2024年04月16日

客人/まろうど神社(栃木)

ご訪問ありがとうございます

客人(まろうど)神社 入口
PB091764 客人神社入口m.jpg

鳥居左の建物の中の庚申塔など
P3214154 客人神社内の庚申塔m.jpg

客人神社 鳥居と階段
PB091765 客人神社 鳥居m.jpg

PB091766 客人神社への階段m.JPG

PB091767 客人神社 振り返るm.jpg

PB091769 客人神社m.JPG

P3214155 客人神社m.jpg

客人(まろうど)=稀人(まれひと)「稀なる来訪者」。 
いかなるご縁か異国(常世/とこよ、隔世/かくりよ、祖先霊の住み賜う国)からこの地にやって来た客人は、悪霊悪疫から土地を守って下さる「神」として崇める信仰が芽生えた。お盆の行事もこの信仰との結びつきが考えられると言う。

*「まれびと」の称は1929(昭和4年)、民俗学者 折口信夫が提示。「客人」を「まれびと」と訓み、本来、神と同義語であり、その神は常世の国から来訪することなどを現存する民間伝承や記紀の記述から推定した。沖縄におけるフィールド・ワークが、まれびと概念の発想の契機とされる。沖縄・奄美諸島での「ニライカナイ」も遠い海の彼方の楽土=常世の国。

さて、この神社の主祭神は、武御名方命/タケミナカタノカミ とされています。
タケミナカタノカミは、「建」御名方神の表記が多いのですが、こちらでは敢えて「武」を用いているのにも意味があるかもしれません。どちらにしても建御名方神は、日本神話の国譲り(天津神が国津神から葦原中国の国譲りを受ける説話)において、大国主命が国譲りの是非を委ねた事代主神が承諾した後も最後まで抵抗し、力比べをして諏訪の国まで投げ飛ばされ、諏訪神社に祀られた神様ですから、建や武の字を持たれるのも頷けます。

そう、主祭神が建御名方神(諏訪湖の龍神でもある所から水神、農業の神とされる)であれば「諏訪神社」である筈が、何故「客人神社」となっているのか。元は地主神が祀られていた場所に、建御名方神を勧請したので「客人神社」とされている訳でしょうか。

客人神社と言えば、昨年漸く初参りが叶った大宮の氷川神社の元宮とされるのが「門客人神社」。

大宮氷川神社境内図
P2203144 大宮氷川神社境内図m.jpg

門客人神社 本殿から向かって右に鎮座。
大宮氷川神社 門客人神社m.jpg

大宮氷川神社に氷川大神が勧請される前、この地には地主神「アラハバキ神」が祀られていました。(現在のご祭神は、八岐大蛇退治後、須佐之男命の妻となったクシナダヒメのご両親アシナヅチ・テナヅチ神。)

門客人神社が、氷川神社の中でも重要で、こちらにお参りしないと御利益半減となるとまで言われているのは、こちらこそが「元宮」だからなのでしょう。

それでは、大平町の客人神社に元々祀られていた神様はどなたなのか。先ずは、門氷川神社と同様にアラハバキ神として考えてみます。アラハバキ神は謎の多い神様で、縄文ブームの流れでは、あの「遮光器土偶」に擬えられたこともあり、また一本足、大蛇、大木等のお姿とも言われ、様々な考察があります。確か、「蛇」や「扇」の吉野裕子先生も考察されていますので、読み直してみたい。

河國一之宮砥鹿神社の社伝には、「アラハバキ神とはオオナムチノミコト(大国主命の異名)の荒魂(あらみたま)である」とあります。客人神社から更に登った山上の太平山神社の現在のご祭神は、

瓊瓊杵尊/ニニギノミコト、
天照大御神/アマテラスオオミカミ
豊受姫大神/トヨウケヒメノオオカミ

の三柱の神様ですが、第十一代垂仁天皇の御代に、

大物主神/オオモノヌシノカミ
天目一大神/アメノマヒトツノオオカミ

の神様が鎮座されたことが始まりとされています。今、こちらの二柱の神様は、太平山神社奥宮に祀られています。
大物主神とは、奈良の大神神社/オオミワ神社の御祭神で、こちらも大国主命の異名という説もあります。この辺りは、大和の元酒徒善人、瓜亀仙人さんに教えて頂きたい所です。

そして、天目一大神、こちらが今、とても気になる存在で、ついつい考えてしまうのですが、
「一つ目、一本足の神様」
というお姿は、出雲の製鉄の民(片目で火を見、片足で蹈鞴を踏む)に関わり、引いては、台風の姿(台風の目は一つで一本足)とも重なる様で荒々しいご神威を感じます。製鉄の神ということから、剣や武の神ともされています。

また、これは、私の個人的な思いですが、一つ目で一本足で鉄製となると「針」を連想してしまいます。針といえば、毎夜娘の元に忍んで通う神の正体(実は大物主神)を確かめるために神の衣に糸を通した針を刺しておいた所、糸は鍵穴を抜けて三室山まで続いていた・・・残りの糸が僅かに三巻だったので「三輪山」となったという伝えがあります。(後の三輪素麺にも繋がる)

そうだとそれば、大物主神と天目一大神が共に祀られていることにも縁(えにし)を感じてしまうのです。

少し話が逸れてしまったようですが・・・いつものことで(。。;) 太平山神社奥宮に今も祀られている大物主神と天目一大神が、麓の客人神社で嘗て祀られていたアラハバキ神のまたのお姿であったとしてもおかしくない、今はそう感じています。しかし、その辺りのことは、神社の由来にも何も書かれていないのは、敢えてなのでしょうか。

「鍵穴」と言えば、前方後円墳の形は鍵穴ですよね。過去への扉の鍵のように思えて来ました。太平山から眺めた「陸の松島」の中には、古墳としか思えないような小山もありました。久し振りに妄想の世界に浸れたのも、太平山・晃石山へ詣でたお蔭、神様に呼んで頂けたのかもしれません。

下山してから、この立て札に出会いました。やはり・・・しかも将門さま! ご縁です。
P3214230 古墳立て札s.JPG

「天地(あめつち)に遊ぶ」は、こうした考察を広げる場でもあったこと、懐かしく思い出しました。


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posted by 山桜 at 20:03| Comment(8) | TrackBack(0) | 神社・仏閣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まず、神社の名前に興味がわきました。
次に写真を見ていくと、竹の葉が落ちる季節、誰が神社の階段の清掃をしておられるのか気になりました。ここ連日、竹藪の斜面で筍堀をしていると、竹の落ち葉に長靴が滑ってしまうのです。
Posted by 瓜亀仙人 at 2024年04月17日 19:06
◆瓜亀仙人さんへ

 マロウドなんて、ちょっと日本語では無いような響きに浪漫もありでしょうか。

 長い階段でしたが、下下見も含めて3回とも綺麗にお掃除されていました。氏子さん方なのでしょうか、とても大切にされているようです。

 今年も筍掘りの季節ですね。またハエさんが集まって・・・?
Posted by 山桜 at 2024年04月18日 11:14
こんにちは
アラ、私は16日大宮の氷川神社へお参りに行っていました。但し、家人がお疲れだったのでご本殿に手を合わせただけで帰ってきました。残念。
客人神社も趣あって有難いです。
この記事、とってもためになり、又私の心の奥の何かを呼び覚ませてくれました。ありがとうございます。
我が家では、パソコンが正月明けに故障。4月になってやっと余裕が出来て、修理に出し復活出来ました。漸く、人様へコメントできる状態になってこれましたよ(^^♪
Posted by 多聞 at 2024年04月21日 15:33
ところで、「三河國一之宮砥鹿神社」の三が抜けてしまいましたね。
追加後、このメールは削除ください。
それと要望ですが、このお宮さんどこにあるのかな?と読み返して、表題に”栃木”とあるのを見付けましたが、何県何市と書いて頂けると有難いです。山の場合も。
好き勝手なお願いですみません。
Posted by 多聞 at 2024年04月21日 15:36
◆多聞さんへ

 こんばんは。ちょっとお疲れモードだったのですが、多聞さんのコメントで生き返りました♪

 ご興味を持ってくださり、ありがとうございます。実は私もこの神域に踏み込み、忘れかけていた何かが呼び起こされた気持でいます。

 栃木県、大平町、客人神社で検索するとヒットするかと思います。すみません、植物関係で余り場所を特定されたくなくて・・・

 三河國の三が欠けてましたね。ありがとうございます(^^) そう「三」は私のラッキーナンバーというか思いを巡らすキーナンバーなことも思い出しました!
Posted by 山桜 at 2024年04月22日 01:26
◆多聞さんへ

 ハイキングの方のレポをこちらに載せてなかったので、余計分かりづらかったですね。ハイキング・ブログから転載しておきましょう。
Posted by 山桜 at 2024年04月22日 01:29
(^^)/
そうか、動植物関係は場所を特定されないように、とよく理解しました。
どの世界も不心得者がいますからねえ。気が付きませんでした。
ハイキング・ブログもやられているのですか。いいですね。
Posted by 多聞 at 2024年04月29日 22:13
◆多聞さんへ

 写真も位置が分からないようにしているのですが、プロの目は恐いです。栽培愛好家ではなく、売れてお金になれば、後は枯れようがどうでも良いという輩もいますので・・・

 こちらがメイン・ブログなのですが、余りにもテーマがとっちらかっていて、ハイキング関係の方をお呼びするのは気が引けて、別途ハイキング・ブログを立ち上げましたけれど、とても2つの更新が追いつきません。
Posted by 山桜 at 2024年04月30日 21:16
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