2005年09月25日

曼珠沙華(彼岸花)の名前の由来

 毎年誤ることなく彼岸の頃を知り、妖しい赤色の篝火を燃やし人々の心を乱す花。
細く赤い6枚の花びらを反らし、中から繊細な長い蘂を伸ばす花。その花を髪飾りの様に
くるりと放射状にいくつも集め、長いまっすぐな茎の頭頂につける。間違いなく美しい。
美しすぎて近寄りがたい。触れてはいけない花・・・。

 亡くなった人がお彼岸に姿を変えて戻ってきた花(死人シビト花)とも聞かされ、
お墓に咲く花、決して採ってはいけないと言われて育った花・・・。

 曼珠沙華というこれまた何とも妖しげな名は、法華経の『魔詞曼陀羅華曼珠沙華
から来ていて、法華経が説かれるとき天から降ってくる「天上界の花、赤い花」という
意味のサンスクリット語(梵語)マンジューサカが由来である、とは良く耳にする説で、
やはり仏様の神聖な花・・・。

 またここに一緒に出てくる曼陀羅華(マンダラゲ)は、最近人気のエンゼルストランペットの近縁種、朝鮮朝顔(ダチュラ)とされるが、曼陀羅華・曼珠沙華共にアルカロイド系の(毒)薬成分を持つ。毒を持つというやはり危ない近寄りがたい花・・・。
(実際は毒にも薬にもなる有用植物であり、朝鮮朝顔は麻酔薬として使用され、華岡青洲が妻を実験台にしたことでも有名)

 そんな風に曼珠沙華は、どこか妖しげで怖ろしげで、遠くからそっと眺める花だった・・・
が、東北地方では
「葉より先にまず花がさく=まんず咲ぐ」
からマンジュシャゲ
と言うのだと聞かされて、な〜んだかホッとした。とても素直な命名だ。癒された〜!



 
posted by 山桜 at 17:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 山川・自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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あはははは! 朝から笑わせて貰っちゃいました。へぇ〜 
楽しい! まんず咲ぐ!
山桜さん、面白い話をありがとう!
あ、もちろん、学びになるお話をいつも、
ありがとうございます。
とても良い刺激をいただいています。^^。
Posted by まり at 2005年09月26日 09:03
ね〜今度から彼岸花を見たら、
「おぉ〜、まんず咲いでるな゛〜ヽ(^◇^*)ノ」
って気安く笑って話かけられそうですよね♪

まりさんに読んで戴けて嬉しいです。
ありがとうございますm(_ _)m

Posted by 山桜 at 2005年09月26日 11:40
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