2022年08月28日

玉原 日本海要素 ヒロハノツリバナ



 FITの「低山はいかい(一泊)」で訪れた玉原は群馬県ですが、雪質の良いスキー場としても有名な多雪地帯で、所謂「日本海要素植物」を見ることが出来ました。

 日本海要素植物とは、多雪条件に適応したり、多雪条件に守られて古い植物が遺存するなど、日本海側気候の影響を強く受けた植物群のことで、次のような特徴を持ちます。

1.常緑樹群の低木化
  茎や枝がしなやかで、積雪の重み(雪圧)に対し、
  低木化・ほふく型化して適応。
  ヤブツバキ→ユキツバキ、アオキ→ヒメアオキ
  カヤ→チャボガヤ、イヌガヤ→ハイイヌガヤ
  イヌツゲ→ハイイヌツゲ、モチノキ→ヒメモチ

2. 葉の大型・広葉化・薄肉化
  日照量の不足に対する適応。
  ツリバナ→ヒロハノツリバナ/オオツリバナ、
  マンサク→マルバマンサク、スズタケ→チシマザサ
  クロモジ→オオバクロモジ、ゴマギ→マルバゴマギ

3. 固有属の遺存
  シラネアオイ、トガクシショウマ、オサバグサ の三種
  日本固有種の一属一種、現在は多雪地のブナ林に遺存。

 
 さて、玉原で最初に出会った日本海要素植物は、ヒロハノツリバナの4つの翼が付いた実。

ヒロハノツリバナ 2022.08.29
P8290568 (2)ヒロハノツリバナ.JPG
ツリバナの実は五裂して中の種も5つぶら下がりますが、ヒロハノツリバナは4つに分かれていました。この後どのように裂けるのか見てみたかった・・・。そして、この翼は多雪地帯でどのような役目をするのでしょう?

果実の形が面白くて、そればかり撮って肝心の葉を撮っておらず「広葉」なのか確認できず面目ない。

ヒロハノツリバナ と オオバツリバナ
P8280385 (2) ヒロハツリバナs.JPG P8290556 (2) ツリバナ?s.JPG
オオバツリバナの実には裂け目にそって稜があると記されていましたが、この状態では良く分りませんでした。分布的には、オオバツリバナかなと思いましたが、エゾツリバナの可能性もあります。

オオツリバナ? エゾツリバナ
P8290555 ツリバナ?.JPG
葉っぱがツリバナに比べて大きいと言えば大きい? 裂け目に稜はないですね。


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posted by 山桜 at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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