2007年10月14日

叔父の法事

            夏花 213.jpg 

家族とお酒と美味しい肴をこよなく愛した叔父の七回忌がありました。
法事というのは、なかなか会う機会の無い親戚同士が、仏様に呼ばれて
集うことのできる、とても良い習慣だと思います。 

 従兄弟には可愛い家族が一人増えていました。 
亡くなった叔父の孫娘は、吸い込まれそうな円らな瞳をしています。
叔父は、さぞかし目を細めて喜んでいたことでしょう。 

 香は仏様の好まれるものであり、また身を清めるものということで、
お坊様は、一人ひとりに塗香(ずこう)を分けて下さいました。 
最初に塗香を戴くのは左掌の薬指の付け根の所です。 

 これは、地水火風空の五元素を、左掌を自分の方に向けると一番下に
なる小指から順に振り分けていくと、薬指が「水」となり、水には
「広げる?力」があるということからだそうです。

 両掌を擦り合わせて塗香を広げてから、先ず胸に当てて心を清め、
次いで各自が気になる良くなって欲しい箇所に当てて下さいとのこと。
このような時、人は正直な動きをするものですね^^ 私は皆の動きが
良く見える場所に座っていましたので、それぞれが気になっている箇所
が手に取るように分りました。

 『あらあら、若いのに腰が痛いのね…』
 『やっぱり髪の薄さが心配ですか…』
 『膝が痛くて正座が出来なかったのですね…』
 『う〜ん、お肌の皺が気になりますか…』

 私は胃と喉と脳に当てました。 ちょっと欲張りましたね。

 そして読経の間には、故人の色んなことを思い出してあげて下さいと…。
暫し叔父の懐かしい思い出に浸っていた私は、鎌倉とんぼさんに教えて
戴いた観音経が聞こえて来て、我にかえりました。 これまでは殆ど
意味も分かず呪文のように聞こえていたお経が、親しい音楽のように
私を包んでくれました。

 皆の脳裏には叔父のどのような思い出が浮かんでいたのでしょう…。 
お焼香をを終えてお辞儀をし顔を上げた叔母の目は、確かに潤んで
見えました。


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ラベル:塗香
posted by 山桜 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
叔父様の七回忌でしたか。
親戚の皆さんがそれぞれ思い出してくれ、
叔父様もさぞお喜びでしょう。

昨日は親友の父のお葬式でした。
昔から、「死なば十月中十日」と言いますが
子ども思いの親父さんでした。
Posted by ネットの中のお父さん at 2007年10月18日 19:45
◆ネットの中のお父さん
 こちらの日記にも目をとめて下さり、ありがとうございます。

 塗香は最初はカレー粉のような香りでしたが、段々と
揮発性の香りは消えて、最後には甘いメープルシロップの
ような香りが残り、翌朝顔を洗う時も未だ香っていました。

 香りの記憶ってありますよね。 お酒と煙草のイメージ
だった叔父の香りが、良い香りに置き換わったようです^^

>「死なば十月中十日」

 後々ずっと法要の為に集まる人々にとって十月の中旬は
稲刈りも終わって気候も穏やかでありがたい頃なのですね。
子供思いな親父さまの最後の心づくしのようで胸が熱く
なりました。 合掌
Posted by 山桜 at 2007年10月19日 10:53
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