2006年11月15日

炉開き・初茶事稽古(五)

 
 
其の道に入らんと思う心こそ我が身ながらの師匠なりけれ
 習いつつ見てこそ習へ習わずに善悪いうはおろかなりけり
                       (利休)
       

                ??〓 1127.jpg

後炭手前〜薄茶
 濃茶の手前が終わる頃になると炭の勢いも落ちてきますので、炭を足す後炭手前となり、釜に水も足されます。

 釜の湯の沸く音が聞こえてくるまで暫し歓談、頃合を見て煙草盆が回り始めます。 このお席では、どなたも煙草を嗜まれる方はいらっしゃいませんでしたが、正客さんが皆さんの求めに応じて、煙管をヒョイと取り上げられ、吸い方を披露して場を和ませて下さいました。

 その仕草はまるで時代劇の役者さんのようで格好良く素敵でした。 喫煙家が減り、煙草盆を回す意味がなくなったようでも、こうしてお道具を拝見したりお話を伺ったりするのは楽しいものです。

 次いで今度は秋の落ち葉や実を象った「吹き寄せ」のお干菓子が回って来ました。 どれも戴いてしまうのが惜しいほど可愛らしく、私はお許しを得て、娘のお土産に少し懐紙に包んで持ち帰らせて戴きました。 

 さて、今度の薄茶は銘々に一人分ずつお茶が点てられますので、前の方が飲まれたお茶碗を拝見した後、そのお茶碗を持ち亭主にお返しし、自分の分の薄茶が点てられた茶碗を受け取って戻って来る為に立ち上がらなければなりません。

 ここで遂に怖れていたことが…とうとう私はやってしまいました…

         ( ̄口 ̄;)ガーン!

 私は自分の足の痺れに全く気付いておらず、お茶碗を手にしたまま立ち上がろうと、かかとを立てた瞬間、力が入らずに前のめりにぐらっと崩れてしまったのです。 幸い未だ立ち上がる前でしたので、お茶碗も落とさずに済みましたけれど、今思い出しても全身に冷汗が・・・。

 この前後の記憶が定かでないことも、このショックの影響が大きいかと…言い訳です。 ああ、恥ずかしい…。

 薄茶を戴いた後、薄茶器、茶杓の拝見などを経て和やかに歓談…

退席
 正客が頃合を見てお暇乞いのご挨拶をされ、今一度正客から順に床や飾りつけなどを拝見する機会を得て、にじり口から退出します。

 …が、私はここでもやってしまいました! 煤i ̄口 ̄;)!
 縁から草履に手を伸ばした時に、足が攣ってしまい、皆さんに情けない姿をお見せしてしまいまったのです。 これは痺れよりも激痛で、その後3日ほど痛みが残ったほどでした、嗚呼・・・。

 日頃殆ど正座をしない生活なので、合計4時間ほどの正座は未体験ゾーン、想像もしていなかった事態にとても驚きました。 お稽古で何時間でも痺れない座り方を教えて戴いていて、自分でも茶事の間、特に足が痛いとか辛いとか思わずに過ごしてこれただけに、まさかこんな不意打ちがあるとは…。 油断大敵です。

 「正座、恐るべし!」
 これが結論というのは情けないですが、今の私には、何はおいてもこれがきちんと出来ないとお茶を続けていけませんので、全ての所作の基本と肝に銘じ、先ずは背筋を伸ばし美しい姿を保ちながらも緊張せずゆったりと正座を続けられるようになりたいと思います。

 お土産にお庭でとれた柚を山程と記念品を頂戴し、今日の諸先輩の凛とされたお姿を目標に、これからもお稽古に励もう! と意気揚々帰宅の途につきました。

          *     *     *

 お稽古を積まぬ内にお茶事に出れば、このような事になり兼ねないという見本を示してしまいましたが、私のように大人になってからお稽古を始めた身には、早いうちに全体像を目にして高い目標を得られたのは本当に良かったと、この機会を与えて下さり温かくお見守り戴いた先生をはじめ諸先輩の皆様に本当に感謝しております。
        
          *     *     *

 そして、最後までこんな長い日記にお付き合い下さった心優しき皆さま方に、心より感謝申し上げます。 

 ささ、お茶をどうぞ… ~~~旦o(^-^@) 

 
<<追記>>
 皆さまよりのコメントの中で教えて戴きましたこと、また後で思い出したことなどを、「付記」として青字で(一)〜(五)の日記の文中に書き足しております。

 これからも、赤字青字などが加わって、より楽しい思い出の記録に成長していけると嬉しいです。 皆さま、ご教示、本当にありがとうございます。これからも、どうか厳しく温かくお導き賜りたく宜しくお願い申し上げます。
                 山桜 拝




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炉開き・初茶事稽古(四)

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 長らく私の初茶事体験にお付き合い下さりありがとうございます。
最早独走態勢で黙々と走り続けているようかと思いきや、伴走応援して下さる方々が何人もいらして、もう大感激・゚・(つД`)・゚・最後までもう一息、ガンバリマス!

後座・席入り
 中立ちの後、同じ茶室に戻りますと、窓の簾が巻き上げられ、室内に明るい光が差し込んできました。 床には色づいたニシキギの枝と椿の蕾が一輪…お部屋の空気が一変し、まるで舞台の幕が変わり、新しい景色が広がったかのようです。

 前座の時と同様にお軸とお道具を拝見し、自分の席に着きます。 (二)の席入りの時書き忘れていましたが、手にしていたお扇子は一旦右膝横に置き、亭主への挨拶が済んだ後、自分の後に置きます。 この時、正客は扇子の要(かなめ)を上座へ向け、次客以降は下座へ向けます。 これはお互いへの敬意を示しています。

濃茶
 普段私達が戴く機会が多い抹茶は「薄茶・お薄」と呼ばれるもので、さらりと飲みやすく一人分ずつ点てられますが、濃茶はその文字通りふっくりとろりとした濃厚なお茶で、一つのお茶碗に人数分が点てられ回し飲むこととなります。

 濃茶には、単に抹茶の量が多いというだけでなく、薄茶用とは別に濃茶用に大切に育てられ、手入れされたお茶の木から摘まれた上質な茶葉が使われているのだそうです。 そのお味の違いが分かるようになりたいものです。

 薄茶のお稽古では茶杓に一杯半の抹茶を入れますが、濃茶ではどの位いれるのかと数えていますと、五名の客分で15杯…一人分は3杯でした。但し、注ぐお湯の量が少ないので、身近な例では、丁度ココアを美味しく淹れる時に、先ず少量のお湯で練り合わせる程の濃度と言えましょうか。

 今日の茶事の為のありとあらゆる心づくし全てが、この一服の濃茶を美味しく戴く為のものだと思うと、そのありがたさに心が高まり自然と雑念も消え、集中して参ります。

 まるでお茶の濃度と同様に、座の空気もぐっと濃くお手前にも格調と重みが増したように思えました。 この雰囲気の中で堂々とお手前が出来るようになる日がいつか来るのでしょうか…気が遠くなります。

 いよいよお茶碗が回って参りました。 薄茶と異なり、出し袱紗という美しい布が添えられています。 初めて扱いますので、正客さんと次客さんの所作をよくよく観察して臨みましたが、イザ自分の番になると、右も左も分からなくなり、結局一手一手教えて戴きながら頂戴することになりました。 確認して覚えながら書き出してみます。

 @前の方がお茶を召し上がっている間に次の方に「お先に」の次礼
 A前の方と自分の間に茶碗、その左に出し袱紗が置かれ送り礼
 B茶碗を自分の膝前に置き、右手で出し袱紗を取り左手の上で開き
 C茶碗を袱紗の上に載せ軽くおし戴いてから、正面から戴くのを避け
  る為、手前に二度回し正面を左横にして三口半ほど戴きます。
  (この日は5人分でしたので1/5を目安に)

 戴いてみると、トロリと滑らかな中に苦味は程々、次第に甘みと旨味が口に広がりうっとりとした気分に…これは確かに上質な大人の嗜好品です。

 D飲み終れば右手で茶碗を膝前に、袱紗を折りその左に置き、
 E懐紙を出して飲み口を清めます。
 F茶碗を右手で取り左手の上で向こうに二度回し、正面に戻します。
 G右手でお茶碗を(お茶碗は落とせば割れるものですので、いつも
  利き手で慎重に扱います。左利きの方は何かとお作法で困るので、
  昔はとても厳しく直されましたね。今お茶の世界では、どうされ
  ているのでしょう…)持ち、左手は膝で次の方との間に置きます。
 H出し袱紗を右手でとり左手に持ち替え、茶碗の左に置き、送り礼

 こうして順々に茶碗と袱紗が回り、最後に飲み終えた末客が両方を携えて正客に戻し、茶碗と出し袱紗の拝見となります。

茶碗・出し袱紗の拝見
 茶碗が回って来ましたら、縁内お隣との間に置き「お先に」の次礼
 @両手をついて茶碗の全体を右・左と拝見し、
 A次いで肘を膝から上げない高さで(万が一落としても茶碗が無事)
  手にとって、内側や裏側の高台も拝見します。
 B再度膝前に置き右・左と拝見し、お隣に送り礼をして回します。

 次いで出し袱紗が回ってきますので、手の上に取り拝見します。 全員の茶碗と出し袱紗の拝見が終わると、末客が正客に両方を出会い(正客が炉前の畳に末客を迎え出る)でお返しします。 最後に正客から亭主に、茶碗と出し袱紗がお返しされます。

 亭主がそれらを膝前に取り込みますと、客一同で総礼となります。

三器(茶入・茶杓・仕服)の拝見
 これらの拝見にも勿論お作法がありますが、後に譲ります…と言うかもう良く覚えていないのです。 そろそろ記憶力も限界です。

茶壷の拝見
 こちらも茶事のどの辺りでどのように拝見したか思い出せません。 網が掛かっている時は拝見を所望出来ないことと、壺をそっと倒し、 右から左に、もう一度右に戻して二度転がしながら拝見したというような記憶だけが、かすかにあるのですが…

(つづく…)



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炉開き・初茶事稽古(三)

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懐石
 香合の拝見が終わると、次は懐石です。

 「懐石」とは、茶事の主である濃茶をより美味しく戴く為、また 胃への刺激を少なくする為にすすめられる軽いお食事のこと。 元々は禅僧が空腹をしのぐ為に懐(ふところ)に温めた石を抱いたという話から発生した言葉ということです。

 丁度お昼前の時間でもあり、静かな中、お腹の音が響きそうで困っていた所…亭主の「粗飯を差し上げます」の声は天の助けです!

 正客から順に運ばれてくるお膳を、
 ・一膝前に出て受け取り一礼、膝前、敷居の向こうに置きます。
 ・一膝後に下がり、次客へ「お先に」のご挨拶をします。
 ・お膳を膝前に取り込みます。

 最初のお膳には、少量のご飯、汁物、向付。 この最初の少量のご飯は、先ずは炊き立てをどうぞとのおもてなしなので、待ってましたとばかりパクリと戴かずに、後で飯次(飯器)が回ってくるまで、一口分ほど残しておきます。 

 これは日常のおかわりの時と同じですね。 お茶碗を空っぽにしてしまうと『お腹が空いてるのにおかわりは未だ?』と催促しているようで卑しいと子供の頃に教わりましたが、今はどうなのでしょう? 少なくとも懐石の中では残っているお作法のようで安堵致しました。

 お碗の蓋の開け方、置き方、お箸の取り方、置き方…細々した所作が色々ありますけれど、今回は書ききれないので省略致します。

 お献立: 向付 柿膾(なます)(柿をくり貫いた器で)
      御飯 むかご御飯
      汁  鯛 大根 青菜
      お酒
      焼物 鮭 アスパラガス
      強肴 カジキ鮪? 里芋 椎茸  
      吸物 切昆布 鰹節  
      香の物 小茄子 蕪 野沢菜

 これらのお料理は香の物まで、全て先生の手作りの品々です。 御飯はホカホカ、お汁は熱々、焼物も煮物も一番美味しい頃合を見計らって出され、どれもこれも温かな優しい先生のお心が籠もり、本当にしみじみ美味しゅうございました。 どんな料亭の高級なお料理も適うものではありません。 私は涙が出そうでした…。

 付記:思い出したので忘れぬうちに書いて置きます。
    銘々のお膳に用意された杯はまるで茶碗の雛形そのもの、
    楽・志野・織部・黄瀬戸・・・ととりどりに揃えられていて
    嬉しくなりました。


 さて終いには、お湯次が回り、おかわりの後もまた一口残しておいた御飯をお湯漬けにして戴くと共に、汁椀も湯ですすぎ清めます。

 最後に客は各自、懐紙で器、箸先、お膳などの汚れを拭き、残し等があれば包んで持ち帰り、お膳の上を綺麗に片付けます。 (私はこのことを知りませんでしたが、先輩方が拭き終えた懐紙などの濡れ物を入れるビニール袋を予め分けていて下さっていたので、本当に助かりました^^;)

 全員の片づけが済むと、客一同で軽く音がするようにお箸をお膳に落とし、食事が終わった合図とします。 

主菓子
 お膳が下げられると、今度は濃茶をさらに美味しく戴く為の主菓子(生菓子)が出されます。 炉開きのお菓子は「亥の子餅」。 漉し餡を包むお餅にも少し小豆が搗きこまれ、まだらな亥模様、そこに肉桂(シナモン)?の香りの黄な粉がまぶされて…それは八橋よりずっと控えめでほんのりとした香りでした。 

 亥(いのしし)は多産で良く育ち縁起が良いのであやかった、これから寒さが一層増してくる、旧暦亥(十)の月亥の日亥の刻に亥の子餅を戴き無病息災を願う行事と、立冬と、茶事に限らず炉を開く頃が大体一致することから、炉開きに亥の子餅が用いられるようになったようです。 

 また亥は五行では「水」にあたるとされ、家の中で火を熾し始める際の火厄除けにもなるとも考えられていたようです。
 
◆中立ち
 お菓子を戴き終わると、正客から順にもう一度、床、炉、道具を拝見してから茶席を退出し、亭主が後座の支度を整えて下さる間、腰掛で休憩します。 

 やがて喚鐘(鳴り物)の合図で後座が整ったことが知らされますと、客は腰掛を出て、つくばって最後の一打まで聞き、鐘の余韻の中で再びつくばいで手水を使い手・口を清め、席入りとなります。(つづく…)



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炉開き・初茶事稽古(二)

すっかり更新の間隔が空いてしまいましたが、日付は変わらず、同じ15日のまま…ここだけ時が止まって…^^; いえ、止まっていない証拠に記憶がますます怪しくなって参りました。

 これはあくまでも私のお稽古備忘録ですので、その辺りどうかお見逃し、ご勘弁下さい。

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席入り(つづき)
 床の間の掛け物(お軸)、炉(畳の中に四角く小さな炉が切ってあり、中に茶釜がかけてあります)、お道具を粗相の無いよう、先の人の動作をひたすら倣って拝見します。

 持ってきたお扇子を拝見するものと自分の間(ここでは人と物とのけじめ・結界の意味を持つ)、膝前に要を右にして置き、礼をします。 この礼も、お軸は一番格が高くこの茶席の大切なお題を表すものですので、真の礼、その他のお道具は行の礼とのことでした。(文字の楷書・行書・草書に倣い、礼にも三つの形があります。)

 私は知らずに全て真の礼をしてしまったので、「そんなに丁寧にされなくても…」と教えて戴きました。 丁寧も度が過ぎると後に続く人に迷惑が掛かりますね。 間違える度に勉強になります。

 拝見し席に着くまでで体の向きを変える場合、正客は次客以下に次客以下は正客に背を向けないようにするのが基本動作とのこと、自然にそうしていたと思いますが、自信はありません。

 こんな風に「型どおり」見て(いたような積りになって)心の中では『早く自分の席に座ってしまいたい』と思いつつも、つとめて平静を装い慌てず落ち着いてと念じ続け、めでたく?無事に3番めのお席に
着くことが出来ました。(ふぅ…)

ご挨拶 全員が拝見を済ませて着席した頃合をみて、亭主が挨拶にみえます。 先ず襖を開けて直ぐに入室はせず、敷居の手前でご挨拶…正客さんが頭を下げられるのに合わせて、総礼…の筈が私だけ遅れて一人ウェーブ状態( ̄口 ̄;)!

 亭主は正客のすすめで初めて席に入り、正客から順にお招きのお礼のご挨拶を述べます。 私は多分席に合わない大きな声を出したようなうっすらとした記憶があります。(恥ずかしいことは早めに記憶から消去する性質なので…)

 全員のご挨拶が済むと、正客が掛け物などのことをお尋ねになります。 お軸は「時雨洗紅葉」、その他のお道具のことなどは何を仰ったか殆ど覚えておりません。 アァ…(><)

炭のお手前
 亭主は炭斗(すみとり)を持って戻られると、先ず炉にかけてあった茶釜の両側の耳「鐶付(かんつき)」に鐶(キーホルダーの輪の部分の形=螺旋を押しつぶした形をしている)をクルリと通して、茶釜を持ち上げ一旦炉から釜敷きに預けます。

 次に亭主が羽箒で炉縁と炉壇を掃き清め終わると、正客から順に炉を拝見する為に炉前に集まります。

 干瓢で出来た炭斗の中には、満開の菊の花のような丸い断面の炭と蜜柑の実のような半分に割られた炭、そして細い白い枝のような炭などが美しく整えて納められていました。

 
 付記:m-tamagoさんの所で、炉開きには「瓢(ふすべ)の炭斗」が用いられるものと教えて戴きました。ありがとうございます。

 これを伺って、亥の子餅と同じ様に、これは昏々と湧き出る天の川に源ともされる瓜の実に肖る火厄封じの意味があるのではと想像しました。 屋内で火を熾すことへの神聖な心構え、心配りを感じます。


 炭を炉につぐ前には、濡れ炭を丸くまきます。 後で調べますとこれは、炉の中を清め景色に風情を与える為なのだそうです。

 
 付記:チャチャさんに、濡れ炭には空気の対流を起こし、炭が熾りやすくする作用もあると教えて戴きました。ありがとうございます。


 炭のつぎ方にも、火箸の扱い、炭の組み方など様々なお手前があるようですが、キャンプファイヤーの薪組みと導火線を思い浮かべていたのは、私だけでしょうね…。 すみません。

 最後に香合からお香を取り出して炭の傍に置きます。 香合が拝見に出されている内に、ふうわりとお香がたちのぼり、夢ごこちです。 そうしてほわんとしていたので、香合も拝見した筈なのに細部の記憶がありません。 織部で亀甲型のような感じだったようなようなような…すみません。


 付記:あやめさんに、お香は時間差で香るように置かれていることを教えて戴きました。 ありがとうございます。


(つづく…)



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炉開き・初茶事稽古(一)

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 未だ10月よりお稽古を始めたばかりだと言うのに、大胆にも初めての茶事に出席させて戴くことになりました。 先生の優しい眼差しに励まされ、生来の好奇心が渦巻く不安に打ち勝ってしまいました^^;

 忘れないうちに早く書きたいと思いつつ、もう1週間立ってしまい、記憶もあやふやな所があるかと思います。 なにかおかしな処などございましたら、諸先輩方、どうかご教授賜りたくお願い申し上げます。

寄付 
 朝10時前、先生のお宅に到着すると玄関前は既にしっとりと打ち水に潤っていました。 これが準備ができていますの合図と伺っていたのでお声を掛けますと、寄付に案内され、お白湯をすすめられました。 緊張して乾いた喉にお白湯が染み渡り、次々を集まられる先輩方とお話をする内に、ようやく少し気持がほぐれて参りました。

<露地へ>
腰掛待合
 お客様が全員揃うと、用意された露地草履に履き替え、外へと案内されます。 私はお正客さん、次客さんに次いで3番目、5名の客の中のアンコ(一番安心)の位置で前からも後からも教え支えて戴けました。

迎付け
 腰掛で暫く待つ内、つくばいを検める水の音が聞こえ、中門前でつくばってご亭主のお迎えを受けます。

手水(ちょうず) 
 中門をくぐり、つくばいで手水を使いますが、これは前の方々のやり方を拝見しますと、神社の手水の使い方と同じようでしたので、間違いなく済ますことが出来ました。(ホッ)

席入り 
 さて、いよいよにじり口からお席をうかがい、にじって席入り、露地草履を底合わせにして片付けます。 少し縁が高く、落ちないように、重ねた草履を崩さないようにと緊張しました。
 末客(お末さん?お詰めさん)は最後に軽く音を立てて戸を締め、席入りが済んだ事をその音で亭主に伝えます。


 付記:あやめさんに末客さんの呼び名は「お詰めさん」と教えて戴きましたので、訂正致します。ありがとうございました。


 この後が大変でした。 床の掛け物、炉、道具などを拝見して自分の席に着くのですが、畳の敷き合わせの角を越して歩き、その角で前の方、また次に後の方とすれ違うタイミングが計れず、歩く順路も分からなくなり、どぎまぎです。

 折角の一期一会の拝見の機会でしたのに、無我夢中で目で見てはいた筈なのに心が集中していなかったのでしょう…よく思い出せないのです…本当に勿体無いことをしました。
(つづく)
 



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2006年11月14日

東京国立博物館・庭園

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            「春草廬(しゅんそうろ)」
 江戸時代、河村瑞賢が淀川改修工事の際に建てた休憩所→大阪→ 横浜・三渓園→ 所沢市・松永安左エ門(耳庵)の柳瀬荘→ 現在地に移築。「春草廬」の扁額は、曼殊院良尚法親王筆。

 安住の地を得て、ゆったり旅の疲れを癒しているような風情でした。
 

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        「転合庵(てんごうあん)」対岸からの遠景
 小堀遠州が桂宮から茶入「於大名(おだいみょう)」を賜った折、その披露の為、京都伏見の六地蔵に建てた茶室→大原寂光寺に移築→茶入と共に当館に寄贈され現在地に移築。

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                  庵の内部

 こちらのお茶室は良く使われているようで、お香の残り香が漂い内部にも生気がありました。 右の写真は光の入り具合のせいか不思議なセピア色モノクロ状態になってしまいました。


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            「六窓庵(ろくそうあん)」

 17世紀中頃、奈良・興福寺慈眼院に建てられた金森宗和好みの茶室。

 元興福寺大乗院、現在奈良国立博物館に移された「八窓庵」
 東大寺塔頭四聖房の「隠岐録」と共に「大和の三茶室」といわれた。

 解体輸送中の船の難破、第二次大戦中の解体・疎開などをくぐり抜け、昭和22年(1947)9月、数奇屋の名工木村清兵衛により現在地に再建。 水屋、寄付、腰掛などは明治14年に古筆了仲(こひつりょうちゅう)によって設計、増築。

 肝心なところは見えないし、小さなどう使ったのかよく分からない
 建物が…上の解説を読み、あれがそうだったのかなと思い返すも知識の乏しい私にはイササカ難物でした。
 


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            「九条館」
 京都御所内の九条邸→東京赤坂の九条邸に移築。当主の居室。
 昭和9年(1934)九条家から寄贈、現在地に移築。
 床張付、襖などには狩野派による楼閣山水図が描かれており、欄間にはカリンの一枚板に藤花菱が透かし彫りされています。

 お屋敷をこっそり覗く子供のように硝子窓に顔を寄せて写真を撮り
ました。 木枠にはめられた昔の硝子の何とも言えぬ歪みによる光の揺らめきが好きです。

 この他「応挙館」、燈籠、五重塔、石碑、有馬家墓石(昔この庭園は寛永寺境内で、なぜか今もこの墓石だけが残されているそうな)など見所はいろいろです。 桜の頃はまた一層華やかでしょう。
(公開は春秋の年二回)




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2006年10月11日

お稽古初め

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 今日から茶道のお稽古に通い始めました。 
これまで母方に教わっただけで、先生についてきちんと学んだことがありませんでした。 また母方の流派は裏千家でしたので、私は思い切って一から、古くからの伝えをより重んじていると思われる表千家の先生にお願いすることに致しました。

 お薄の泡をあまり立てずに、雲間から覗くお月様の形にする…私は実はムースのような泡が好きだったのですが、泡とお茶の「お月様と雲」の景色は美しく、一気に心魅かれてしまいました。


 お軸は「清秋竹露深」
  この日、お軸を拝見して心に浮かんだ情景は一生忘れないものになると思います。 お薄も竹林の清気を感じつつ戴きました。

 お花は「水引と槿」
  槿は夏のお花では…などと小賢しいことを頭の中でチラと思いましたが、後で調べますと、盛りを過ぎて小輪になったものを「名残」として用いることがあるのだそうです。 しかも開きかけの蕾でしたので、尚更に小さく控えめな、まるで秋の露を思わせるような「名残」でした。

  水引も紅白、槿の蕾も淡紅と白…
   『これは先生から私共へのお稽古初めのお祝いのお気持…?』
  戴いて来たお花を家で生け直しつつ、やっとそう思い至りました。 先生、大変遅まきながら、お心遣いありがとうございました。

 まだまだとても書ききれない感動は心の内に…嗚呼、この先に待っている豊かな伝えの世界のことを思うと、嬉しさに心躍る思いで一杯です。
 


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