2012年08月15日

茶の湯関連の日記について

 
 昨日のお知らせにも書いたことですが、カテゴリー「茶の湯」で検索されていらした方に伝わっていないようですので、改めてこちらにお詫びを申し上げます。

 自分なりには、気を配っていた積りでしたが、やはり茶の湯関連で公に書くべきでないことを書いてしまいネット上でご指導を賜り、今も関連記事は概ね非公開になっております。 「茶の湯」や「表千家」で検索してお越しいただいた方々には、ご期待に添えませず大変申し訳ありません。

 拙い茶の湯の日誌を書いたことで素敵なお茶の先輩方とご縁を戴くことが出来ましたこと、本当に幸い甚でありました。 今も、こんな私をお見捨てにならず、もう少し閉じられた世界で交流を続けさせていただき有難いことです。 

 ただ、稽古日誌をきちんと「人に見せられるように」書かなくなってから、ちょっと覚えが悪くなったかも…どうも私は何でも書いて整理して覚えるタイプなのかもしれません。 いえいえその分、体を動かしてより稽古を積めば良いのですよね! 


 「出来ない理由を挙げるより出来る方法を考えたい。」

 「〜したい」だらけで、相も変わらず取り散らかしている私ですが、これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。 

 山桜 拝


 
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2010年01月16日

四年目の初釜

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   表千家の初釜のお菓子「常盤薯蕷(ときわじょうよ)」
 蒸かしたてホヤホヤの真っ白なお饅頭の中は鮮やかな千年の翠


 平成二十二年寅年の初釜を迎えました。
 前日の東京は初雪の舞う厳しい寒さでしたが、当日の空は真っ青に晴れ上がりました。 前日(相変わらずの一夜漬けで)着付けの稽古を重ねたので、どうにか一人で二重太鼓も結べました。 駅へ向かう道、和服ですので表向きおしとやかそうに歩いていましたが、心の中は浮き浮きスキップ気分、はやる気持が出て思わずカツーンと小石を蹴ってしまう所がなんとも私らしく…(恥;;)

 茶の湯の稽古も早4年め(1月末で3年3ヶ月)を迎えました。
 茶通箱のお許状を戴き、あの軟体動物のような滑らかな指の動きに挑戦?中です。 

 表(流)のお茶は「淡々として水の流れるような」お点前といいます。 今何の所作をどんな風にしたとお客様に気付かれぬ程に自然に何気なく…となるには、稽古の積み重ねしかないのでしょう。 私も海流に漂うイソギンチャク?ヒトデ?いやタコ?の動きを目指して励みます。 あ…あくまでもお客様に「タコ(笑)?」とは思われないように、さり気無く〜^^;ですね。


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       お干菓子         記念に頂戴した末廣


ラベル:初釜 茶事 和菓子
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2009年07月10日

稽古日誌・軸飾

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             「巻緒の巻き方」
         
 飾物五箇条(軸飾・壺飾・茶入飾・茶碗飾・茶杓飾)のうち、
軸飾の稽古。

【軸飾】
 名物・由緒あるお軸(掛物)を尊び、巻いたままの状態で
 床に置いて客を招き、正客の拝見の所望に応じる。

・掛物を巻いたまま、外題のある側を正面にして
 床の中央、若しくは、下座1/3の所に立て掛けておく。

・席入、挨拶の後、正客より由緒などのお尋ね、拝見の所望が
 あれば応じて、掛物竿(矢筈)を持って(薙刀と同じ持ち方)床前へ。

・掛物竿(矢筈)を右横に置く→右手で巻物の下1/3の所を取る→
 横に倒し左手で下から持ち直す→右手で巻き緒を引いて解き
 →ぐるぐると回して全部解き終われば緒を巻物の後に回し→
 左手の小指に緒の端を挟む→掛緒に付いている巻緒の元を下座側
 に寄せる→あて紙を外し畳んで右横へ置く。

・床の上で掛物を先ず天の部分だけ広げる→右の風帯を露の部分を
 もって上げる→左の風帯を下に伸ばす→右の風帯も下に伸ばす→
 風帯の折目を右の上下・左の上下の順に人差指と中指で押さえて
 伸ばす→両風帯の下端を少し掛物に挟んで左手押さえ持ちながら
 →右手で掛物竿を取り先の金具に掛緒を掛け→床に上がって掛け
 →掛物竿は床の右壁に立て掛ける。

・掛物の軸の両端を持ち、壁に添いながら静かに下ろす。
 「一文字」などの表具の継目毎に一呼吸休む。

・最後まで広げ終えたら、二巻後に巻き返し→一巻前に巻き返し
 巻き癖を直す。

・掛物に曲がりや歪みが無いか確認し、あれば直す。

・当て紙を仕舞い、掛物竿を持ち茶道口へ下がる。

・客の拝見、正客からのお尋ねがあって、正客より、
 「大切なお掛物ゆえ、どうぞ巻き納め下さい」との言葉を受け、
 そのまま掛け置かずに巻き納める場合は、広げた時の逆の順に
 巻いていき、当て紙はせずに(後で水屋で当て直す)上図のように
 巻き緒を巻く。

・掛物竿を取り掛物の上に乗せ、竿と巻物を一緒に打ち返して
 下題側を上にして(竿は掛物の下になる)から茶道口へ下がる。


 掛物: 清風在竹林  前大徳寺 龍門山招春寺・福本積應和尚
 花入: 丸木舟
   花: 木槿(宗旦)・黄釣舟
 茶入: 利休丸壺(写)  仕服: 藤種緞子
 薄器: 白漆 竹 
 茶杓: 青楓     柳生・芳徳寺 紹尚和尚
 茶碗: 黒楽 平茶碗 松楽
      瀬戸唐津 皮鯨 沓茶碗
主菓子: 朝顔


       *          *          *

 5月から溜まっていた稽古日誌をまとめて更新いたしました。
固め撃ちなので、いろいろ不備もありましょうけれど、何はともあれ
宿題をぜ〜んぶ提出したようにスッキリ致しました〜
バンザーイ \(^O^)/ヤッターるんるん

  2009-05-20 稽古日誌・茶碗飾
  2009-05-27 稽古日誌・茶入飾
  2009-06-03 稽古日誌・四滴
  2009-06-10 稽古日誌・茶杓飾
  2009-06-17 稽古日誌・台飾/続き薄
  2009-06-24 稽古日誌・数茶
  2009-07-01 稽古日誌・糸巻棚


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2009年04月22日

稽古日誌「茶カフキ」「廻り花」

 先生は、天然忌や利休忌に関連する稽古の中で、供茶と共に七事式の中より幾つかを取り上げて下さるのが常で、春は毎年「茶カフキ」の稽古が定例のようですが、昨年私はスペイン旅行に重なって已む無く欠席してしまい、今回が初の「茶カフキ」「廻り花」体験でした。

 何事においても初めてというのは心躍るもので、廻り花用に花も少し持って来てねと頼まれたこともあり、朝からウキウキそわそわと落ち着かずにおりました。 嗚呼それなのに、今日の占いときたら、
 「やることなすこと裏目に出ます。 ラッキーワード=謙虚な心。」
ですって。 余計にドキドキしてしまいました…。

【茶カフキ*】

 茶カフキ(カブキ)とは、利き酒のお茶版のようなもので、

 上林(かんばやし)   竹田(たけだ)   客(きゃく)
 
の3種類の用意されたお茶(濃茶)を当てていきます。
 
@試茶・上林を戴く
A試茶・竹田を戴く
B本茶1番の茶を戴く→一の折居*の中に名の書かれた札*を入れる。
C本茶2番の茶を戴く→二の折居の中に名の書かれた札を入れる。
D先に三の折居に残りの札を入れて執筆*(ししつしひつ)に送る。
E本茶3番の茶を戴く

*カフキ: 「歌舞伎」と同じく「傾奇」を語源とすると思われ、数寄の
  上を行く数寄な行い、という程の意味でしょうか。 
  今風に言えば「オタク」的行い? 
  ともあれ、敢えて「カフキ」とカナで書く所に「傾奇」に走るな
  という戒めがあるようにも思えます。

*折居(おりすえ):厚紙で折られた香入。香道の大の折居を用いる。

*札:上林・竹田・客 の三枚にそれぞれ自分の名が書かれている。

*執筆(ししつ): 記録・判定の役をする人
          その場で墨をすり、筆で書く
          (皆中の客にその書が手渡される) 

<覚書>
 ・茶カフキで用いる自分の名は姓名の名の方。
 ・出帛紗は試茶、本茶 共に一服め茶のみに添える。
 ・拝見、お尋ねなどはしない。
 ・折居は、両の下辺の谷折目に親指を入れるようにして開く。

 ・無学和尚が七事式の根本を説き遺した偈頌(げしょう)の一つ、

   茶カフキ 千古千今截断舌頭始可知真味

  遠き古より今も舌先の感覚を截って初めて真味を知ることが出来る


  「古い経験も知識も味覚も要らぬ、今この時、
       心のままに即断即決、札を投じるべし」

…そんな風にも自分なりに解釈してみました。 私のようにお喋りな人間は、味覚と共に舌禍も截つべきなのでした。 
今日のキーワード「謙虚な心」でした。 反省です。

廻(まわ)り花】

 ・床には、掛物と竹三重切の花入
 ・杉木地花台(綴目向こう)に、且座と時と同様に季節の花々を用意。

 ・正客から順に七事式の方式で入席(扇子は無用)
 ・亭主、茶道口で花台を膝前に礼(総礼)
 ・亭主、花台を花入下辺りに置いてから一番下に座り、花所望。
 ・正客から順に花を入れていく(普通下の段(窓)から)
 (前の客の花との調和(色合い・枝ぶり・向き等)も考えて入れる)
 ・自分の番で全ての窓に既に花がある時、一番長く見た花を揚げ、
  その窓に入れる。(その窓に入れた客に揚げ礼をしてから。)
  又は、揚げずに枝を加えて変化させても良い。
 ・いずれにしても花入の修練の場であるので、余り長く迷ったり
  弄ったりせず、ここでも潔く即断即決。


 いつもの茶室の侘びた花の風情とは趣が異なり、色とりどりの華やいだ雰囲気となりました。 しかし、その華やぎは浮ついた飾り立て等ではなく、一人ひとりの客が、花入だけでなく場の調和、主客の心の調和を図りながら心を込めて入れ繋いだことから生まれた結晶なのだと思うと、より一層美しく心清められる気持が致しました。


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2009年04月15日

稽古日誌・抱清棚

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             舞宝夢茶道具店HPより

  花散らしの雨を受け桜の花弁は川面を流れて連なり、藤の花の蕾は
ふっくらと膨らんで、春は一足飛びに深まったようです。

 抱清棚の稽古でした。

・地板が無いので、水指は運び。 蓋置は竹。
・飾り(置き)残す柄杓は湯返しをせず、竹釘に下げる。
・蓋置は下げた柄杓の柄の横、畳の上。
 (柄杓の柄が真っ直ぐ下がるように)
・茶器は中棚。


掛物: 一夜落花雨城流水香
花入: 束綿*(たばねわた) 矢筈花台
  花: 金魚葉椿(白花)・華鬘草
香合: 花筏
  釜: 釣釜
  棚: 抱清棚*(吸江斎好・桐木地)
水指: 瀬戸唐津 
茶入: 京・桶谷定一 文茄*   仕服: 雨龍間道
茶器: 山中・塗雪吹「早蕨」
茶碗: 志野・雅山釜 中島正雄
  替: 萩「枝垂桜」
茶杓: 花篝(はなかがり) 積應和尚
蓋置: 五徳(先生作)
食籠: 白漆「宝尽」
菓子: 藤重ね

  
*束綿 真綿の真中を束ねた様子の形(臼をずっと細長くした感じ)

*抱清棚 背面に香狭間*(こうざま)透かしが抜かれ、 
     左右の板の手前が半月形にえぐられている。
     可動式の中棚、柄杓を掛ける竹釘がある。
     桐木地(10代 吸江斎好)・杉生地(11代 碌々斎好)
     松擦漆(12代 惺斎好)

*香狭間 格狭間とも書く。
     壇・台などの側面や唐戸などに施される、
     上部は火灯形、下部は椀形の曲線から成る
     装飾的な刳(く)り形。
     古くは牙象(げじょう)・眼象(げんしょう/げじょう)。

*文茄 文りんと茄子の中間のような形



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2009年01月16日

稽古日誌63「初釜」

        09-01.jpg

 初めて一人で着付けをして出かけるとあって、前日から熟睡出来
ずに迎えた朝、歩くのも遅く倍ぐらいかかるかと早めに家を出たら、
いつもと変わらぬ時間で乗車駅に到着、予定より30分以上も早く
目的地の駅に…途中、神社にお参りして、出来る限りゆっくりと
歩いて…と、なんだか時間だけはあっても心は落ち着かないという
チグハグで可笑しな自分でした。

 早めに着けたお蔭で大先輩に帯を直して戴けほっと一息の間も
無く、お詰めの任を拝命し、自信の無い和服姿で皆さんの前を行っ
たり来たりすることに…いろんな汗をかきました〜(><)
 
 …と云うことで、今年はとりわけ記憶が曖昧です…(。。;)
思い出し次第追記する事にして、とりあえず覚えている事柄だけ
書き出しました。 今年は松も明けて長くの日となった為、三方
や枝垂れ柳とは別の趣の飾りにされたとのことです。


【本席】
 掛物:三玄院*1・長谷川寛州和尚「松樹千年翠」(しょうじゅせんねんのみどり)
 香合:京焼 ぶりぶり 
 炉縁:黒柿  
   棚:利休形 黒真塗 高麗卓(こうらいじょく)
 水指:京焼 木瓜(もっこう)形 青海波宝尽し
 茶杓:末広
 蓋置:千切(ちきり・ちぎり)= 織機に付けられる糸巻
                    契りに通じておめでたい
 花入:掛 青竹 
   花:梅蕾枝 紅白椿
 床飾:赤べこ
 茶入:備前(伊部)金重道明(みちあき) 布袋(ほてい) 
     仕服:紹智*2金襴(じょうちきんらん)
 茶器:輪島 吉田華正(かしょう) 平棗 柳
 香合:笠牛(後炭)   香:梅若 梅ヶ香(鳩居堂)
 茶碗:(濃茶)嶋台茶碗
     (薄茶)萩 つぼつぼ   干支茶碗・丑


*1:三玄院 
   京都紫野 大徳寺塔頭 1589年石田三成・浅野幸長・森忠政
   (蘭丸弟)が春屋宗園を開祖とし 建立。 
   石田三成・森忠政・古田織部・薮内剣仲(紹智)の墓がある。

*2:紹智=藪内剣仲(茶道藪内流初代家元、武野紹鴎の弟子)


【懐石】
   飯:白飯
   汁:白味噌仕立 餅 蕗の薹 小豆 梅花生麩 辛子
 向付:鯛昆布〆 千切り胡瓜・甘酢
 強肴:帆立貝紐雲丹和え
 煮物:海老しんじょ 椎茸 蓬(よもぎ)生麩 へぎ柚子
 焼物:鰤照焼
 進鉢(預鉢):鱈真子 里芋 こごみ(薇) 柚子
 酢物:独活(うど) 胡瓜 蟹
 香物:赤蕪
 箸洗:たたき梅干 松の実
 (食事の箸を漱いで清め、このあと清酒と海山の幸で千鳥) 

 八寸:松葉に黒豆 帆立の辛子焼き
 清酒:灘「福徳長」

 湯桶:湯・湯の子
 香物:奈良漬 山牛蒡
 (一口ほど残しておいたご飯に湯を注ぎ湯漬けにしつつ、椀を
  漱ぎ、香の物で更に表面を綺麗に清め、懐紙で水分を取る)

主菓子:常盤薯蕷(ときわじょうよ)
干菓子:松 鶴亀 有平糖(あわび千代結?)

昨年の初釜の日誌 ←1クリックで飛べます。


<2009.01.21 *1、*2 作者名など追記>

ラベル:初釜 茶事
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2008年11月24日

京都茶の湯大百科

 多聞さんのブログ「茶書の森」で教えて戴いていたNHKハイビジョン特集
「京都 茶の湯大百科」を見て、わくわくの110分を味わいました。
今日も現在再放送中ですが、再々放送もある予定ですので見逃してしま
われた方は、ビデオ予約してでも是非お楽しみ下さい。

NHK BSハイビジョン(BS・衛星放送の3チャンネルです)
  本放送 :2008年11月23日(日) 19:00〜20:50
       http://www.nhk.or.jp/bs/hvsp/

 *再放送 :NHK-BShi 2008年11月24日  16:05〜
 *再々放送:NHK-BShi 2008年12月 1日 14:00〜

取り急ぎ、おしらせのみにて失礼します。
感想などは追って書けましたなら…

◆追記◆
 12/1 「茶の湯大百科」
 12/2 「西本願寺御影堂平成大修復」
 12/3 「桂離宮」
 12/4 「15代楽吉左衛門」

 NHK BSハイビジョン 午後2:00〜3:50 再放送があります。
詳しくは本文中にある番組HPのURLをクリックしてご覧下さい。


ラベル:NHK 京都
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2008年11月17日

御家名物「村雨」茶壷

 
以前の日記(http://yamasakuran.seesaa.net/article/28674965.html?1287707031)で、私の拙い写真で紹介した「村雨」の茶壷の図録写真がありました。 もやっとしていた姿がよりはっきりとお分かりになると思います。

↓クリックすると大きくなります。
murasamechatubo.jpg

 文字が小さくて読みにくいのですが、来歴には、足利将軍家→秀吉→家康→井伊直政…とあります。

同じ日に、長次郎の黒楽茶碗「寿老人」
     永楽の金彩茶碗
     三輪休雪の萩茶碗

も拝見したのですが、かさかさに干からびたような「寿老人」の痛々しさばかり気になって、勿体無くも他のお茶碗の記憶が霧の中・・・

 「寿老人」は一体どのくらいの年月、お茶を点てられることもなく仕舞われていたのでしょう。 『喉が渇いた』と訴えているように思えてなりませんでした。 あれから何方かの手に渡り、ゆったりと潤い寛いでいることを願うばかりです。



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ラベル:茶壷
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2008年08月05日

藪内家・涼を楽しむ

 昨年、表千家の朝茶で盛り上がりました、NHK教育TVの「趣味悠々」、
今年は、

 「茶の湯 藪内家  涼を楽しむ 入門編」です。

    本放送 毎週月曜日 夜 10:00〜10:25
    再放送 翌週月曜日 昼 12:30〜12:55

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 番組HP http://www.nhk.or.jp/syumiyuuyuu/chanoyu.html

 番組は藪内流十三代・藪内紹智お家元、直々のご案内で始まります。
藪内流は初代・剣仲より脈々と受け継がれる「武家の茶」。 
古田織部から譲られたという門の脇には錘付きの通用門がついており、
ガタタタ…と重々しい音を出して来客を知らせます。 

 青竹の馬つなぎ、織部好の「延べ段」と呼ばれる5mもある長い刀形石
と大小の石の組み合せによる敷石など、随所に「武家」風が漂います。 

 秀吉も腰を掛けたという腰掛待合の貴人席、小袖三枚で交換したと
いう「三小袖石」、利休より譲られた茶室「雲脚」、足元を照らす為に
低く埋め込まれた「織部灯篭」など貴重な文化財も画面を通して拝見
することが出来ました。 

 進行役は、NHKの若手男性アナウンサー、爽やかな好青年です。
毎回ゲストが登場するようですが、初回は、藪内家の露地を長年に渡り
守っていらっしゃる中根史郎氏でした。 手水鉢の水が温まらないよう、
桐などの葉を被せたいう逸話に、水指の葉蓋のお話を思い浮かべました。

 そうそう、一つ思い出しましたので追記しておきます。
露地草履、靴下の方用に鼻緒がなくサンダルのように前がクロスした
形の草履が用意されていました。 初めて拝見しましたが、スーツの
男性等には親切な、現代的配慮と思いました。


 次週、第二回は「涼をみつける」です。


 毎週月曜日、「あんどーなつ」に加えての楽しみが増えました。

 その後に続く「知る楽しみ・神になった日本人」シリーズも
見逃せません。 (詳細は↓の日記に続きます。)

 昨日、見逃された方、上記のように再放送がありますので、是非!


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一時19位まで飛行機しましたが、現在また26位辺りにヒュ〜〜ッ遊園地涼しいで〜すあせあせ(飛び散る汗)
ラベル:趣味悠々 NHK
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2008年03月26日

お稽古日誌36・利休忌

                              (3月19日のお稽古)
        ? 1641.jpg

 千家茶道の始祖、抛筌斎利休宗易の命日は天正19年2月28日ですが
(旧暦から新暦へ換算し)表千家では、「ひと月送り」として、
新暦3月27日に利休忌の行事が催されます。 
(裏千家・武者小路千家では「ひと月遅れ」として3月28日。)

 利休忌には、利休の画像等を掛け、縁の菜の花をお供え*1します。
そして先ず、茶湯(ちゃとう)*2を供え(供茶=くちゃ)、一同で薄茶を
いただき、利休の遺徳を偲びます。

 また「七事式」の中の「廻り花」「茶カブキ」などを行ない、茶の湯の道に
精進する姿を以って供養と致します。

 3月と4月のお稽古は、この利休忌に因んだことを少しずつ分けて
教えて戴きます。 今日は先輩による供茶と茶通箱*4のお点前を拝見し、
私は四方棚で薄茶のお点前、最後は総飾りで終えました。 
茶巾の絞り方がどうもおかしいようで、今一度、おさらいです。

 利休さんの遺偈は決意を秘めたとても力強いお言葉で、きりりと
気持が引き締まる思いでした。 抛筌斎の号にもこの意志が感じられ
ます。
 

        08-03 049.jpg

<覚書>
掛物: 利休像 遺偈(ゆいげ)

      人生七十 力圍希 咄
      吾這宝剣 祖仏共殺
      提(ひっさぐ)ル我得具足の一太刀
      今此時そ天に抛(なげうつ)

      天正十九仲春
      廿五日 利休宗易居士
                   (花押)

花入: 胡唐 曾呂利   
 花:  菜の花
 棚:  利休形*3 四方棚(桐木地角有)
茶器: 利休形 黒大棗  仕服: 利休梅
茶碗: 天目茶碗
茶杓: 利休形 牙
菓子: 桜(本来の利休忌のお菓子は「朧饅頭」。)


*1「菜の花」
  秀吉の命により利休が自刃された時の床に飾られていたと伝わる。
  利休忌が済むまでは菜の花は用いない慣わし。

  通常は縦長の掛物と一緒に飾る場合、掛物と花入が重ならない
  ように飾るが、仏事の場合は供花なのでこの限りではない。  

*2「茶湯」「供茶」
  仏前への供茶の際は、天目茶碗・天目台を用い、先に茶碗に注いだ
  湯の中に抹茶を落とし、茶筌で点てずにそのまま供える。
 (神前への「献茶」の際は、茶筌で点てて献上します。)

*3「利休形」
  歴代の家元のお好みの道具は「○○好み」と呼称されるが、
  利休好みは、別格で「利休形」とされる。

*4「茶通箱(さつばこ)」
  客が「特別な茶」を持参した時に行う点前。
  箱の中には格上の茶入に客の茶、小棗に亭主の茶。
  この2種類の濃茶が供される。


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2008年02月06日

稽古日誌31「小間」

          08-2 006.jpg
                      「咲き分け」

 溶け残った雪雪の為か午後より雪?の天候の為か、今年一番と思える
寒さの中、白い息を吐きながらお稽古に向かい、先生のお宅の玄関を
カラカラと開けますと、ほうっとしっとりした暖気に包まれて…
ああ、懐かしい祖母の家の匂い…胸がきゅっとしました。

 この日は、初めての小間でのお稽古。 四畳半程の茶室に七名の弟子
と先生、総勢八名が膝を交えて睦まじく楽しいお稽古となりました。
体が近づくだけで不思議と親近感もまた一段と増すものですねハートたち(複数ハート)

 とは言え、お点前をする側になりますと、皆さんの目が目目が目とても
近くて、あれよあれよと言う間に緊張度が急上昇グッド(上向き矢印) 口の広いお釜から
の湯気いい気分(温泉)とあいまって、幾筋もの汗が流れ流れて参りました。

 初めての筒茶碗の扱いにも戸惑って、わ〜ん、泣きそうふらふらと思ったら
本当に目に汗が入って、まるで涙目に! 筒茶碗をしっかり掴んで
湯こぼししなければいけないのに、手は汗々で濡れていて滑るしあせあせ(飛び散る汗)
それはもうシドロモドロになってしまいましたバッド(下向き矢印)

 前半の浮き浮き揺れるハート後半の汗々たらーっ(汗)で、エネルギー消耗の激しい?
お稽古でした〜モバQ(た、魂が。。。)
筒茶碗・絞り茶巾のお点前は来週、冷静に覚えて(来られるかな?)
から書くことにします。

 舞い始めた粉雪がどんどん激しくなり、思わずフードを被って家に
戻り、鏡を見たら・・・まるでエスキモーいえイヌイットの人でしたぴかぴか(新しい) 

          08-2 007.jpg
 
<覚書>
 掛物: 「多福」
 花入: 備前? うずくまる*
   花: 白梅・白侘助・一子侘助(濃紅)
 香合: 福枡(枡の中にお多福さんで「福増す」)
 薄器: 雪吹* 「こぼれ梅」
 茶碗: 筒茶碗     替: 雪笹
 茶杓: 佐保姫


*うずくまる(うずくまり)
 人が火の傍でほっこりと背を丸めて蹲ったような形の掛花入。

*雪吹(ふぶき)
 蓋甲部が平らで縁に面取があり、胴の腰(底部)の縁にも同様な
 面取のある薄器。
 
 茶の湯では「吹雪」ではなく「雪吹」と記すならいです。
 その由来として、薄器の上下に同じ様な面取がある形を、ふぶきの
 中では天も地も 分らなくなるということを掛けたのだというお話
 があります。 若しかしたら最初はどなたかがうっかり書き間違え
 それをまた見事に生かされたのかもしれませんね。 このような
 遊び心が随所に散りばめられていて、それを少しずつ折に触れては
 知っていくのも茶の湯の楽しさの一つでするんるん


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2007年08月23日

椎の木窯の親父さまのお茶碗

 拙い茶碗が届いてウキウキしていたその明くる日、なんと今度は、正真正銘の匠が作られたお茶碗が我が家に届きました。 自作を掲載し、褒めざるを得ないような状況で皆さまのお目汚しをしてしまいました罪滅ぼしに、夢のごとき幸運の降臨、匠の作品をご紹介させて戴きます。

 春に出光美術館「志野と織部」展http://yamasakuran.seesaa.net/article/35554366.htmlを鑑賞してきた頃、丁度、椎の木窯の親父さまが「志野茶碗」について書かれた記事を拝見して、不思議なご縁の糸が結ばれました。 そして月日は巡り、遂にこの日、私の掌の中に、椎の木窯の親父さま作の志野茶碗が届けられたのです! 本来ならわたくしのようなものが手にできるお品ではないのですけれど、素晴らしいご縁にただただ感謝申し上げます。 椎の木窯の親父さま、本当にありがとうございました! 心より御礼申し上げます。

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 雪白の釉薬の上に鉄分を含んだ釉が掛けられていて、ほの淡い赤みがさしています。 まるで朱鷺の羽の色合い…嬉しいご縁が末永く続きますようにとの願いを込めて、
                 「朱鷺羽(ときは)
と呼ばせて戴くことに致しました。
     ? 165.jpg

 しっくりとたなごころに馴染む撫三角になっています。 口縁の厚さ形、唇に触れる質感も優しくて、お茶が一層美味しく戴けます。
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 地の土の色と釉薬の色合い、高台内外の焼け色も素敵です。 また高台の縁まで削られて味わい深く、手触りの良い作りになっています。見えないような所にも丁寧な手間が掛けられていて、これから使っていく内にも、きっと沢山の発見があると思います。
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椎の木窯の親父さまの百寿をお迎えの母上さまは、表千家のお茶を嗜まれるお方で、厳しいご指導からこのようなお茶碗の味わいがうまれたのだそうです。 

  
  ◇椎の木親父さまのお話◇
  私は、母に茶道具を供給する「やけものや」でした。
  ですから茶碗は多くの厳しい目に晒されておりました。
  形を格好良く演出するよりも、点て易く飲み易い茶碗を目指すように
  指導されましたので、私の茶碗はおっとりとしているのです。
  茶碗などいくら威張っても茶の道具に過ぎないのですからね。
  この気持ちだけは持ち続けたいと思っております。

  椎の木窯苞夢頁http://shiinoki-kama.web.infoseek.co.jp/


 本当に「ああ、あのお茶碗でお茶が飲みたい」と思うお茶碗です。


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ラベル:茶道 茶碗
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2007年08月22日

山で作った茶碗

 この日、奥多摩キャンプ中に作った茶碗が焼き上がって参りました。

     ? 161.jpg
     ? 162.jpg

 初めて作った抹茶茶碗、予想よりは良い感じかな…と思いきや、なんと見た目よりズシリと重いことか! 少しでも軽くなるように薄めを心掛けたのに、私と同じでお尻がドテッと…。

 まぁそんな茶碗ですが、お茶を点てて自服してみますと、大きさも手に馴染む形もなかなか按配良く、段々と重さにも慣れて(いいのかなぁ?)愛着が湧いて参りました。 こんな遊びもお茶の楽しみですね。

 あの山稜の重なりを望む谷間の里を思い出し「古里」と名付けました。
 

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ラベル:茶道 茶碗
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2007年04月11日

早蕨のお稽古初め

            ? 1639.jpg 

 半年間の外のお教室でのお稽古を終えて、いよいよ今日から
先生のお宅へ伺ってのお稽古をお願いすることになりました。

 お軸は 「花開蝶自来 

 お優しく温かなお人柄の先生のお傍には、既に師範の資格を
お持ちの先輩方も沢山、お稽古に集っていらっしゃいます。

 主菓子は 「早蕨

 こちらは茶の湯の世界に目覚めたばかりの私の姿でしょうか?
勿論こんなに可愛らしい姿ではありませんが、気持だけは…^^

 炉の上にゆらり吊られたお釜のように、私の心も期待に
膨らんで、ふわりと宙に浮き立つような春の日でした。


 <覚え書> お花 金魚椿(白)・黄碇草・一輪草
ラベル:茶道
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2007年01月12日

初釜「常盤薯蕷」

 表千家の初釜*の主菓子はこちら「常盤薯蕷(ときわじょうよ)*」です。
        tokiwajyouyo.jpg
 写真は「京菓子小町」夢菓さんのHPより
 http://kyogashi.kyoto-np.co.jp/modules/wordpress1/index.php?p=161
 和菓子は「京都・嘯月」さん作です。
 http://kyogashi.kyoto-np.co.jp/modules/xwords/entry.php?entryID=31

 中は翠色に染めた白小豆の餡、白い皮の薯蕷饅頭*です。
白餡は普通、手亡豆(白いんげん豆)を用いることが多く、この
白小豆から作った白餡はとても貴重なものと言うことです。

 外から見ただけでは、まるでただの白い薯蕷饅頭のようですが、
このように割って中を覗けば、まるで常盤の松の翠の上にほっこりと
真白な雪が積もったような、はっとする美しさが表れます。

 新年の初釜、この一見平凡に見えるお菓子の中に千年の翠の願いを
そっと込めて戴くとは、なんという奥ゆかしさでしょう。

 常盤樹と言えば、お茶の木もそうです。 私には、この翠は長年
大切に慈しまれ丸く丸く摘まれたお茶の木が、雪の下で春の芽吹き
の為に静かに力を蓄えているようにも思えます。

 また、常盤には「常緑」の意がありじょうばんとも読みますから、
次に「薯蕷(じょうよ)」が続けば、上々、常常とおめでたい
雰囲気も高まるような気が致します。

 一般には「常盤饅頭」と呼ばれていることが多いようですが、私は
先生のお教えに従って、やはり音の響きもゆかしい「常盤薯蕷」と
呼びたいと思います。

 *薯蕷(饅頭)
  薯蕷=つくね芋(山芋の一種)と上用粉(上新粉よりさらにきめが
  細かい生うるち米粉)を揉み合わせて皮に用いた饅頭。

 *初釜:年初の湯釜を炉にかけることから、新年最初のお茶会。

 
 この日記を書くにあたり、表千家の大先輩、あやめさん、飛翔さん、
そして、鎌倉とんぼさんの多大なるご協力を賜りました。 
皆さま、大変ありがとうございました。<( _ _ )>
 
 
<<参考>>
  裏千家の初釜の主菓子は、こちらの「菱葩(はなびら)餅」です。
      hanabiramoti.bmp 恵那栗工房・良平堂さん 作

  京菓匠・甘春堂さんのHP:http://www.kanshundo.co.jp/
  の中の「和菓子ミュージアム→京菓子歳時記・睦月」
  http://www.kanshundo.co.jp/museum/saijiki/1-saijiki.htm
  に、各流派の初釜のお菓子についての記載があります。



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ラベル:和菓子 初釜
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2006年12月16日

庭に茶花を

      ??〓 1223.jpg 

 いよいよそういう年齢が来たということでしょうか・・・
庭にもっと和の世界が、茶花が欲しいなと思うようになりました。

 かと言って、庭師を頼んでど〜んと作り変えようと言う訳ではなく、
地道に少しずつ自分であれこれ植え込みながら、段々とそれらしく
していければ楽しいかな、と。

 @白侘助椿(シロワビスケ)
 A紅侘助椿(ベニワビスケ)
 B利休梅(リキュウバイ)
 C三椏(ミツマタ)
 D大手毬(オオデマリ)

 これらを植えつけようと張り切って庭に出ました。
しかし、植えたい場所には先客が植わっています。
先ずそれらを堀上げて別の場所に移植せねばなりません。
これは大ごとです。分かっていたのに先に苗を買った馬鹿者です。
(ちょこっと弁解…苗は見つけたときに買わないと、欲しい品種は
 すぐに無くなってしまいがちなんです。 これも一期一会^^)


 取り敢えず、椿2本は大鉢に植え込みました。 
あとの3本は、空いた花壇に穴を掘って仮飢え状態にしました。
地面が凍る前に定植したいのですが、どうもこのまま、
「春、の予感…そんな気分…」(笑) 
 
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2006年11月16日

茶壷

 お茶のお稽古を始めてから、今までまるでご縁の無かった方々とお話することが出来たり、急に今まで経験したことも無かったような出来事に遭遇したり、驚くことばかりです。

 このお茶壷「村雨」を拝見することになったのはどんなご縁に導かれてのことなのでしょう。 私だけではとてもここまで辿り着くことはなかったと思います。 快く貴重なものを拝見する機会を与えて下さった皆々さまに深く感謝申し上げます。

       ??〓 1137.jpg

 とても大きな壺なのに、何度撮ってもピントが合いませんでした。 手が震えていたのか、心が震えていたのか・・・。



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2006年11月15日

炉開き・初茶事稽古(五)

 
 
其の道に入らんと思う心こそ我が身ながらの師匠なりけれ
 習いつつ見てこそ習へ習わずに善悪いうはおろかなりけり
                       (利休)
       

                ??〓 1127.jpg

後炭手前〜薄茶
 濃茶の手前が終わる頃になると炭の勢いも落ちてきますので、炭を足す後炭手前となり、釜に水も足されます。

 釜の湯の沸く音が聞こえてくるまで暫し歓談、頃合を見て煙草盆が回り始めます。 このお席では、どなたも煙草を嗜まれる方はいらっしゃいませんでしたが、正客さんが皆さんの求めに応じて、煙管をヒョイと取り上げられ、吸い方を披露して場を和ませて下さいました。

 その仕草はまるで時代劇の役者さんのようで格好良く素敵でした。 喫煙家が減り、煙草盆を回す意味がなくなったようでも、こうしてお道具を拝見したりお話を伺ったりするのは楽しいものです。

 次いで今度は秋の落ち葉や実を象った「吹き寄せ」のお干菓子が回って来ました。 どれも戴いてしまうのが惜しいほど可愛らしく、私はお許しを得て、娘のお土産に少し懐紙に包んで持ち帰らせて戴きました。 

 さて、今度の薄茶は銘々に一人分ずつお茶が点てられますので、前の方が飲まれたお茶碗を拝見した後、そのお茶碗を持ち亭主にお返しし、自分の分の薄茶が点てられた茶碗を受け取って戻って来る為に立ち上がらなければなりません。

 ここで遂に怖れていたことが…とうとう私はやってしまいました…

         ( ̄口 ̄;)ガーン!

 私は自分の足の痺れに全く気付いておらず、お茶碗を手にしたまま立ち上がろうと、かかとを立てた瞬間、力が入らずに前のめりにぐらっと崩れてしまったのです。 幸い未だ立ち上がる前でしたので、お茶碗も落とさずに済みましたけれど、今思い出しても全身に冷汗が・・・。

 この前後の記憶が定かでないことも、このショックの影響が大きいかと…言い訳です。 ああ、恥ずかしい…。

 薄茶を戴いた後、薄茶器、茶杓の拝見などを経て和やかに歓談…

退席
 正客が頃合を見てお暇乞いのご挨拶をされ、今一度正客から順に床や飾りつけなどを拝見する機会を得て、にじり口から退出します。

 …が、私はここでもやってしまいました! 煤i ̄口 ̄;)!
 縁から草履に手を伸ばした時に、足が攣ってしまい、皆さんに情けない姿をお見せしてしまいまったのです。 これは痺れよりも激痛で、その後3日ほど痛みが残ったほどでした、嗚呼・・・。

 日頃殆ど正座をしない生活なので、合計4時間ほどの正座は未体験ゾーン、想像もしていなかった事態にとても驚きました。 お稽古で何時間でも痺れない座り方を教えて戴いていて、自分でも茶事の間、特に足が痛いとか辛いとか思わずに過ごしてこれただけに、まさかこんな不意打ちがあるとは…。 油断大敵です。

 「正座、恐るべし!」
 これが結論というのは情けないですが、今の私には、何はおいてもこれがきちんと出来ないとお茶を続けていけませんので、全ての所作の基本と肝に銘じ、先ずは背筋を伸ばし美しい姿を保ちながらも緊張せずゆったりと正座を続けられるようになりたいと思います。

 お土産にお庭でとれた柚を山程と記念品を頂戴し、今日の諸先輩の凛とされたお姿を目標に、これからもお稽古に励もう! と意気揚々帰宅の途につきました。

          *     *     *

 お稽古を積まぬ内にお茶事に出れば、このような事になり兼ねないという見本を示してしまいましたが、私のように大人になってからお稽古を始めた身には、早いうちに全体像を目にして高い目標を得られたのは本当に良かったと、この機会を与えて下さり温かくお見守り戴いた先生をはじめ諸先輩の皆様に本当に感謝しております。
        
          *     *     *

 そして、最後までこんな長い日記にお付き合い下さった心優しき皆さま方に、心より感謝申し上げます。 

 ささ、お茶をどうぞ… ~~~旦o(^-^@) 

 
<<追記>>
 皆さまよりのコメントの中で教えて戴きましたこと、また後で思い出したことなどを、「付記」として青字で(一)〜(五)の日記の文中に書き足しております。

 これからも、赤字青字などが加わって、より楽しい思い出の記録に成長していけると嬉しいです。 皆さま、ご教示、本当にありがとうございます。これからも、どうか厳しく温かくお導き賜りたく宜しくお願い申し上げます。
                 山桜 拝




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炉開き・初茶事稽古(四)

        ??〓 1119.jpg

 長らく私の初茶事体験にお付き合い下さりありがとうございます。
最早独走態勢で黙々と走り続けているようかと思いきや、伴走応援して下さる方々が何人もいらして、もう大感激・゚・(つД`)・゚・最後までもう一息、ガンバリマス!

後座・席入り
 中立ちの後、同じ茶室に戻りますと、窓の簾が巻き上げられ、室内に明るい光が差し込んできました。 床には色づいたニシキギの枝と椿の蕾が一輪…お部屋の空気が一変し、まるで舞台の幕が変わり、新しい景色が広がったかのようです。

 前座の時と同様にお軸とお道具を拝見し、自分の席に着きます。 (二)の席入りの時書き忘れていましたが、手にしていたお扇子は一旦右膝横に置き、亭主への挨拶が済んだ後、自分の後に置きます。 この時、正客は扇子の要(かなめ)を上座へ向け、次客以降は下座へ向けます。 これはお互いへの敬意を示しています。

濃茶
 普段私達が戴く機会が多い抹茶は「薄茶・お薄」と呼ばれるもので、さらりと飲みやすく一人分ずつ点てられますが、濃茶はその文字通りふっくりとろりとした濃厚なお茶で、一つのお茶碗に人数分が点てられ回し飲むこととなります。

 濃茶には、単に抹茶の量が多いというだけでなく、薄茶用とは別に濃茶用に大切に育てられ、手入れされたお茶の木から摘まれた上質な茶葉が使われているのだそうです。 そのお味の違いが分かるようになりたいものです。

 薄茶のお稽古では茶杓に一杯半の抹茶を入れますが、濃茶ではどの位いれるのかと数えていますと、五名の客分で15杯…一人分は3杯でした。但し、注ぐお湯の量が少ないので、身近な例では、丁度ココアを美味しく淹れる時に、先ず少量のお湯で練り合わせる程の濃度と言えましょうか。

 今日の茶事の為のありとあらゆる心づくし全てが、この一服の濃茶を美味しく戴く為のものだと思うと、そのありがたさに心が高まり自然と雑念も消え、集中して参ります。

 まるでお茶の濃度と同様に、座の空気もぐっと濃くお手前にも格調と重みが増したように思えました。 この雰囲気の中で堂々とお手前が出来るようになる日がいつか来るのでしょうか…気が遠くなります。

 いよいよお茶碗が回って参りました。 薄茶と異なり、出し袱紗という美しい布が添えられています。 初めて扱いますので、正客さんと次客さんの所作をよくよく観察して臨みましたが、イザ自分の番になると、右も左も分からなくなり、結局一手一手教えて戴きながら頂戴することになりました。 確認して覚えながら書き出してみます。

 @前の方がお茶を召し上がっている間に次の方に「お先に」の次礼
 A前の方と自分の間に茶碗、その左に出し袱紗が置かれ送り礼
 B茶碗を自分の膝前に置き、右手で出し袱紗を取り左手の上で開き
 C茶碗を袱紗の上に載せ軽くおし戴いてから、正面から戴くのを避け
  る為、手前に二度回し正面を左横にして三口半ほど戴きます。
  (この日は5人分でしたので1/5を目安に)

 戴いてみると、トロリと滑らかな中に苦味は程々、次第に甘みと旨味が口に広がりうっとりとした気分に…これは確かに上質な大人の嗜好品です。

 D飲み終れば右手で茶碗を膝前に、袱紗を折りその左に置き、
 E懐紙を出して飲み口を清めます。
 F茶碗を右手で取り左手の上で向こうに二度回し、正面に戻します。
 G右手でお茶碗を(お茶碗は落とせば割れるものですので、いつも
  利き手で慎重に扱います。左利きの方は何かとお作法で困るので、
  昔はとても厳しく直されましたね。今お茶の世界では、どうされ
  ているのでしょう…)持ち、左手は膝で次の方との間に置きます。
 H出し袱紗を右手でとり左手に持ち替え、茶碗の左に置き、送り礼

 こうして順々に茶碗と袱紗が回り、最後に飲み終えた末客が両方を携えて正客に戻し、茶碗と出し袱紗の拝見となります。

茶碗・出し袱紗の拝見
 茶碗が回って来ましたら、縁内お隣との間に置き「お先に」の次礼
 @両手をついて茶碗の全体を右・左と拝見し、
 A次いで肘を膝から上げない高さで(万が一落としても茶碗が無事)
  手にとって、内側や裏側の高台も拝見します。
 B再度膝前に置き右・左と拝見し、お隣に送り礼をして回します。

 次いで出し袱紗が回ってきますので、手の上に取り拝見します。 全員の茶碗と出し袱紗の拝見が終わると、末客が正客に両方を出会い(正客が炉前の畳に末客を迎え出る)でお返しします。 最後に正客から亭主に、茶碗と出し袱紗がお返しされます。

 亭主がそれらを膝前に取り込みますと、客一同で総礼となります。

三器(茶入・茶杓・仕服)の拝見
 これらの拝見にも勿論お作法がありますが、後に譲ります…と言うかもう良く覚えていないのです。 そろそろ記憶力も限界です。

茶壷の拝見
 こちらも茶事のどの辺りでどのように拝見したか思い出せません。 網が掛かっている時は拝見を所望出来ないことと、壺をそっと倒し、 右から左に、もう一度右に戻して二度転がしながら拝見したというような記憶だけが、かすかにあるのですが…

(つづく…)



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炉開き・初茶事稽古(三)

       ??〓 1132.jpg
 
懐石
 香合の拝見が終わると、次は懐石です。

 「懐石」とは、茶事の主である濃茶をより美味しく戴く為、また 胃への刺激を少なくする為にすすめられる軽いお食事のこと。 元々は禅僧が空腹をしのぐ為に懐(ふところ)に温めた石を抱いたという話から発生した言葉ということです。

 丁度お昼前の時間でもあり、静かな中、お腹の音が響きそうで困っていた所…亭主の「粗飯を差し上げます」の声は天の助けです!

 正客から順に運ばれてくるお膳を、
 ・一膝前に出て受け取り一礼、膝前、敷居の向こうに置きます。
 ・一膝後に下がり、次客へ「お先に」のご挨拶をします。
 ・お膳を膝前に取り込みます。

 最初のお膳には、少量のご飯、汁物、向付。 この最初の少量のご飯は、先ずは炊き立てをどうぞとのおもてなしなので、待ってましたとばかりパクリと戴かずに、後で飯次(飯器)が回ってくるまで、一口分ほど残しておきます。 

 これは日常のおかわりの時と同じですね。 お茶碗を空っぽにしてしまうと『お腹が空いてるのにおかわりは未だ?』と催促しているようで卑しいと子供の頃に教わりましたが、今はどうなのでしょう? 少なくとも懐石の中では残っているお作法のようで安堵致しました。

 お碗の蓋の開け方、置き方、お箸の取り方、置き方…細々した所作が色々ありますけれど、今回は書ききれないので省略致します。

 お献立: 向付 柿膾(なます)(柿をくり貫いた器で)
      御飯 むかご御飯
      汁  鯛 大根 青菜
      お酒
      焼物 鮭 アスパラガス
      強肴 カジキ鮪? 里芋 椎茸  
      吸物 切昆布 鰹節  
      香の物 小茄子 蕪 野沢菜

 これらのお料理は香の物まで、全て先生の手作りの品々です。 御飯はホカホカ、お汁は熱々、焼物も煮物も一番美味しい頃合を見計らって出され、どれもこれも温かな優しい先生のお心が籠もり、本当にしみじみ美味しゅうございました。 どんな料亭の高級なお料理も適うものではありません。 私は涙が出そうでした…。

 付記:思い出したので忘れぬうちに書いて置きます。
    銘々のお膳に用意された杯はまるで茶碗の雛形そのもの、
    楽・志野・織部・黄瀬戸・・・ととりどりに揃えられていて
    嬉しくなりました。


 さて終いには、お湯次が回り、おかわりの後もまた一口残しておいた御飯をお湯漬けにして戴くと共に、汁椀も湯ですすぎ清めます。

 最後に客は各自、懐紙で器、箸先、お膳などの汚れを拭き、残し等があれば包んで持ち帰り、お膳の上を綺麗に片付けます。 (私はこのことを知りませんでしたが、先輩方が拭き終えた懐紙などの濡れ物を入れるビニール袋を予め分けていて下さっていたので、本当に助かりました^^;)

 全員の片づけが済むと、客一同で軽く音がするようにお箸をお膳に落とし、食事が終わった合図とします。 

主菓子
 お膳が下げられると、今度は濃茶をさらに美味しく戴く為の主菓子(生菓子)が出されます。 炉開きのお菓子は「亥の子餅」。 漉し餡を包むお餅にも少し小豆が搗きこまれ、まだらな亥模様、そこに肉桂(シナモン)?の香りの黄な粉がまぶされて…それは八橋よりずっと控えめでほんのりとした香りでした。 

 亥(いのしし)は多産で良く育ち縁起が良いのであやかった、これから寒さが一層増してくる、旧暦亥(十)の月亥の日亥の刻に亥の子餅を戴き無病息災を願う行事と、立冬と、茶事に限らず炉を開く頃が大体一致することから、炉開きに亥の子餅が用いられるようになったようです。 

 また亥は五行では「水」にあたるとされ、家の中で火を熾し始める際の火厄除けにもなるとも考えられていたようです。
 
◆中立ち
 お菓子を戴き終わると、正客から順にもう一度、床、炉、道具を拝見してから茶席を退出し、亭主が後座の支度を整えて下さる間、腰掛で休憩します。 

 やがて喚鐘(鳴り物)の合図で後座が整ったことが知らされますと、客は腰掛を出て、つくばって最後の一打まで聞き、鐘の余韻の中で再びつくばいで手水を使い手・口を清め、席入りとなります。(つづく…)



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ラベル:炉開き 茶事
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