2007年09月01日

月とスッポンと蛾

 さて、ガガ=スッポンで月に似て丸いがまるで異なものと形容されます。
一方、カガ(チ)=蛇で、吉野裕子先生は爛々と光るその目を、鏡=太陽
に肖る説を唱えていらっしゃいます。 

 ただ、太陽は自ら光を発するもの。 鏡はそれを反射して光るもの。
だとしたら、太陽=鏡 よりも 月=鏡 の方が私にはしっくりきます。

 スッポンの甲羅は黒いけれど、月夜に照らされた池では水面の月のように光ってみえるのかもしれません。

  甲羅が 月=鏡(カガミ)に似ている? → すっぽん=ガガ
  目が 太陽=鏡(カガミ)に似ている? → 蛇=カガ(チ)

 スイレンの葉に似た、水面を覆う丸い葉をつける「ガガブタ」という植物も「ガガイモ」同様に「葉の形がスッポンに似ている為」という名前の由来を貰っています。 こちらは正にスッポンの大群が池を覆う蓋のように見えて納得できるのですが、「ガガイモ」の方はどうも腑に落ちません。

 先の日記に書いた少彦名命が纏われていた衣は「蛾の皮」とされています。(鵞鳥説もありますが、私はあくまでも蛾説を支持しています。理由は後述)

 「ガ」の皮を来て「ガガ」の舟に乗って来られた。 
何故、ここまで「ガ」に拘っているのでしょう?? 
昨晩、私の頭の中を駆け巡った妄想を書き残しておきます。

 蛾は夜の虫、すなわち「月」に関係しています。
月と言えば、満ち欠けの「変化(へんげ)」です。 
蛾もまた、卵・芋虫毛虫・蛹・成虫と驚異の「変化」を見せます。
蛾が月神の力を秘めた生物と思われたのは自然なことではないでしょうか。

 特に蛹の殻を破り、全く姿の異なる成虫が表れる神秘性には誰しも目を奪われます。 このような驚異的神秘の力を持ったものと思われたからこそ、少彦名命は「蛾の皮」すなわり「蛾の蛹の殻」を纏っていらしたのではないか、と私は思うのです。

 生まれ変わり・蘇生・新しい清々しい生命力、古来ご先祖さまが憧れ、肖ろうとしてきたものは、現代の私たちの中にも願望として受け継がれています。

 そこで「ガガイモ」です。
ガガイモの実は小さなゴーヤのような形で、熟すと割れて中から真っ白な長い羽衣を纏った種が飛び出します。 そうです、これはまるで「蛾の羽化」のようではありませんか! 全く外からは予期できないような美しいものが、突然生まれてパァッと飛んでいくのですから…。

 ここで「ガガイモ」名前の由来、山桜説を立てました。
「蛾が芋」です。 「蛾」のように蛹(莢)から美しいものを生み出す実をつけることから…いかがでしょう?

 皇室でも蚕・繭に秘められた力を神事として受け継いでいると聞きますし、国造り役に任命された小さな神さまが月と蛾の神秘の力で、大國主命や民のお疲れを癒されたと思うと感無量です。

 (そう言えば、中国の伝説では、月には西王母から不老不死薬を盗んだ夫から、また薬を奪って逃げた「嫦娥」が蝦蟇に姿を変えて住んでいるとされています。 ここにも「ガ」が登場です。)

 もっと妄想を広げれば、大國主命は地球で、少彦名命は月…
粟の穂で飛び出して軌道にのり、地球の周りを衛星として廻っていらっしゃるのでしょうか…。

 宇宙のように妄想が膨張して他のことが手につかなくなるので、この辺で止めて置きましょう。
                      (2007-09-15投稿)

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posted by 山桜 at 00:00| Comment(10) | TrackBack(0) | 祖先からの伝え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
只今趣味の園芸、柿畑の下草刈りから戻ってきました。
午後から草刈り機を振り回し、今日の蒸し暑さで汗だく・・・
ビール片手に夕食を待っているところです。
スッポンの話が出ていたのですが、今日、草刈り機で亀の甲羅を撥ねてしまいました。
Posted by 酒徒善人 at 2007年09月15日 17:27
「蛾が芋」ですか〜賛成です。
ピッタリの感じが致します。
Posted by 青い流れ星 at 2007年09月15日 21:51
今日は神戸の丹生神社を訪ねてきましたが
途中で巨大なヤママユガとご対面
ヤママユのあの美しい淡い緑
不思議な物体ですよね
Posted by 幽黙 at 2007年09月15日 22:56
心地よき日にござる
して
ガの響きは是 醜を連想するは
予の独りよがりなる哉

濁音なるガは醜を
鼻濁音なるガは美を

さても
濁音と鼻濁音を区別する表記なきを
あやしむあかひとなり

♪あなた かわりは ないですか
 ひ「ご」と さむさ「が」 つのります

都はるみ女史は 濁音にて唄ひけり

♪ひーとーり ぼっち「が」ー
 好ーきーだーよとー
 言ーった心ーの裏でー泣くー

美空ひばり菩薩は 鼻濁音にて唄ひけり

さても
予が唄へば

♪月「が」ー出た出た
 月「が」ー出たー コーリャ
 山桜姫のー庭にー出たー
 あんまり ひーめーーが
 うつくければー
 月の形を見そびれた
 サノヨヒヨヒー・・・ットナ

勿論「が」は鼻濁音にて唄ふあかひとなりー

騒がしをお詫び申し上げ候
頓首
Posted by Akahito〜友部丹人 at 2007年09月16日 10:11
いろんな説がありますよね。

他にもこんな説
>始めは「月と朱盆」であったとして、
朱塗の丸い盆「朱盆(しゅぼん)」が訛って「鼈(すっぽん)」に転訛したとの説も有り、
幕末の役者評判記『鳴久者評判記』では、似て非なるもので比較にならないものとして
「下駄に焼味噌」と並んで「朱ぼんに月」を取り上げています。

などのように、似ていても差があれば何でも良かったのかもしれませんね
Posted by 玉井人 at 2007年09月17日 10:24
◆酒徒善人さん、こんにちは!
 電動草刈機は凄まじい音ですよね。 あれがあったら便利
だろうと思うけれど、あの音には耐えられそうにありません。
自分は耳栓をすればなんとかなっても、ご近所迷惑が怖い。
もっと隣と離れた田舎に引っ越したいなぁ…

 前にどこかで書いたように思いますが、動物園でキリンが
舌を伸ばして草を食べていたそこに草刈機が!というシーン
を見て以来、トラウマもあります。 亀さんはどうなって…
Posted by 山桜 at 2007年09月18日 17:28
◆青い流れ星さん、こんにちは!
 ご賛同、ありがとうございます^^ 
実が爆ぜて長い白い綿毛のついた種が飛び出すところを
是非とらえて写真が撮れたらな〜と思います。
Posted by 山桜 at 2007年09月18日 17:31
◆幽黙さん、こんにちは!
 そう!その薄緑色のヤママユ蛾(天蚕)の繭がガガイモの実の
イメージと重なるのですよね〜 中から羽化するのは茶色っぽい
蛾ですけど、蚕は白いしオオミズアオなんて、本当に月の精
そのものの優雅さで、ウットリしてしまいます。
Posted by 山桜 at 2007年09月18日 18:00
◆友部丹人さん、こんにちは!
>ガの響きは是 醜を連想するは
 予の独りよがりなる哉

 いえいえ、私もやはり「ガ」などの濁音には漢字のせいか
濁ったようなあまり良いイメージがありませんし、外来語(漢語など)
から派生した発音と思っておりました。

 東北弁やフランス語には美しい?鼻濁音が多いですね。
秋田では秋田弁はフランス語に似ていて美しいのだなどと言われて
おりますよ^^

 殿の朗々とした佳き歌声がこちらまで響き渡って参りました。
ありがとうございます♪
Posted by 山桜 at 2007年09月18日 18:15
◆玉井人さん、こんにちは!
 スッポンの部分は朱盆や素盆からなまったという説は、
私には後付けのように思えるのですが、本当はどちらが
先かは分りませんね〜 

 水面に映った月とその光を受けて丸く光るスッポンの甲羅、
この絵が浮かぶと、ああ「月とすっぽん」なるほど〜などと
思ってしまいます。

 スッポンは「マル」と呼ばれるほど丸い甲羅で知られ、
「まる鍋」という風に今も用いられる呼称ですが、
朱盆・素盆という言葉を殆ど耳にしないのは私だけかしら?
昔はもっと一般的な言葉だったのでしょうか?
語源をあれこれと模索するのは楽しいですね〜♪
Posted by 山桜 at 2007年09月18日 18:31
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