2008年02月09日
小堀遠州・美の出会い展
遠州好 寄木 水指棚 と お道具の取り合わせ
銀座松屋での展示は1月14日で終わってしまい、今頃更新しても…と
思い保存しておりましたが、下記の予定で巡回があるとのことですので、
お知らせ致します。 混み合わぬ内の早めのご観覧をお勧めします。
2月23日(土)〜3月16日(日) 名古屋・松坂屋美術館
3月19日(水)〜3月31日(月) 大丸ミュージアム・KOBE
朱 糸目瓢箪 茶器
小堀遠州(1579〜1647)
武将・建築作庭・茶の宗匠・書画・和歌・総合美のプロデューサー
徳川家康、秀忠、家光の三代に仕え、古田織部に茶を習う。
本阿弥光悦などの文化人と幅広く交流。
家康の居城駿府城普請の功により遠江守に任ぜられ「遠州」を名乗る。
<手掛けた主な建築>
名古屋城・大阪城(徳川時代)・江戸城天守
岡山県高梁市の備中松山城
京都市大徳寺・孤篷(こほう)庵/茶室「忘筌」
太平の世に応じた遠州の美は革新的・洗練・繊細・華麗なる好みは
「綺麗さび」と呼ばれる。
中興名物 膳所 耳付茶入「大江」 根津美術館蔵
招待券が相当数配られたこと(私もその恩恵を賜りました。 本当に
ありがとうございます!)と、TVでの紹介等も相まって、最終日間近
には、階段にまで長い列ができるような盛況ぶりだったそうですが、
幸い私が訪ねた日は、気長に流れに乗れば存分に堪能できる程の混み
具合でした。 目玉?の「プラチナ茶室」も、想像よりもずっと侘びた
月明りを感じるような風情でした。 綺麗寂び、なのですね…。
そのプラチナ茶室の手前に設置されたビデオをご覧になられる方々の
一部が通路まで塞いでおいでで、少々混雑と渋滞を招いていました。
これは会場の設営にも問題ありと思いますが、観覧者も周りの状況に
もう少し心配りがあってしかるべきではないかと思いました。
またご自分の流派と異なる所作に対して、
「あら、変ね」「おかしいわね〜」
などという感想やさざめきが聞こえ、残念に思われました。
こんなことを書いている私も周りの方の邪魔になっていたやもしれず、
自戒を込めて書いておきます。 一方、大部分の方は礼儀正しく譲り
合いの心をお持ちの方々で、あのような混み合う展覧会の中で、他には
殆ど不愉快な思いもせずに居れたのは、流石に「綺麗寂び」を好もしく
思われる方々なればこそと感じ入りました。
高取 円座瓢箪 茶入
ビデオで拝見できましたお家元の濃茶のお点前は、まるでお能を見る
ような洗練された美しさと、形の美しさだけではない実のある(と私には
思えた)所作が印象的でした。
例えば、
・服紗を懐にしまう。(大切に思う気持? 流れが滑らか?)
・茶杓を茶碗の縁ではなく底で打つ(縁の傷みを防ぐ為?)
・戻ってきた茶碗を清める時、指を入れて綺麗に茶を拭い去る。
・茶の付いた茶杓を清める時、建水の上で最初に拭いて汚れた面を
返し違う面で再度拭く。(茶を落とさず、綺麗に拭く為?)
・湯と水を併せて茶碗を漱ぐ(温度差による茶碗の傷みを防ぐ為?)
・拝見から戻ったお道具を持って下がる時、仕服をぶら下げて持つ。
(できるだけ仕服に触れず傷みを避ける為?)
・体の向きを変えず、背から茶道口を下がる。
(このビデオの席では、すぐ後に茶道口があったので合理的?)
見間違い、見損ない、記憶違い、思い違い多々あろうかと思います。
また( )内は未熟な私の個人的感想・想像に過ぎません。
お気付きの方にご教示賜れますれば幸い甚でございます。
お道具は有名所が揃っていて、こちらにも幾つかパンフレットの写真
などからご紹介致しましたが、洗練された「綺麗さび」の美しさに魅了
されました。 お茶碗は上品で滑らかで美しい形で手にとって愛でたい
衝動にかられました。 ただ上品な薄手のお品が多いので、熱くない
かしらと猫手?の私は要らぬ心配を致しました。
御本立鶴茶碗「池水」 北村美術館
(鶴の本絵は徳川家光公作)
お道具も勿論素晴らしかったですが、今回は特に「定家様」と云わ
れる、丸みを帯びた洗練された形式美に整えられた書体に惹かれました。
特に遠州の銘を記す時の文字はデザイン性があって好きです。
今なら「遠州体」活字として登録できそうなほど磨かれた書体です。
↓茶杓には失礼ながら、銘「虫喰」 の書体をアップにしてみました。
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「小堀遠州 美の出会い展」
Excerpt: 松屋銀座8階大催場で開催された 「大名茶人 遠州400年 小堀遠州 美の出会い展」に行って来ました。 (会期12月30日〜1月14日) 観に行った展覧会のチラシや作品リストなどはA4..
Weblog: 弐代目・青い日記帳
Tracked: 2008-02-09 10:57
個人の見識と相俟って、多種多様の学識知識智慧の積み重ねが織りなして出来上がった世界だと感じます。個人的には「千家」のお茶より好きです。
最終日にでかけ茶道具の何十倍もの
人間を観察してきました…
もっと落ち着いて観たかったです。
実は今小堀遠州を勉強中。
遠州流茶道は男の方に人気がありますね。
就中鳥の子手茶碗・銘「白浪」のあの
こうえもいわれぬまろみが両の掌で
すっぽり包み込めそうな感覚が
小鳥の空気をはらむ丸い胴のようで
たまらないのであります
遠州が好んで学んだ書体
いわゆる定家様・定家流ですけれど
藤原定家という人は
いわゆる平安貴族の中でその歌の実力ゆえに
誰も彼のその当時の標準では「下手」な字を
貶すことができなかったので
「個性的」という表現を使って評したようですね
いわゆる下手字です
少し前に流行った若い人たちの丸文字のような(笑)
でも実は小生もこの定家様が好きでして…
「明月記」を見たときに惚れ込みました(爆)
遠州流茶道は武家流ということもあってか
袱紗捌きや茶杓の扱い柄杓の扱いなども
どこか刀を扱うときの様に似ていますね
凄い人出でしたね。
一点一点を愉しむと言うわけにもゆかず、遠目に眺めるばかりでした。
VTRで、その水の流れのような動きをじっと見ることが出来ましたが、メモは取れてもマネは出来ぬと思い知りましたよ。
わりと関西からの名品が多く出ていて、「アラ久しぶり」なお茶碗など、嬉しい内容ではありました。
茶杓が好きなので、なかなか楽しめました。
誰も彼のその当時の標準では「下手」な字>>私メも
憚りながら字は上手くありません。個性も雄大さも
無い字なのでガッカリします。いわゆる奥行きが無いのです。
古人の字を見ていると、けっして上手いとは思いませんが
アジの有る字を書かれています。。。精進でしょうか、
才能でしょうか、、はたまた豚が木に登ろうとあがいているのか・・・(笑)
小生なんぞまともな字が書けているのか
非常に怪しいものがありましてそれこそ
まことにガッカリな字でありまして
その時代にはそれしかなかったとはいえ
古の人たちの書の跡を見るにつけ
上手い下手ではなく仰られるように
アジの深さに溜め息が出てしまいますね
中興名物 たくさん拝見でき 綺麗さびもすこし理解できました。能ある人は 建築 造園 茶 書とすべてに秀でられるのですね。 山桜様も。
ここのところいろいろ忙しかったので、
どこかで庭を見ながらゆっくりお茶でも
したいものです。
今朝ほどから何かふらふらとして体調おもわしくなく、
伏せておりましたが、皆様からのお便りで元気が出て参りました。
折角の楽しいお話、勿体ないので、もっと心身のしっかりと
した時に、お返事させて戴きたく、失礼をお詫び申し上げます。
<( _ _ )>
所謂流派を学ぶとすれば遠州流と以前から決めてはいるものの、未だ自己流です・・
器の美ひとつがあり、それをとりまく人も花も書も空間も、自然な心で結ばれてゆくような、
そういう一瞬に触れられたらどんなにか、、と思います
山桜さん、くれぐれもお大事になさってくださいますよう・・
どうかこちらのことは気にせず
養生して下さいねo(⌒▽⌒)o
小堀遠州さんと
古田織部さんって、知らないからなんだけれど
漢字が全然違うのに、印象が一体になってしまっているの。
どちらのお名前も何だかかっこよくて
好きなんだ♪o(⌒▽⌒)o♪←違いも知らないのに 笑
応援ポチッ!
私は未だ○○流より□□流が好きなどと言えませんけれど、
流派を超えて、良いものは良い好きなものは好きと思います♪
暦の上では春でも 寒さ厳しく 湯たんぽを利用しています。 今は鼻水が止まらなく ティッシュがお友達。
山桜様 無理して枕がお友達にならないように ゆっくりなさってくださいね。
最終日はTV放映後でもあり、かなり大変だったようですね〜
なかなかのスポンサー獲得上手で、出口から先も色々と(^^;
TBありがとうございました♪
今から思い出すと、私が一番初めに茶道文化の一端触れた
のは遠州流でした。 そうとも何とも知らずにでしたけど(^^;
宗恵さんが勉強されたこと、また色々教えて下さいませ〜
楽しみにしております♪
今日はまた冷雨が降っていて、軒の雀も羽毛を膨らませ
ほっこりとしています。
定家の文字を見た時、私も女学生の丸文字似てる〜乙女文字♪
と思いました^^ 癖字なのかワザトなのか、ちょっと怪しい
気もします。 あえて人と違う文字を創作したのかなとか…
私の時は、自分の好きなペースでは無理でしたが、大人しく
列に並んでいれば、順に最前列でゆったりと見られる程の
混みようでした。
ああした時、不思議なのですが、先へ先へと視線が行って、
折角ご自分の前に作品があるのに、それを見ずに前の人の
前にある作品を見ている人が多いのですよ〜
人の習性を観察するのも面白いです^^
武田双雲さんの「書を書く愉しみ」を読んでいて、
『大きな力を持った「言霊」を文字として具現化する。
それに美意識が加わった時の力はとてつもないものです。』
という箇所で、鎌倉とんぼさんの素晴らしい種字を思い浮かべ
ました。 とてつもない力でいつもお守り戴きありがとうございます!
今回のスキーの日程は、どうした訳だか他の色々の楽しい
予定にぶつかってしまい、あっちもこっちも残念だらけ(><)
ももりさんのパーティにも残念ながら出席できず、すみません!
骨折などしてこない限り、作品にはお目にかかりに参上します♪
きっと鎌倉とんぼさんとお話が合うと思っていました^^
右バーの「お気に入りリンク先」下から三番目に鎌倉とんぼさんの
HPがあります。 その中の「鎌倉の窓」や「神様のぶらんこ」
などおススメです♪
チャチャさんに後押しして戴いたお蔭で、素敵な展覧会を
見逃さずに済み、こうして記録に残すこともでき、皆さんと
楽しいお話を交わすことも出来ました!
本当にありがとうございます♪
全てに秀でられていらっしゃるのはチャチャさんです!
いつもご謙遜が過ぎますデスよ〜☆
そうそう、善人さんの所には巨大な侘助椿があるのでした!
超巨大な亀の背中から生えているからには蓬莱山の霊樹に
違いない…いつか種でも枝でも分けて戴けたらなぁ。。。
どの流派に入門するかは、前もって色々知っていらしたり
調べて選ばれたりした方以外は、ご縁としか言いようが…。
○○流を…と思っても通える距離に先生がみつからねば
思うようになりませず、茶の湯を習う機を逸してしまいます。
私は大きな時のめぐりの中で、表千家へと導かれたように
感じていますので、ご縁を大切に精進したいと思っています。
検査してスッキリしてお酒が美味しいだなんて羨ましい!
私はいくら検査してもハッキリとした原因が分からなくて…
どうも季節の変わり目になるとフラツキます〜
そういう「お年頃」?(ーー;)スキー行けるのかしら?
連休中、一歩も家から出ないで大人しくしてたんだけど、
今日はモヤッとしていた冷蔵庫がとうとう力尽きてしまい、
出かけない訳にいかなくなって…歩いたら元気になったかな〜
と思いきや、ちょっと草臥れたかも〜(。。;)
遠州さんは織部さんの美意識を受け継いでさらに洗練させていった
お方で、両方とも武家でありながら美の総合プロデューサーだよね〜
初めましてでポチっと応援、ありがとうございます!
優しいお言葉、ありがとうございます〜(゜―Å)
今日はちょっと無理して出掛けてしまいましたが、これで
ちょっと気力が盛り返せたようにも思います〜♪
備中高梁の頼久寺の遠州の作庭など、10代の頃旅していいなぁと
ウットリ見ていたのを思い出して、感慨に耽っていました。
山桜さん、ありがとうございます。
しかし、そのお力は山桜さん自身のご守護仏(神)などの
お力だと思います。
> 「あら、変ね」「おかしいわね〜」
>などという感想やさざめきが聞こえ、残念に思わ>れました。
凝固まって・・というのはこのことを書きました
流派は、ご縁ですね
どこがいいということではないと思います
その人のこころひとつなのでしょう・・
精進します
ありがとうございます。
鎌倉とんぼさんにご縁を導いて下さった神様に感謝申し上げます^^
その部分に共感しコメント下さったこと了解しております^^
ただ、ちょっと書きすぎてしまったかな〜と心配に思って
いたので、敢えてお返事では触れずにしまって、ご心配を
お掛けしてしまい、すみませんでした<( _ _ )>
遠州流いいですよね〜 お教室のご縁がなくて残念と思う
気持と表千家へのご縁をありがたく思う気持を書いた積りが
上手く表現できていなくて…未熟者ゆえ、どうかお目溢しを(。。;)
これまでは、健康だけが自慢だったのですが・・・
いつか機会があれば渡せるように、侘び助を挿し木にしておきましょう。
ゆっくりと休養して下さいね。
さてさて、小堀遠州展 券を準備して
待っております。
とても楽しみなのです^^
やはりかなりの賑わいなのですね><
時間を掛けて拝見するつもりでしたが、
ゆっくりととは難しそうですね。
情報ありがとうございました^^
私は寒い中、今はポンカンのビタミンのお陰か風邪知らずの日々です。
綺麗寂び、とはよく言ったものですね。
華やかなんですがスッキリして洗練されていますね。粋、と言いますか。
とてもお洒落な感じを受けます。
無駄に色を多用していないせいでしょうか。
それにしても素敵なお道具ばかりですね〜
うっとりです(*^^*)
嗚呼、奥様も…健康でいつも元気一杯だったからこそ、
思うようにならぬ心身の不調が歯痒くてもどかしくて一層
溜まらない気持になってしまうのかもしれません。
あの侘助の挿木!バンザイ \(^O^)/ありがとうございます〜♪
どうもオネダリしてしまいまして…すみません<( _ _ )>
お一人でのんびり気兼ねなく行かれれば、存外ゆっくりと観覧可能と
思います。 空いていればさっと見てしまう所も身動きできなければ、
一つ一つ丁寧に拝見できますし…(笑) チャチャさんのように
時間をずらして選ぶことが出来れば最高ですね〜
私は3時間弱ほど会場に居りました。 (半分はビデオと人間観察?)
小さくて可愛らしい「吹上」文琳茶入など肩越し遠目では勿体無い
ですから、自分だけの順番が来るまで焦らず気長に一休さんです…^^
そろそろ普通のみかんは終盤で、晩橘類が美味しくなって
きましたね〜ポンカンとかデコポンとか私も大好きです♪
全てが「綺麗さび」になってしまうと、私はちょっと寂しく
なって、ボテッとしたり歪んでいたりする造形が恋しくもなっ
てきます。 日本はそれぞれを認め合って調和させる素敵な
気質があって、本当に幸せと思います♪
そう言えば、昨春ご紹介した「志野と織部―風流なる桃山のうつわ展」
http://yamasakuran.seesaa.net/article/35554366.html
が門司の出光美術館の方に巡回中ですよ〜ご覧になれましたか?
えっと…3月30日までですね〜お見逃しなく!