と昼前、父からの電話。 ほどなく何やら大きな荷物を抱えた両親が、思わせぶりな笑顔を含んでやって来た。
ゴソゴソと父が包みから出してきたのは、大きなタラバガニ!
「蟹を見たらさ、お前の顔が浮かんだから…」
(茹でられて、私が脚を食べてしまった後のタラバガニです。
右下二本の脚は殻だけに・・・すみません^^;)
デパートの北海道物産展で、数量限定のこのタラバガニを得るために朝からで並んで買って来てくれたのだと言う。
「どうしよう、こんな大きな蟹、茹でるお鍋がない・・・」
嬉しいのに、驚きと戸惑いでどこか迷惑げに答える私、嫌な娘。
「そう言うと思って、ちゃんと持ってきたわよ」
今度は母が袋から大きな鍋セットを取り出した。
「活きてるの?」
「活きてるさ、蟹は死んだら価値がない」
そう、蟹は息絶えた瞬間から、どんどんあの特有の蟹臭さを発する。
私は子供の頃から蟹には目が無くて、ヒラツメガニのような小型な蟹の小さな関節の中もハサミの先までも見事に空っぽにして『○○の食べた後は猫も食べない』とまで言われる程、徹底的に黙々と食べ続けた。 その食べっぷりから「蟹娘」とも呼ばれていた。 けれど、少しでもあの臭いがしてきた蟹や、宜しくない冷凍解凍の蟹を食べると、決まってお腹を壊して痛い目にもあって来た。
(ヒラツメガニは、小さいけれどなかなか美味しい蟹です^^ 甲羅にH模様があるので、気の毒な呼び名もありますが…http://www.zukan-bouz.com/kani/gazami/hiratume.html )
「活きてる内に早く早く」
「沸騰してから15分でいい。 蒸しすぎるな」
父は台所の母に一刻も惜しいように指示を飛ばす。
「いつ見ても、ちょっと残酷よね…」
活きながら蒸し器に入れられる蟹に母と顔を見合わせながらナンマンダム…ほどなくして熱々のタラバガニが、私の目の前でもうもうとえもいわれぬ美味しそうな香りの湯気を上げていた。
「さぁ、早く食べなさい。 お前がどんなに喜ぶか、どんな顔をして食べるか、それが見たくて持ってきたんだから。」
「そんなこと言ったって、熱くて大変よ!」
そう言いながら、私は父の思いに応えようと、飛び切りの笑顔を見せようと思うのに、涙で顔が歪みそうで困った。 私は最近、そんなに両親に笑顔を見せてこなかったろうか…
「一番太い脚を食べなさいよ」
母がハサミでザクザクと二本の切れ込みを入れ、ほっこりとそのままの形で取り出してくれた蟹の身が、ふくふくと私を誘惑する。
「うわ〜っ、美味し〜〜い!!」
正真正銘美味しいものに、作り笑顔は要らなかった。
「そう、その顔が見たかったんだ!」
父母の満足そうな顔が、涙かな湯気かな・・・霞んで見える。
ありがとうお父さん、お母さん。
そうそう、色の黒い私は『笑顔で七難隠さなきゃ』でしたね。
ラベル:蟹
ご両親の薫陶が実って、こんなに素晴らしい女性になられたんですもの!
山桜さんも、充分に親孝行していらっしゃいますね。私も蟹食べたいガニ〜^^
今私の周りに幻臭が漂ってます
つい口の周りに手が・・・
湯気と心の温もりが伝わってきました
ヨォッシ今日も頑張れるありがとう
心温まるお話をありがとうございます。
お鍋持参ですか〜!素晴らしい!!!
わたしは子供を産んでから一時カニ・エビがアレルギーで食べられなくなったのですが
最近やっと、また食べられるようになりました。
こちらではズワイガニが主流です。
どちらにしてもカニは美味しいですね♪
別名「蟹娘」でしたか〜これから旅行で、お土産屋さんで蟹を見れば、
山桜さんの顔が浮かんできそうです。(笑)
私も蟹をもう食べられないというほど、一度食べたいのと。
オオトロの握りをこれまたもう食べられないというほど食べたいのが夢なんです。
どうも外面(づら)ばかり良くて、身内には甘えてしまい
無愛想になりがちです。 本当は家族にこそ、一番いい笑顔
を見せて生きるべきだと思いつつ、やっぱり外で頑張って
家ではぐた〜となってしまいます。 厳しかった両親が最近
とても優しくなってしまって、老いなのか私が心配かけてる
所為なのか…もっと幸せな私を見て貰う親孝行をしなくては!
私は当分蟹はいらんガニ〜 v(><)v
両親はこの後、もうその顔を見たから満足と言って、また
風のように去っていき、試合に行っていた娘はなんと試合会場に
近かった両親の家(私の実家)に泊まることとなり、主人も飲会で
遅く、こんなに大きな蟹を食べ放題ということに 煤i@@;)ノノ!
「大きな蟹を一人で食べ放題!」でそりゃぁもう美味しくて、
夢にまで見た幸せでしたけど…やはり一人で食べてもね〜
もう一つ盛り上がりませんでした〜 (^▽^;)
親になって知る親心…私もいつか娘に同じ様なことをして
しまいそうです。 親とは本当にありがたいものですね(゜―Å)
それぞれに持ち味が違いますが、一番美味しい蟹と言えば、
やはりズワイガニかもしれませんね〜 朝上がったばかりの
活きの良いズワイ蟹の浜茹をその日の内にお土産で戴いた時
の味が生涯で一番の忘れられない美味しさでした。
茹でたてよりも、冷める内にもう一度旨みが身に染み戻った
頃がまた美味しいのですよね〜 アレ、また蟹が食べたくなって
きたような〜(^∇^)>
伊勢海老の浜茹でをお腹一杯食べたことが今までで一番の
贅沢な思い出でしたが、今回もう一つ夢が叶いました〜
とは言え、タラバガニは「蟹」と名がついていますが、
「ヤドカリ」の仲間なので、身の質は海老と蟹の中間のような感じで、
こっくりとしており、また蟹とは体の作りが少々異なり、蟹の構造
は知り尽くしている「蟹娘」もタラバガニの解体には戸惑いました。
途中、チラっとエイリアンが頭を霞め食べられなくなり、慌てて
イメージを打ち消しましたよ〜 当分タラバはいいかな〜
私はすっかり枯れて、大トロも2,3切れが限度かな…。
養殖もののトロはもう脂っぽくって降参です。 養殖ものはみんな
外国の方に譲りますから、天然物は是非日本にお願いします〜
蟹って、自分でなかなか買わないですよ。
「もう〜いい〜」って、叫ぶくらい食べてみたいですわ^^
今の自分の立場が、親でありそしてまだまだ子供でもいたいなんて思う中年のおばちゃんです><
親の愛情は嬉しいですね〜
普段、お互い素直になれないけど
笑顔は必要ですね(分かっているけど・・・)
この日記を読んで、泣いちゃいました><
捕まえようと長靴を履いた足で踏んだのだけれど、逃げられてしまったのでとか・・・
今度見つけたら茹で蟹に決定です!
>蟹って、自分でなかなか買わないですよ。
そうなのですよ〜 大好きだけれど、自分ではね〜
タラバガニは味が濃く身が重いので、いくら蟹好きの私でも
流石に「も〜いいわ〜!」と4分の一ほどでギブアップでした。
蟹味噌と卵がいっぱいで、もうそれだけでもお腹が一杯に…
嗚呼、贅沢しました〜一年ぐらい思い出だけで一杯やれそうです!
自分が子供の頃、母親は既に立派な大人の母親にしか
見えませんでしたけど、今、当時の記憶を甦らせると、
やはり祖母の前で母は確かに娘の表情だったと思います。
一生、母は母、娘は娘、これは芯の所で変わりませんね。
私も書きながら見直しながら、何度も泣いてしまいました。
泣いたり笑ったり、生きているからって歌のようですが(笑)
雨上がりの若葉のように、涙があるから笑顔も一層光輝く
のですよね〜☆
淡水に棲む大型の蟹というと、上海蟹の仲間のモクズガニ!
私は淡水系の蟹は沢蟹しか戴いたことがありませんが、
とても美味しいそうですね〜(^〜^)♪
蟹籠でも仕掛けて、是非父上様と茹で蟹で一杯を実現させて下さい。
実は今朝、この日記が心の隅にあったのかどうかは分りませんが、
実家の両親が長崎に遊びに来てくれた夢を見ました。まだ存命ですが、
父は寝たきり、母は自宅で介護、それは現実である筈もないのだけれど、
夢の中の私は、とても嬉しかった・・♪ 親には、いつまでも元気でいて
ほしいものですね-☆
それから今日、偶々見たビデオに、高樹沙耶さんが出ていました。一度写真で
拝見させて頂いただけですが、娘時代?の山桜さんを連想してしまいました。
なんだか、あまり関連のないコメントをしてしまってご免なさいm(__)m
命のいろいろがあるよね。
この世の法則には逆らえないけれど・・・
限りある命を大切に、頂いたご縁を大切に。
そんな気持ちになりました( ̄人 ̄)
うらやましい限りです。 と言っているより 私も母なのだから 愛情与えるほうにならなければいけないのに、まだまだ自分中心で、困った大人です。
今はもういませんが 昔は銚子より かにがどっさり送られてきていたので、私も手の臭みがとれないほど
食べました。 今 かにを入手したら、おいしいものは子供達に内緒で自分でよくばってしまいそうです。
本当に勿体無いほど幸せですよね〜
色んなことがあって、何故こんな目に…と思うことも多々ある
けれど、自分のことを思っていてくれる家族がいてくれる
だけで、今日も頑張ろう〜って思えます。
だから思っているだけじゃなくて、言葉に出して行動で
示して「貴方が大切、笑顔が見れて嬉しい」って伝えなくては
いけませんよね! 恋しいと思って貰える親にもなりたいな。
親御さんを亡くされている方も、介護で大変な方々もいらっ
しゃるのに、こんな能天気な日記、申し訳ないと思いつつ、
あまりに嬉しい出来事だったので書いてしまって…
私の両親も今は何とか元気そうですが、いつどうなるかは
分らない…こんな思い出を作ってくれてありがたいです。
この日のことは忘れられなくて、いつか私も夢に見そう…(T−T)
高樹沙耶さんですか〜♪ 飛翔さんにそんな風に思い浮かべて戴けて
嬉しいな〜こんどキャスターをされるそうですし俄然注目しちゃいます^^
お勤めを始めても門限8時、飲み会の時は上司から電話で
お伺い…なんてとんでもない父親だったのよ〜(T^T)
ま、直ぐに残業続きでそんなこと言ってられなくなったけどさ。
頑固雷親父って中身が優しくて泣けるよね…
母もあの父と一緒で大変だと思うけど、分りやすくて
いいかも(苦笑) 物静かでクールな父親に憧れたな〜
でも、今は喧しくてもよく話してくれた父が懐かしいよん。
つい元気そうだと甘えてしまうけれど、もう随分な年齢
なので、車で来てくれるのはちょっと心配なのです・・・
大人になって?みて初めて、大人に見える人の中身にも
ずっと変わらない子供のままの心があるって分かりました。
母が少女の頃の話をするのをすごく昔のことと思って聞いて
いましたけれど、自分にとっては少女時代もついこの間の
ことなのですよね〜。 娘にはどう聞こえているのかしら。
この頃、娘があの頃の自分とだぶって見えてしまいます。
銚子も子供の頃良く行きました! 暁鶏館(字が違うかも)
って岬近くの旅館、懐かしいです。 浜の海の腰〜胸位の
深さに網袋に入れた魚の肝を棒に結んで差して暫くおくと
ヒラツメガニ(H蟹)がいっぱい捕れたのですよ〜