


ツルアリドオシ 蔓蟻通し アカネ科ツルアリドオシ属
Mitchella undulata Sieb. et Zucc.
2024.07.22 薬師岳

山地の林床に生える這性の常緑多年草。
葉は深緑、無毛、対生、縁はやや波打つ。葉身1〜1.5cm
(似た雰囲気の這性ハイイヌツゲは互生。)
林床の半日影を好むようだが、花は日照時間が長めであろう稜線に多かった。
2024.07.22 薬師岳
花は頂部に双生、その2つの花の子房が合着している。

花冠の高さ約1.5cm、普通4裂。
2024.06.08 青梅 3裂のものもあった。
上の花は4裂なのに下の花は5裂。双子で同じ性質でもないのか。

雄しべは4つ、雌しべは1つで先が4裂している、また異形花柱性(短花柱花と長花柱花がある)とのことだが、ピンボケで確認できず。来年会えたら再挑戦!
内側にはモフモフ毛が生えているが、上の様に咲き始めは目立たず、大きさは違えど同じアカネ科のイナモリソウにも似ていた。
ツルリンドウと似たような場所を好むよう(半日影で数時間は日照がある)

左下のツルアリドオシの蕾が2つの花の子房の合着がよく見えている。
二つの花の子房が合着していた証拠は、赤く熟した果実に2つの穴として残っている。


この果実の中がどうなっているか知りたいですよね! 次に採集可能な場所でみつけたら、分解してみたい。勿論、種子はその場にて散布。
そうそう、這わない方のアリドオシは、同じアカネ科の常緑低木で葉の基部に鋭く長いトゲを持つ。このトゲが蟻をも突き刺すようというのが名前の由来。
「千両、万両、有り通し」と言って、この3種を揃えて植えるとお金に困らないという縁起ものだが、アリドオシは庭木には危険過ぎなのでは・・・。ツルアリドオシにはトゲがないので良さそうだが、蟻を突き刺さす程のトゲがないとその効力がないだろうか。


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七曲りの穴のある玉に糸を通すように言われた人が、蟻を使って通したと伝わっていました。
その伝説が植物名に???
おお、貴重な情報、ありがとうございます!
アリをトゲで突き刺すのではなく、アリを使って複雑な穴に糸を通された知恵の神様をお祀りする神社があるのですね。
この2つ穴のある赤い玉をその「七曲りの玉」に見立てたのかもしれませんね。昔の人の観察眼と想像力、敬服します。
すみません(。。;)ツルアリドオシの果実は二つくっついているので穴が二つですが、アリドオシは別々なので穴は一つでした。
音には言霊が籠もっている筈なので、何かしら関係がありそうなのですが・・・いつか気付きが降ってくる日を待ちますね。