静けさを感じて気になり、後で調べてみると、赤痢で亡くなった方々を荼毘に付した場所なのだそうです。その供養の為の地蔵塔で、三面に二地蔵ずつ彫られています。いつの時代でも伝染病は恐ろしいものです。いつかコロナ禍の犠牲者供養塔も建つのでしょうか。

ヤマブキ(山吹)バラ科   「あそびの森」
ヤマブキ小P3306450.JPG 遊びの森P3306449.JPG

「遊びの森」の看板の傍に山吹の蕾が膨らんでいました。アスレチックの遊具などを沢山作られていて、子供達の楽しそうな声が響いていました。

ナノハナ(西洋カラシナ系)
ナノハナP3306434.JPG

 森を抜け、アスファルトの道に出た所の駐車場の傍に咲いていた菜の花は、朝、畑で見た西洋アブラナ系とは違う、西洋カラシナ系の菜の花でした。西洋アブラナ系は、茎を抱く葉で全体に白い粉を吹いたような感じ。西洋カラシナ系は、茎を抱かない葉、艶のある葉です。

「かたくりの湯」でカタクリの花が見られるかなと思っていましたが、辺りにそのような気配はなく、探す元気も残っておらずでした。もっと中の公園の方に群生地があったようで、下調べしていないとこういうことに。その代り、最後にまた可愛いスミレに会えました。

ヒメスミレ(姫菫)
ヒメスミレP3306437.JPG

 森ではなく、人家の近くの道路や石垣や墓石の隙間などに良く生えているスミレです。その為、帰化植物ではないかとも言われています。

 「カタクリの湯」でバスの時刻表を見ると30分程待つようなので、もっと本数が多いであろう青梅街道の「横田」まで歩いて出ることにしました。バス停には幾つかの行き先と別の種類のバス会社があり、きちんと下調べもせずに出てきたので、迷っている内に目の前にバスが止まり、前側の行き先を確認していると、後ろ乗車口だったようで、乗る気がないと見做されたかあっという間に出発してしまいました。見送りながら行き先をみれば、正にそれは乗るべきバスでした・・・。

 次のバスはまた30分程後。黙って立っていると膝が痛くなり歩けなくなるので、仕方なく次のバス停、またその次のバス停と歩いている内に5つも先のバス停まで歩いても未だバスが来ず、また乗り逃しては哀しいので、泣く泣くそのバス停でかかとの上げ下げ等をしながら待ちました。

 結局、時刻表より10分遅れでバスは到着。途中で乗り継ぐ予定だったので、10分遅れだとギリギリで焦りました。その後もまた、恥ずかしい失敗をしつつ、何とか次の行き先のバスに乗り継ぐことが出来、無事に家に辿り着けました。

 思い立ってふらりと出掛けた散歩は思わぬ長距離(約11km、5時間)となりましたが、こういう行き当たりばったりの旅?は久し振りで、それが出来た自分の膝にちょっぴり自信が持てた日となりました。


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posted by 山桜 at 23:14| Comment(4) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。今年初のコメントです。
いつも拝見して、励まされています。感謝。
私は、個人的理由なのか、社会変動の故なのか、
(否、両方の故でしょうか)不調を訴えたい毎日
ですよ。でも、皆そうなのだろうなあ。
私は植物には全く疎いので、拝見すると、新しい
ことばかりで、いつも頭の中はパンクです(笑)。
でも、楽しいですし、写真もいいし、ここでは
本当に落ち着きます。
一方、自分の処では、目一杯、虚勢を張ってやって
いるようで、何だかナア、です(苦笑)。
多摩湖・狭山湖周辺、ゆっくり歩いてみたいです。
ちょっと西になりますが、車では阿豆佐味天神社
に何度かお参りに行きましたよ。
くれぐれも無理なされぬように、願います。
Posted by tamon at 2022年04月07日 20:23
◆tamonさんへ
 私も同様、不調を数え上げれば幾つも指が折れます。昨日はまた閃輝暗点が30分以上続くのが繰り返し出て、ギザギザの龍がどんどん大きく育って目をつぶっても逃げられないので、本当に滅入りました。脳MRIも撮って診て頂き、異常なしと言われたものの、異常あるから見えるのではと落ち込みます。

 それでも、さっと春の野山に出れば、何もかも忘れて天地に遊ぶことが出来、そんな所に住めていて幸せなことです。

 多聞さんの頭をパンクさせてしまい、ごめんなさい。いやもう、春それ自体が膨れ上がってパンクしているので、どうかお許しを。

 阿豆佐味天神社は、以前からとても気になっているのですが、未だご縁がないままでいます。多聞さんがここに書いて下さったことがご縁でしょうから、きっと近々行けるような気がします。ありがとうございます。 
Posted by 山桜 at 2022年04月08日 17:38
毎夕、二度の勤めからの帰宅後、筍掘りの毎日です。
本当は朝堀が良いのでしょうが、朝ドラをBSと地デジの2度見てからの出勤だったので、それは無理でした。 
朝ドラ、終わってしまいましたよね。
私もこれから英語勉強しようかなぁ〜
何故か「バラ科」という言葉に反応してしまいます。
何故でしょう??? 
Posted by 瓜亀仙人 at 2022年04月08日 19:24
◆瓜亀仙人さんへ
 朝ドラのことも書きたいこと山盛りです。最終回伏線回収多くて、2回見ても未だ足りない気持、明日、一週間分纏めて放送をもう一度楽しみたいです。ラジオ講座続かない人なので、続けるコツを教えて欲しかったです。

 「バラ科」は、トキメキますよね。花は綺麗で実も美味しいものが多いからでしょうか?今、ビワの葉茶を愛飲していますが、これもバラ科で綺麗なピンク色のお茶になります。本当は草木染めに使おうと買ったのに、効能を読んだら勿体なくて飲み始めました(^^;)
Posted by 山桜 at 2022年04月08日 21:50
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