「ガガ=スッポンの古語で、葉の形がスッポンに似ているから」
という説をよく目にしますが、スッポンに似ているでしょうか。ガガブタの方は、ちょっと似ているかな…
ガガイモ(蘿摩芋): ガガイモ科 つる性多年草
乾燥した種子は羅摩子と呼ばれる強壮剤
種子の羽毛は止血に、白い草液は解毒に用いる。
種子の羽毛は綿の代用に、蔓は釣糸、弓弦に用いられた。
若葉、根茎は食用。
ガガイモと聞くと、少彦名命(すくなひこなのみこと)を思います。
少彦名命は日本書紀での表記、古事記では少名琵古那神(すくなひこなのかみ)、他にも風土記などでは幾つか別の文字でも表されています。
古事記での伝えに由りますと…
大國主神が出雲の御大の御崎(美保の岬)にいらした時、
波間より『天の蘿摩船(あまのかがみふね)』に乗られ、
蛾(又は鵞鳥とも)の皮の衣を纏われた小さな神様が近づいてこらた。
名を問うてもお答にならず、諸従神も知らないと言う。
そこで多邇具久(たにぐく=ガマ、ヒキガエル)に尋ねると、
「久延琵古(くえびこ=カカシ)が知っている」
と言うので今度は久延琵古を呼んで尋ねてみると、
「神産巣日神(かみむすひのかみ)の御子の少名琵古那神です」
と答えた。
そこで大國主神が神産巣日神に問うてみると、
「確かに私の子である。 指の間からこぼれ落ちてしまった。
兄弟となってこの国を造り固めよ」
と仰せになられた。…
(このように御祖神さまの手からこぼれ落ちる程の小さな神様で、一寸法師、後にはコロボックルはこの神様の系統なのではないかなどとも言われています。)
この後、大國主神(=葦原色許男命(あしはらしこおのみこと)=大穴牟遅神(おおなむじのかみ))と力を合わせて国造りをされて後、粟の穂によじ登り、そのしなりを用いて御身を弾かれて常世の國にお渡りになられた、とのことです。
また後に常陸國・大洗にこの二柱の神様が再びお姿を表されたという伝承は、先日の日記で書いたとおりです。
前置きが長くなりましたが、この天の蘿摩船こそ、ガガイモの実の皮で出来た御舟と言われています。 古事記の世から今も変わらず草むらで、あまり人の目も惹かずひっそりと花を咲かせているこの植物が、私は愛おしくてたまらないのです。
少彦名命は、国造りの他に医学の神様として有名で、薬効ほか様々な利用法の豊富なガガイモは、正に相応しい植物と思われます。
天の蘿摩船とされるこのつる草の実は(私には)とても魅力的で、熟して割れたその中からは真っ白な真綿のような羽毛をつけた種が吹きこぼれます。 ここ数年、なかなか実をみつけることが出来ずにいますが、若しみつけましたら、またご紹介致しますね。
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って、思ってしまいましたが、どうでしょう。
古事記での伝えに由りますと…
なるほどと感心しながら拝読致しましたが
すぐに忘れてしまうんですよね〜。
子どもの頃に話してくれる人が居たら・・・
少し前まではそんな光景が有ったように思いますが・・
一本足で立って
動くことは出来ないのに
世の中のことで知らないことは無い
山田の中で雨に濡れ濡(そぼ)つ
山田の曾冨騰(そほど)
久延毘古
駄目だ〜
そっちしかフォローできなかった(笑)
えっと、これはとんちで答えるのかな〜どうしよ〜^^;
ガガ〜っと掘るとジャガイモがざくざく〜??
一応真面目な答え…そう言えばお花の形はちょっと似て
いますが、ジャガイモはトマトと同じナス科なので、ご先祖
筋ではなさそうです〜
日本神話は学校から締め出されてしまいましたから…
私が学校のおはなし会で話そうとした時も、難色を示す親が
いましたよ。クリスマスのお話にはノークレームなのに…
実は、スクナ=片目、ヒコナ=びっこ又は片足、
という意味なのだという説を読んだことがあります。
久延毘古と少名毘古那は同じ仲間だったので知っていたとか…。
もうこの辺りは色々考え出すと面白くて溜まらな〜い!と
言ったら神様に失礼でしょうか〜
明日にでも又この周辺の考察を書いてみたいです。
読んで下さる人は限られそうですが…^^;
少名琵古那神は、神産巣日神(かみむすひのかみ)の御子なのですね
日本古来の産巣(結び)の信仰を思います
おむすびからこぼれた一粒・・なのかなぁ、などと
>おむすびからこぼれた一粒・・なのかなぁ
(ノ°ο°)ノなるほど〜それは本当にそうかも!
侘助さん、さすがです。 ありがとうございます!
楽しい発想の中に意外な真実が秘められているのがいにしえの
物語の謎解きの面白さですね〜
「むすひ」は「産霊」、昔の人は既に小さな細胞が結ばれて、
一つの命が成り立っていることを知っていたのかもしれません。
お米の一粒もおろそかにするなと言う教えも、繋がるような…
これからは「おむすび」を戴く時の思い入れが倍増します!
一寸法師が鬼の中で暴れるシーンは、「ミクロの決死隊」を
思い出させます。 小さな体でなければ出来ない仕事を担う為
お生まれになったのでしょうか…
我が家の趣味の園芸の芋を狙って、
猪が活動を始めています。
今年こそ収穫出来ますように・・・
そうですか〜今年もそろそろ牡丹鍋の季節…
収「獲」が楽しみですねって、収「穫」の方??
乾燥した種子は羅摩子と呼ばれる強壮薬。
種子の羽毛は止血に、白い草液は解毒に用いる。
種子の羽毛は綿の代用に、蔓は釣糸、弓弦に用いられた。
若葉、根茎は食用。
興味をそそるイモですよね。
全てのものが役立つのですよね?
そしてありがとう!!
何だか面白そうな記事だね♪
また後でゆっくり拝見してから
コメント書くね〜♪♪
気になるよね〜
人間って怠惰だから、昔の方が、ガとか
バなどという濁音とかパピプ・・・っていうものなどなど
ちょっと発音に手間のかかる音が多かったって
習った気がする〜
ガガってほんと、なんだろね〜o(⌒▽⌒)o
面白く拝見したよん♪♪
海外からより手軽で便利な植物が入ってくる前は、今より
ずっと重用された植物だったのではないかと思います。
人知れず段々と減っていってしまうのは寂しいですね。
どういたしまして♪
ゆっくりお休みしてね。
繭の中で過ごす時間も大切だよ〜 見事な変身の為にねっ☆
ガガイモとジャガイモ、名前、似てますものね〜
原産地は南米ですけれど、日本にはインドネシアのジャカルタ
経由(オランダ商船)で来たので、「ジャガタラお春」同様
「ジャガタラ芋」と呼ばれた後「ジャガイモ」になったとか。
ガガイモはももりさんの所にも未だ残っていますか?
>人間って怠惰だから、昔の方が、ガとかバなどという
濁音とかパピプ・・・っていうものなどなど
ちょっと発音に手間のかかる音が多かったって
習った気がする〜
大和言葉には濁音や半濁音が殆ど無かったと思っていたけど、
その昔には使っていたのかな〜? 韓国の人の発音には
半・濁音が多くて何だか力が籠もっているように聞こえるね。
日本人は力が抜けてホンワカした感じなのかな〜
暑い夏でしたね。
山桜さんはお変わりございませんか?
すっかりご無沙汰しちゃっております。
私は毎日元気でやってま〜す。
本日はコメントありがとうございました。
やぁやぁ、、シンクロしてますね^^
ががいもやあけびのような花を咲かせる、
つる性の植物が昔からなぜか好きなの。
実を見つけたら、もうすごく嬉しくなります。
古事記のお話は知らなかったです。
良いことを教えていただきました。
ありがとうございます。
お元気そうで良かった〜 ♪\(^O^)/♪
私もお蔭様で元気にしておりま〜す! ビリーで食欲増進中…
norikoさんのトップのお写真がガガイモで、やっぱり私たち
似てるんだわ〜!と、とても嬉しくなりました^^
ガガイモ、実がなりますか? こちらではなかなか
見つからなくて残念なんです。 ムベはよくなるなるけれど、
アケビもなる株は少なくて… 若しかするとガガイモもアケビ
同様、他の株の花粉でないとダメなのかも。 一度減って
しまうと遺伝子のバラエティ度が下がり生命力を失いますね…