2008年05月06日
本当に柏の葉なの?
「いばら餅」(サンキライの葉で包んだ柏餅に似た和菓子)
『あんこの内藤』さんのネットショップより
学校給食で出された柏餅のポリエチレン製の葉を本物と間違えて
食べてしまったというニュースを聞いて、
「ええっ、柏餅の葉は固くてとても食欲など湧かないでしょうに…」
と思われた方、多いと思います。 私もそう思いました。
ところが、よくよく見てみると、最近の柏餅の葉は妙に薄いのです。
子供の頃に食べた柏餅の葉はもっとしっかりと大きく厚く、色も薄茶色、
香りもずっと良かったと思うのですが、今のものは透けるように薄くて
緑色であまり香りもありません。 こんなに薄くては、葉の裏と表の
出し方で、小豆餡か味噌餡かと分けることもできませんね。
また、中の餅も保存料を入れれば水が多くてもモチがいいのか、変に
柔らかで葉っぱがくっついて剥がれ難いことがあります。 こんな風
だったら、桜餅を食べ慣れた子供が柏餅の葉っぱも一緒に食べるものだ
と思っても不思議がないように思えました。
柏の葉は新葉が出るまで先代の葉が落ちないことから、ユズリハ同様、
途切れることのない代々の継承を連想させ、縁起がいいとされます。
また古代から丈夫で大きな葉は食膳として用いられてきましたから、
食に困らないようにとの願いもあるのかもしれません。
さて、その最近の薄っぺらな緑色の柏?の葉、例によって、どこか外国
からの輸入品が大部分を占めているようです。(昨今の食の安全意識
向上から輸入がストップし、偽葉で代用となったのでしょうか…。)
薄くて緑色で香りが薄いのは、近縁種だからなのか、それとも採取の
時期が違うからなのか、保存方法が違うからなのか、今昔の差を突き
止めたく、これからも追跡していく積りです。
* * *
一方、柏の葉を調べている途中で、関西では柏の葉の代わりに、
サルトリイバラの葉(本来は別種の、山帰来・サンキライの俗称で呼ば
れている)を用いて同様に作る、「さんきらい餅」(「さんきら餅」、
「いばら餅」とも)があることを知りました。 (上の写真)
しかも、それを「柏餅」と称していることもあるようなのです。
サルトリイバラの葉の塩漬けは柏の葉よりも柔らかで、お餅と一緒に
食べる地方もあるそうです。 先日の偽葉柏餅事件があった学校はこの
「さんきらい餅」圏内なので、ニュースでは「柏餅」と報道されていま
したが、若しかすると「さんきらい餅」と思い、いつも葉っぱごと食べ
ている子供がごく自然に口にしたのかもしれません。
被害者の子や担任の先生までもが『なんて無知な!』と思われてしま
うような、報道の仕方にも問題がありはしませんか…。
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柏餅の食べ方くらい・・・知らないの?
Excerpt: 五月の季節の食べ物と言ったら「柏餅」は欠かせないものでしょう、その柏餅で「え!なんで?」と思うようなことが起きてしまいました。三重県菰野町の菰野小学校で、2日に出された給食のかしわもちを包んでいたポリ..
Weblog: つぶやき古道(こみち)
Tracked: 2008-05-06 19:52
山帰来の葉っぱのお餅
近江の長浜市の名物で
「がらたて」
というお餅があります(^ ^)
素朴なお菓子で美味しいです〜
香りがいいんですよね
山帰来の葉っぱのお餅はどんなのでしょね。
葉っぱの丸みがかわいらしい形のようで、しなり方を見ると、柔らかそうでほんとに葉ごと食べられそう。
おいしそうですねー。
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昨夜帰阪しました。
サンキラ餅・・・柏餅のカシワの替わりの(柏餅は五月onlyということで)別な月はサンキラとかいう植物かぁ〜くらいの認識で、食べていました。
そうですか、山帰来でしたか。
うちの近所では、月変わりのお餅として、三月は椿の葉、五月は柏の葉、六月はそのサンキラ餅が販売されています。
無事のお帰り安心いたしました。
それぞれにコメントしたいところではありますが・・・
最近のテレビはニュースまでも鵜呑みに出来ませんね。
又お勉強させていただきました。
柏の葉ではない葉に包み柏餅と呼んでいる地方がいくつか有るという話は聞いた事があります。
>今昔の差を突き止めたく、これからも追跡していく積りです。
さすがですね。その姿勢に脱帽です。
>>小豆餡か味噌餡かと分けることもできませんね。
そうですね・・・近年の柏餅は貧相に感じます。
>>柏餅のポリエチレン製の葉を本物と間違えて
しかし、、間違えますかねぇ・・・もっとも間違えて
食べてしまったのですから、間違えたのでしょう。
ナンとも腑に落ちないニュースでした。ふだん、
ナニを食べされているのか、、気になります。
本当に文化が薄っぺらになってきたと感じます。
餡を見分けるのはどうすればいいの?
葉が薄いと見分けが。。。の下りがね、
和菓子あんまり食べたことがないので
よくわかんないんだ(*^^*)
それにしても。。。こういう私がああいう葉を
食べる。。。かもしれないね^^;
でも一口かじって出しちゃうはずだけれど。。。
持つべきものは遠く離れたネット友!
「がらたて」を早速検索してみました〜♪
サルトリイバラ自体をガラタテと呼ぶのですね。
トゲトゲの蔓をガラガラと引っ立てる感じでしょうか(^^
お菓子の「がらたて」は葉っぱで包んでから蒸すのですね。
これは益々葉っぱの香りがうつって美味しそうです。
「おばあちゃんの手作りの味」こういうのにメッチャ弱いです♪
おばあちゃんが作ってくれるお菓子…泣けてくるほど
懐かしいです。 私はホントおばあちゃんっこでしたから…
今思い出すと、固かったり甘すぎたりと洗練されたものでは
なかったですが、手のぬくもりがご馳走なのですよね。
サルトリイバラの葉は、厚みのある照り葉で固そうに
見えますが、塩漬けにしたり蒸したりすると違う雰囲気に
なるのかもしれませんね。 現物を見たことが無いので
食べたことがある人、教えて下さ〜い!
いつも応援ありがとうございます^^
おっと、食べたことのある人が出てきて下さいましたね!
さんきら餅の葉っぱはどんな風なのですか?
食べてしまえる程やわらかいのでしょうか?
七恵さんは召し上がりますか?
椿餅の中身は白い道明寺ですよね?
柏餅とさんきら餅の中身は同じですか?
怒涛の質問攻めですみません…<( _ _ )>
思わぬことから色々分かったり教えて戴けたりして、
こういうところが本当にネット交流の楽しさですね♪
桜餅の葉も昔はもう少し固くて、口に入れると葉脈が残った
ような記憶があります。 今でも長命寺の桜餅の葉は大きくて
固めなようです。(包み込むことを重視しているので)
一緒に食べる人が増えて柔らかい若葉を使うようになった
のかもしれませんね。
お忙しい日々をお過ごしのことと思います。
どうぞコメントなどのご心配は無用で、時々息抜きにでも
覗いて戴ければ本望です^^
このニュースはその後フォローがあったのでしょうか?
私は気に入った番組以外は殆どTVをつけていないので、
分からないのですが…新聞には無かったですよね。
>柏の葉ではない葉に包み柏餅と呼んでいる地方が
>いくつか有るという話は聞いた事があります。
そうでしたか〜 私は今回初めて知ってビックリでした!
やはり「柏餅」という名前が大事だったのでしょうか?
その地方では、柏の葉が無いのですから、古くは食膳にも
柏ではなくサルトリイバラ等を用いていたのでしょうか?
そちらの方も気になって参りました。 興味は果てしなく…(笑)
今日のお稽古の帰り、いつもの和菓子屋さんに寄ると
昔ながらの立派な柏の葉に包まれた柏餅が並んでいて、
つい嬉しくなって予定外に買い込んで来てしまいました♪
案外、表示が「天然葉」となっていたので、
「ええっ、これ本物〜??」
などと面白がって口にしたり噛んでみたりしたのかもしれません。
子供ってそういうことしたがるものですから…
若し、本当に何も感じず疑わず口にしたとしたら、
やはり考え込んでしまいますね。
あのね、柏の葉っぱは表が比較的ツルツルで色が濃く、
裏は少しがさついた感じで白っぽいの。
普通はお餅がくっつき難いように葉の表側を中に使うから
外側に白っぽい裏が出てるのね。 味噌餡はそれと区別が
できるように裏を中にして表を外側にしてたから、
柏葉が白っぽく見える方が小豆餡
柏葉の色が濃い方が味噌餡
って訳ね♪
稲荷寿司の薄揚げ(油揚げ)を表側の茶色とひっくり返した
白いのと2色に作るような感じって言ったら分かりやすいかな?
(却って分からない??)
薄っぺらくて表裏の区別もはっきりしないような葉だと
そんなことも出来ないな〜って意味だったの。
書き方が下手で分かりにくくてごめんね!
って、今度も分かって貰えたかなぁ…
またいつでも聞いてね〜( ^ 0 ^ )/
だって、メモする事がたくさんあるんですもの^^
いばら餅、とても気になります。
桜餅の形が、関西と関東で違うように
柏餅も各地で歴史があるかもしれませんね。
桜餅の葉が苦手でしたが、
今年はどこの葉も柔らかく 食べやすく感じました。
柏もちの葉まで食べる人がいるのですか???プラスチック???ちまきの笹も???鱒寿司の笹の葉も??柿の葉寿司の葉っぱも???ちょっと変ですね。
覚え間違ったことやら勘違いやら、私は「早合点大王」なので
いっぱい散らばっていると思います。 本当にお願いですから、
「あらら〜ここは違うのでは??」
とお気づきになられたら、こちらででもこっそりででも
ご教示下さいませね…どうか宜しくお願い致します!
さかもっちゃんさんのお住まいの地域では、「さんきらい」の葉
のお餅は無いのですね? 柏は「堅し(い)葉」が語源とも云われ、
食膳に使われたことから、膳=かしわ と呼ばれるようになったと
ありました。 ですから同じ様に食器の代わりになった堅い葉、
例えばサルトリイバラの葉を「かしわ」と呼んでいた可能性も
ありそうですね。
父も桜餅の葉は消化が悪いからと言って食べませんでしたが、
最近ふと気付いたら、ちゃんと食べていてビックリ!
やはり昔より柔らかに出来てますよね〜葉脈が殆ど口に残らなく
なりましたもの^^
メバルの区別って昔から釣り人の間で論争が盛んでしたけど
本当に色々な種類がいるのですね! http://fishing-forum.org/zukan/mashtml/M000034_1.htm
釣キチさんが姿造りにされていたメバルの形のものも確かに
このweb図鑑に載っていました。 私の見たことが無い形だった
ので、失礼なことを書いてしまってごめんなさい<( _ _ )>
今回のことでまたお魚の勉強もさせて戴きました^^
粽やお鮨の笹や柿の葉はさすがに食べないと思いますが…
一世代前の常識が今や常識ではないようで分かりませんね〜
京都では、「さんきらい餅」の類は作られていませんか?
幽黙さんが教えて下さった「がらたて」は、葉っぱで包んで
蒸すのだそうで、それだと柔らかくて食べられるのかしら?
怒涛の質問に対して、凪のような答ですが・・・
・さんきら餅の葉っぱはどんな風なのですか?
丸っぽいです。それで柔らかくなってますが、基本的に葉っぱを食べてはいけない、と子どもの頃から言われてますので、食べる発想がないのです。来月辺り、一度挑戦してみます。
・椿餅の中身は白い道明寺ですよね?
これはお店により異なります。
白い道明寺のところもあるし、餅のところもあります。
話がずれますが、奈良ではお水取りのときに椿の花を模した和菓子を作るお店があります。
・柏餅とさんきら餅の中身は同じですか?
うちの近所のお店では同じです。
だからわたしは、柏は五月のみ、あとは別な葉っぱで包むだけ、という認識しかなかったのです。
今日、裏千家の茶道資料館でお茶をいただきました。お菓子はお餅でなく、ゼリー系のが出てきました。鼓月さんという老舗のお菓子です。
ゼリーと言うより羹というべきなのかしら。
帰りに聞きによれば良かったな、と思いました。
丁寧に教えてくれてありがとう!!
本当にわかりやすくて、納得したよっ♪♪
そうかあ〜そうだったのかあ(⌒0⌒)
確かに、薄っぺらだとわかんなくなっちゃうね。
これから柏餅見るとき気をつけてみるよ♪
またいろいろ聞いちゃうかもしれないけれど
宜しくお願いしますです(0^^0)
何度やっても、一生懸命書いたお返事がエラーになって
送信できません。(T^T) 上のような短いのはOKなので、
字数が多すぎなのかしら…これは大丈夫かなぁ
お返事は「続・柏餅の葉」の記事に変えて書かせて戴く
ことに致します。 どうかお許し下さいませ。<( _ _ )>
先人のお知恵が一杯ありますから、TVでも病気の兆候ばかりを脅しのように特集せず、
昔からの知恵についても特集して欲しいと思います。
偽物を食べて育てば、人間も偽者になってしまうような気さえします。
政治が偽物っぽいのも頷けます。
命<大量生産・効率化・コストダウンの副産物ですね。
この日記を書いた時には、和菓子屋さんが、
「使う前に一枚一枚洗ってます。」
と仰っていた理由を、『柏の葉の表面の毛を落とす為かしら?』
と思っていましたが、よく思い出してみると、その前に私が
「外国からの輸入が増えているのですか?」
と聞いたのを受けて、農薬などの心配をしていると思っての
お返事だったのかもしれないですね。
ポリエチレン製の葉っぱが偽者なのは当然ですが、「和」菓子に
外国産の葉を使うのも、やはり偽者ではないかしらね…
厳しい目を持たなくてはいけませんね。