2022年07月14日

'22 尾瀬 鳩待峠〜山ノ鼻


自然観察ランキング

 数日前まで雨マーク一色でしたが、予報に反して夜行バス4:10戸倉到着時から活動時間はほぼ雨は降らず、時折晴れ間も覗く天気に恵まれました。戸倉からは少し歩いて無公害ミニバスに乗換え鳩待峠へ向かいます。

 噂に違わぬ尾瀬の豊かさに初めから歩みは止まってばかり、鳩待峠〜山ノ鼻までコースタイム1時間の処、2時間近くを観察に要しました。下見組の3名共に、二日間でカメラが電池切れになる程の写真を撮ってしまいました💦

 鳩待峠〜山ノ鼻の登り(コースタイム1時間)は、尾瀬へのアプローチとして殆どの人は足早に通り過ぎてしまいますが、湿原に行ってしまったら見ることが出来ない植物も多数あります。勿論、混み合っているときには立ち止まることは出来ませんが、若し、他に人の居ない時でしたら、宝物をみつけながら、ゆったりと歩くのも楽しいものです。

鳩待峠 鳩待山荘前      道標
尾瀬1 鳩待山荘DSC_1640 (002).JPG 尾瀬3 鳩待峠道標s HORIZON_0001_BURST20220712055042524_COVER (002).JPG

尾瀬 看板          靴底の土をよく落とし、出発!
尾瀬2 看板DSC_1641 (002).JPG 尾瀬4 出発sDSC_1642 (002).JPG

オオバタケシマラン
尾瀬 オオバタケシマランs P7129591 (2).JPG 尾瀬 オオバタケシマランs P7129592 (2).JPG
葉の裏に果実がぶら下がっていました。この果柄(花が咲いていたときは花柄)がクルリと捻れているのがオオバタケシマランの特徴とマサさんに習いました。(竹縞蘭は捻れない)

カニコウモリ        白花エンレイソウ(深山延齢草)
尾瀬 カニコウモリs P7129593.JPG 尾瀬 シロバナエンレイソウs P7129609.JPG
カニコウモリとヨブスマソウの違いがあやふやだった山桜、今回の尾瀬でマサさんにしっかり教えて貰いました。それにしても、葉の形は、蟹なのか蝙蝠なのか?? ヨブスマソウは後程登場します。

シロバナエンレイソウは、果実だけではシロバナとわかりませんが、全体的に大きいことと、白い内花被片は消えて緑色の外花被片が残っていることでシロバナだろうと類推。エンレイソウには臙脂色の外花被片だけで、内花被片は普通はありません。

トチバニンジン        ヤマトユキザサ
尾瀬 トチバニンジンs P7129612.JPG 尾瀬 ヤマトユキザサs P7129614 (2).JPG
トチバニンジンは、栃の木の葉にそっくりで、根は朝鮮人参のように生薬とされるのでこの名があります。

ユキザサには、ヒロハユキザサ、ヤマトユキザサ、ユキザサの三種類があるそうです。違いは本番で聞いて下さいね。

ミヤマガマズミ
尾瀬 ミヤマガマズミ P7129613 (2).JPG
里山で良く見る葉がザラつくガマズミと違い、葉に光沢があり殆ど無毛。よく観ると葉などになどに長い絹毛が生えているとのこと、未確認。

似ている木に「オオカメノキ(ムシカリ)」がありますが、葉が余り尖らず丸く大きく無骨で基部がハート型に深く湾入、実もガッチリとして小豆粒くらいの大きさです。ごめんなさい、何故か写真を1枚も撮っていませんでした。

ゴゼンタチバナ        オニシモツケ
尾瀬 ゴゼンタチバナs P7129627.JPG 尾瀬 オオシモツケs P7129635.JPG
ゴゼンタチバナは、花が着く株では一番上の葉が6枚着くそうです。

シモツケソウの花はピンクですが、オ二シモツケの花は白、托葉は耳状で茎を抱きます。

ヤグルマソウ
尾瀬 ヤグルマソウ P7129634 (2).JPG
葉が鯉のぼりの一番上で回っている矢車に似ています。花が矢車に似ているのは、外来種のヤグルマギクですが、園芸店の名札が時々間違っているのを見かけます。

モミジカラマツ        ミヤマカラマツ
尾瀬 モミジカラマツ P7129637.JPG 尾瀬 ミヤマカラマツs P7129661 (2).JPG
カラマツソウの仲間の花は、唐松の短枝に着く傘状の葉に似ています。カラマツソウ、ミヤマカラマツ、モミジカラマツは葉の形と托葉の有無が決め手です。見比べてみて下さい。

「尾瀬のET」
尾瀬 ET P7129649 (2).JPG
どうしてこのような複雑な形に育ったのでしょう? 尾瀬の四季の自然の変化を知れば答えが分ります。

熊鈴を鳴らすマサさん     熊が実を食べた後の水芭蕉
尾瀬 熊鈴s P7129651.JPG 尾瀬 熊食後s P7129652.JPG
右のような熊の食痕が見られるように、熊は尾瀬の住人です。私たちは旅人。熊の住処にお邪魔していることを忘れないように。

     トリカブト        コバイケイソウ
尾瀬 トリカブト コバイケイソウ P7129655.JPG
鹿が食べずに増えている毒草のそろい踏み

ヤマオダマキ         ナツノタムラソウ
尾瀬 ヤマオダマキ P7129657 (2).JPG 尾瀬 ナツノタムラソウs P7129656.JPG

オオレイジンソウ
尾瀬 オオレイジンソウ P7129658 (2).JPG

ズダヤクシュ         何岩
尾瀬 ズダヤクシュs P7129638 (2).JPG尾瀬 蛙?岩s P7129660.JPG

山ノ鼻ビジターセンター前   イワツバメの巣
尾瀬 山ノ鼻BCs P7129676.JPG 尾瀬 イワツバメの巣s P7129675 (2).JPG
イワツバメの巣は「お椀型」です。

オニノヤガラ(鬼の矢柄)
尾瀬 オニノヤガラ P7129668.JPG

クルマバツクバネソウ     ヨブスマソウ(夜衾草)
尾瀬 クルマバツクバネソウs P7129669.JPG 尾瀬 ヨブスマソウs P7129672 (2).JPG
ツクバネソウの輪生葉は4枚、クルマバツクバネソウは6〜8枚。
ヨブスマソウの夜衾とは「ムササビ」のことで、葉の形を夜空を飛ぶムササビに擬えたものです。カニコウモリが大きくても草丈1m程なのに対し、2m近くまで達します。葉柄に幅のある翼があるのが特徴です。葉の形を見る為に未だ丈の小さな個体を上から撮りました。

オオウバユリ         オオアマドコロ
尾瀬 オオウバユリs P7129664.JPG 尾瀬 オオアマドコロs P7129673.JPG

マユミ            ノアザミ
尾瀬 マユミs P7129665.JPG 尾瀬 ノアザミs P7129667.JPG

山ノ鼻十二山神の石碑     この日最初のニッコウキスゲ
尾瀬 山ノ鼻十二山神s P7129679.JPG 尾瀬 ニッコウキスゲs P7129677.JPG
山ノ鼻ビジターセンターの記載によれば、山ノ鼻十二山神さまは、みなさんの暮らす街に行って、田畑の神様になったり、安産の神様になったり、山に来て、山の仕事をする人々や登山者の方の安全を守ったりしてくれているそうです。お祀りの日は9月12日、これは山桜にとっても大事な日です。それでこの神様に「こっちこっち」と呼ばれたのかもしれません。 

ヒオウギアヤメの群落
尾瀬 ヒオウギアヤメ P7129678.JPG
花の美しさに目を奪われがちですが、名前の由来である「檜扇型」の葉の形にも目を向けてみて下さい。

山ノ鼻ビジタセンター前を出発し、研究見本園へ向かうと、目の前に至仏山が顔を出して迎えてくれました。

湿原の向こうに聳える至仏山
尾瀬5 山の鼻HORIZON_0001_BURST20220712083004792_COVER (002).JPG

(つづく)

 
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posted by 山桜 at 23:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
夏が来れば思い出す・・・
尾瀬ですかぁ〜 いいなぁ〜
私も行きましたよ!
水芭蕉が終わろうとしている頃でした。
また、違う季節に行きたいと思っています。
奈良からは、尾瀬、遠いんですよ・・・
Posted by 瓜亀仙人 at 2022年07月17日 17:17
◆瓜亀仙人さんへ
 私はスキーでは何度も近くまで行っていますが、尾瀬ヶ原や尾瀬沼は、ずっと人が多そうで敬遠していました。

 今回、尾瀬のガイドもされている山の会の先輩にお願いして、やっと連れて行って頂け、すっかり魅了されました。同じく、違う季節も行ってみたいです♪
Posted by 山桜 at 2022年07月19日 11:04
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